聖女と青い髪
私はもともとこの世界に聖女として転生した。
伝わってはいないのだが聖女はこの世界になんの因果もない異世界の人間がなるものである。
しかし、世界を渡ったものが皆聖女になるわけではない。
強く記憶を残すことを選び、自分で言うのも恥ずかしい話だが、意志や正義感が強い者のみが使命を得る。
私にはどうしても記憶を残したい理由があり、この転生した世界の平和を強く望む者であった。
「髪の色はもう戻らないの?」
「戻せるよぉ」
けろりと言ってのけたオルカラーンに思わず飲んでいたお茶をこぼしそうになった。
なんですって?
私の負のオーラを感じたのか、また眉をへにょりとさげて、
「でも力を使う時にはどうしても青色になっちゃうんだよぉ〜」
オルカラーン曰く、青色には水を表す意味もあるが、癒しを司る意味がある。
聖女の力は青い髪のものへのギフトなのだということだ。
「ああ、だからあの時髪が青くなってたのか」
あの時。
シエルが転落し川に落ちた時。
転生する時に私は神様にわがままを言ったのだ、聖女の力を使う必要がある時まで、平穏な生活を遅らせてほしいと。
だから私の髪の色はこの神殿を訪ねる時まではキャラメル色だった。
しかし、あの時、シエルを救うことに必死だった。
転落の衝撃で彼は岩に頭を打ち付け、大量に出血していた。
血の匂いに獰猛になった魔物が駆け寄ってくる様を見た。
川に落ちて水に沈む姿に、このままでは助からないと、戦慄した。
考えるよりも先に体は動いて、使ったこともない力で魔物を押さえつけ、滅し、川に飛び込んで治癒の力を使ったことを覚えている。
シエルを助けた後、簡単に作った祭壇に祈りを捧げ、必死にオルカラーンを呼び、勝手に青色に変わった髪の色をなんとかキャラメル色に戻してもらったのだ。
その後、日が暮れても帰ってこない私たちを心配した大人が山に入ってきたことに気づき、シエルが保護されたことを確認してから、さもなにかあって気を失ってたんだよ、ということにして私も救助されたのがことの真相である。
たしかに川の中でうっすら目を開けたような気がしたけれど、頭にあんなに大きな怪我を負ったのに、まさか聖女の力を使ったことを覚えているとは思わなかった。
「となると毎回オルの手を煩わせることになっちゃうな…」
「う〜ん、まあ、ぼくは4人の中では一番暇だし、大丈「大丈夫じゃないわよぉ」
少し頬を膨らませたクラリスティの言葉がオルカラーンの能天気な返答を遮った。
設定コテコテに作ったりしてないので、後でいい設定を思いついたら加えようスタンスです。
結構自由度高く、説明に穴があるのはそのせいです。




