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お役目完了


「ふはあぁ〜…終わったぁ…」


 ガクッと力を抜いて後ろにある木に背中をもたれる。

瘴気を抑える、というか、集めて固めるような能力である”収斂”は、”治癒”に比べると魔力の消費が大きい。


「これも、同じ、か」


 手に持った黒いレリーフに目を落とす。

大きさはあの時よりも大きいが、色や質感が同じ、真っ黒なレリーフには、浮き彫りの部分にはカメのような図柄が描かれている。

あの時はできたレリーフを放置して行ってしまったことに救助されてから気づき、後日同じ場所に戻って探したのだがどこにもなかった記憶がある。

このままこれを置いていけば土に還る、のかな?


 結構派手にドスンドスンやってくれたおかげで、そろそろ麓のひとが様子を見にくるかもしれない。

ドンと置いていくのもなんなので、レリーフは土に埋めておいて、置き去りにしていた帽子をかぶる。

見事な青色になってしまった髪の毛を押し込め、確認のためシエルにもらった呼び出し石のツヤツヤな表面で髪がはみ出していないか確認する。

マフラーもきっちり巻いて、コートの襟を立てる。よし、だいじょうぶ!





「助けてください!シュペルの実をとってきたのですが、冒険者の方が倒れていて!」

「なんだって!?」

「嬢ちゃんはだいじょうぶか!?」


 雪の降る中、酒蔵まで戻った私は、さも倒れている冒険者と関係ない風に装って助けを求める。

自分より大きな成人男性を運んでくる体力も筋力もないので、こうする他ないのだけど。

ついでにシュペルの実も売り払い、一石二鳥。


「麓に行って応援を呼んできます!」

「頼んだよっ」


 まつ毛の色も青になっているので、長く見られないためにすぐ町の方に逃げる算段を整えて酒蔵を後にする。


 騙してごめん!応援は呼べないけど今夜には勇者が来るから我慢して、レットさん!


 誰にも会わないように細心の注意を払って神殿に向かう。

3人(3神?)のうちの誰か領域から出ていればすぐに会えるはず!

万が一会えなかったら森の中でやりすごそう。一応野営の道具も持ってきている。


 神殿に向かう途中、武装した人たちが雪渓の方に向かっていくのを横目に確認し、こそこそと神殿の中に入る。

スフィアトルの件で神官もシスターも出払っているようで、誰にも会わずに小部屋に入ることができた。


「カミサマ〜!いてくださいね!1日で終わらせたんだから!」


 両手を組み祈りを捧げる。

ギュッと閉じた瞼の裏にじんわりと光を感じ、だんだん吸い込まれていくような感覚がした。

あ、ちゃんと待っててくれた。

ふわりと体が軽くなったように感じた瞬間、どこかでチリンチリンと音が聞こえたような気がした。

リリィの戦いパート1終了です。

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