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乗合馬車ガチャ

 乗合馬車ガチャの結果は大勝利である。

まず座席の一つ一つにクッションが敷いてあるところでポイントが高い。なんて気配りができた運転手なのだろうか。

 さらに、見た目から期待していたが、乗り込んだ瞬間香る真新しい木の匂い。これは新調したばかりの馬車だ。

 そして運転するのはベテランのタクシードライバーの雰囲気漂うおじいさん。道の途中に開いている穴を数センチ単位の微調整で避け、こちらに伝わる振動を最小限に抑えてくれている。


これは快適な旅になりそうだ!


 私以外にも4、5人の乗客を乗せ、乗合馬車は石畳の街道を進み始めた。

 幌に包まれた馬車は外の様子を見るための小窓が左右2箇所ずつ開いており、私はいつも外の風景を見るために小窓近くの座席を好んで座るが、各々したいことに合わせて馬車内の座席を選んでいるようだ。

 例えば私より前に馬車に乗り込んでいた老齢に男性は角の部分にもたれかかって寝ている。数時間の移動の後を考えて体力を温存するためかな?

 野菜をたくさん抱えた主婦と思われる女性は運転手さんに一番近い場所に座り、運転手さんとおしゃべりに興じている。どうやら知り合いではなさそうだが、乗り込んですぐに話し始めたところから、女性はいつも運転手さんとのおしゃべりタイムを所望して席を選んでいるようだ。

 他にも本を読んでいる人や、冒険者だろう筋骨隆々な男性が武器の手入れをしている。


 しばらくたってから小窓から覗くと森の中の街道を走行中であった。

みずみずしい緑色の葉のトンネルの中、風に揺れて木漏れ日がキラキラと煌めき、美しい景色が広がっている。


 冒険あり魔法ありのファンタジーな世界なれど太陽のように昼間に輝く星と月のように夜を穏やかに照らす星があり、昼と夜に長さは大体同じであったのは安心する要素である。

 太陽の方はあまり変わりはないが、月の方は卵のような形をしていて、なんだか可愛いなと感じているが、やはりここが元いた世界でないことをまざまざと感じてしまう。

 自分の最期を覚えていないので、どのように死んだのかは覚えていないが、前世+今世と2倍楽しめているのだと思えば悪くはない、かな。


「もうそろそろアイオーラムの町に着くので、そこで休憩します」


 もうすぐお昼といったところで運転手さんの声が響いた。

 休憩ということはここらで旅程の半分が過ぎたということだ。


 今回の休憩の地、アイオーラムは初めての町だ。

 運転手さんによって寄りやすい町があるのかしら。

 とりあえずお昼ご飯を食べよう。

ちょっとは異世界要素入れとこうと思いまして、月は卵型です。

太陽はちょっと大きいです。

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