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暗闇に沈む陽  作者: sakura
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羊の国

例えば…家畜化と聞いてこんな国を仮に想い描いた


家畜化と言うと、聞こえが悪いけど…リーダーがいて、その他のものが家畜化された従順でおとなしい先頭に追随し従う羊ならば、メェメェ鳴きながら集団で移動するに難くない

高度に連携した集団とは驚異的な力です

その集団内ならば、皆んなで働き、助け合い、成果を皆んなで分け合うコミュニティが築けるに違いない

優しくて平等なかつ皆が頑張れば頑張るほどに豊かになる…理想的な世界です


うんうん…悪くない

優しさ、思いやりなどの徳と言われる綺麗事も力を発揮することでしょう

留意点は、唱える綺麗事とは境界内でしか通用しない現実を冷静に見据えること

理想と現実には、常に乖離がある

もし勘違いしたお馬鹿な羊が境界外に綺麗事の制度の対象を外に無限に広げるとどうなるか…?

それは、その国の致命的な弱点になり得る


まず「羊は皆平等である、差別はいけない」などとお題目を唱えながら、その集団内に、外から黒い羊が流入するでしょう

そして、その集団内に何も貢献せず、あらゆる手段を活用して、その綺麗事の制度を利用し、成果を当たり前のように持ち去る

更に噂を聞きつけた黒い羊達が、世界中から、ワンサカ津波のように押し寄せる

羊が働いても働いても、その成果は自分達に還元されず、合法非合法問わずして、あらゆる利益は黒い羊達に流れていくことでしょう


だって、もし、そんな精神的に未熟で甘い国があり、私が困窮してたら、きっとそうする

まるでお菓子の家に住まう羊達


大変だ…メェメェ

働いても働いても楽にならないメェメェ

でも、差別はいけないよねメェ

だって、羊は皆、平等だものメェ


耳を澄ませば、羊達の会話が聞こえるよう

ああ…黒い羊達にも、あなた達のための互助制度を利用させるなんて、なんて優しい

そして…なんて愚かで、なんてお馬鹿な羊達なんでしょう


黒い羊達の嘲笑う声が聞こえる

「優しい優しい羊さん、これからも俺たちのために働いて働いて死ぬまで働いてくれよ、お前らの子供もな、教育しとけよメェ、俺たちを差別するなと、差別様々だメェ、羊は産まれながらにして皆んな平等だメェメェ」

嘲笑され、蔑まれ、利用されるために、その羊の国は存続を認められ、内外を食い荒らされ、子々孫々に同じ轍を踏ませ、未来を閉ざし…それでも羊が綺麗事を唱えるとしたら、理由は何であろう?

…多分、其奴らは、白い羊の皮を被った黒い羊か、仲間を裏切り、黒く染まった羊に違いないと私は思うのだ


自分さえ良ければ、それで良いのですか?


綺麗事を唱え自分を騙し他人を騙し労苦は他に押し付け、成果だけ得る…そんな反吐が出そうほどに最低最悪な、心が醜悪な羊が幅を効かせてるを想像したところで、私は想像を止めた…



…その羊の国は、一瞬で消えた



ああ、想像だけだから、私が嫌気が差し、考えを止めれば、そんな国は消えてしまうのです

実際には、そんな生物的欠陥のあるお馬鹿な国など、この世にはありえませんから安心です



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