作戦会議
「よく来たな。待っていたぞ」
白くて長い顎髭を撫でくり、いかにも神ですという出で立ちのおじいさんは見た目の通り神である。
「そろそろ髪の色変えようと思うんだけど、何色がいいかなぁ?虹色?」
全身くまなく派手派手しいこのゆるふわお兄さんは見た目に似合わず神である。
「キャムちゃん可愛いわよね?リリィも好きよね?種類増やしちゃダメかしらあ?」
猫に似た動物を水鏡で愛でまくる、ボンキュッボンのわがままボディの美女も神である。
「…相変わらず騒がしいですよ、カミサマたち…」
瞼を開いた瞬間からこの様である。暇なのか?
異世界に転生したということは、それなりに事情があってのことなのだ。
今世は神様との契約によってなされたものである。
元の世界で私は死んだ。なんで死んだのかはわからない。
多分この優しい神様たちが消してあげたいと思ったほどには凄惨な記憶なのだろう。
だから私が持っている記憶は楽しいものばかりだ。
30歳くらいの記憶までしかないので、それくらいに死んだのだろうということくらいはわかる。
髭のおじいさまは創造神キャラト、ゆるふわお兄さんは色彩神オルカラーン、わがままボディの美女は生命神クラリスティである、って…
「あれ?デューは?」
断罪神であるデュカット、略してデューがいない。
「そのことで話があるのだ」
先程までの明るく和やかだった雰囲気がサッとなくなる。
空気が重い。背中に嫌な汗がじんわりと滲む。
「デュカットが倒れたのだ」
「えっ…じゃあ」
「ああ、約束の時が来た」
神妙な顔で告げたキャラトは、オルカラーンに目配せし、それを受けて眉をへにょりと下げた彼は一歩前に出て私の目の前に手のひらをかざすと右から左に動かした。
視界にわずかに映っていたものが、色を変えたのがわかった。
「デューが倒れたことで魔物の勢いが強くなっているの。このままだとあらゆる生き物の命に関わるの…」
私の手を包み、心配顔のクラリスティは、申し訳なさそうに話した。
全ての命を愛し、魔物との調和を望む彼女だからこそ、葛藤があったのかもしれない。
「たしかに命の危険もあるけれど、自分で決めたことだから」
それに、
「カミサマたちも、助けてくれるんでしょ?」
にかっと笑い飛ばしてやる。
優しすぎる神様。2度目の命をいただいた時に私のわがままを叶えてくれたのだから。
「私はまだまだ平穏に過ごすことを諦めてないわ!さあ、作戦会議をしましょう!」
青い髪をなびかせて、神々の領域で作戦会議という名のお茶会に繰り出すのだ。
本当に名前を考えることが苦手です。
神様4人も出さなきゃよかった…




