despair~俺のこれまで~
※これは、俺が性別について違和感を持ち始めた小6の時の作文を元に作成している為、違和感のある文書が所々あるかと思われます。ご了承ください。
※信じ合える友達が出来た。名前は"いおん"と、ありますが、"いおん"という名前は事実名ではございません。
今までの人生を簡単な言葉に表すとしたら、皆さんはどのような言葉をえらぶだろうか。
俺は、きっと
"despair"(絶望)
という言葉を選ぶだろう。
俺が過去どのような環境にて、どのような状態でいたのか全てを知っている者は誰一人居ない。唯一居るとすれば、俺自身だけであろう。
俺は、きっと贅沢をし過ぎたのであろう。小さい頃、俺は今とは比べ物にならないくらい充実していた。勿論、現在も十分充実は出来ているが、何だかジャンルが違う。当時、私はとてもワガママであった。今も十分自己中で周囲に迷惑を掛けて居るが、何より当時は自由であった。好きな物を好きなだけ手に入れ、飽きれば新しい物を求め、手に入れる。その繰り返しであった。気に入らなければ壊し、バラバラにする。全てが思いどうり。そう思っていた。だが、少し調子に乗ってしまったみたいだ。神様はそんな私を見放したのであろう。逆転した。母親側の祖父母からの暴言暴力、精神的苦痛を与える言動、父親の引きこもり、母親からの愚痴。
その当時、俺は小学2年だった。自分で言うのも何だが、他の子よりも人の言動を理解出来ていた気がする。だから、あんなにも自分を追い詰めて居たのであろう。祖父母から暴言、暴力を受ける度、自分の生きる意味を考えた。"自分が生きているからみんなは怒るんだ" "自分の存在が邪魔なんだ"そうずっと自問自答を繰り返していた。元母親に私はよくこう聞いていた。
"Why did you give birth to me?"
どうして私を産んだの?
疑問で疑問でしょうがなかった。こんなにも私は苦しんでいるのに。他人はそれに気付いてはくれない。という事は、私に生きる価値など無いのだ。私は生まれてきた意味が無いのだ。ずっとずっと悩んで、自問自答して……
小学3年の三学期、沖縄に引っ越した。きっとこれが全てを狂わせたのだろう。
最初は上手くいっていた。学校も、家庭環境も。でもそれはわずかな時間だけだった。学校で、私は学級委員として皆をまとめていた。計画性はないけれど、行動力なら自信があった。思いついたら直ぐに行動に移す。それに対しては教師も褒めてくれていた。だが、いざ我に帰ると、それで成功した物はひとつも無かった。やはり計画性が足りない。とても恥ずかしくなった。やっと自分の輝ける場所を見つけたと思って無我夢中に前に走っていった。それが間違えだった。急に自分が嫌になった。恥ずかしい。今までの自分の行動を全て取り消したい。後悔ばかりが積もって行った。すると、追い討ちをかけるようにいじめも始まった。嫌がらせ、暴力、暴言。1日1回は学校で泣いていたと思う。そのくらい、辛かった。
でも、楽しい事もあった。分かり合える友達が出来た。名前は"いおん"。いおんは、私と同じようにいじめられていた。また、家庭環境も良くなかった。なんだか、母性というか、親心というかが湧いてきた。"私がいおんを守ろう"そう思った。
ある日、いおんがこんな話をして来た。"なんか生きるの疲れちゃった"私はハッとした。ヤバい。このままだといおんが壊れてしまう。でもどうすれば……
結局私は何も出来なかった。力になれなかった。
いおんは……自殺した。
5階から飛び降りて死んだ。
なんでよ……
どうしてよ……
私を置いていかないで……
自分の無力さに失望した。
何もかも消えてしまえ。そう思った。
不幸に不幸が重なるように、家庭環境がどんどん悪化して行った。父親は仕事で裏切られ、精神的に追い詰められ、"自律神経系失調症"となって、元の引きこもり状態に戻ってしまった。母親はバイトをかけ持ちし、家にほとんど居なかった。また、サプリや服、メイク道具が毎日のように届き、母親は奇抜な姿に変化して行った。
そして……ついに私は見てしまった。
母親の浮気現場を。
LINEにて、父親とは他の男性とやり取りをしていた。
その内容は、今でもハッキリ覚えている。
"俺がお姫様抱っこしてあげるよ?"
"可愛い︎" "秘密だよ?"
え……
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
こんなの母親じゃない。
こんなの……
私の親じゃない。
私は怒り狂っていた。
裏切られた。"アイツ(母親)"に。
それを父親に言うと、アイツは私にこう言った。
"Betrayer"(裏切り者)
は……?
何が裏切り者だよw
裏切ったのはお前だろw
……
憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。
アイツが……憎い。
私はふと我に返った。
えっ……
私は、手には包丁を握っていた。
刃先はアイツを向いている。
そうだ。私は無意識なうちに母親に殺意を抱いていたのだ。
私は泣き崩れた。
自分が怖い。
このままだと、私は人を殺してしまう。
嫌だ……私は人殺しなんてしたくない。
それからも、アイツに対する怒り、憎しみを必死に堪えながらなんとか生きていた。
ある日、先生から勧められてスクールカウンセリングを受ける事になった。きっと、先生も私の心理状態の変化に気付いたのであろう。
だが、それがもっと私を追い詰める事となった。結局、スクールカウンセラーはこういうのだ
"A child does not have relations"
子供には関係ない
は?
それじゃあ子供は親に振り回されろって言うの?そんなのおかしい。子供は親の分身じゃない。子供は親の道具じゃない。なのにどうして……
私はなんだか自分が生きる事を否定されているようなきがした。また、この辛さから逃れようとしていた。そこで、このように思うようになった。
"死ねば楽になれる"
死ねば全てなかったことになる
死ねば全て忘れられる
死ねば何も考えなくて済む
何度も自殺を考えた。3階から飛び降りようとしてみたり、首を自分で締めてみたり、縄を首に巻き付けてみたりもした。
でも怖くて死ねなかった。
死に頼る自分自身が情けなくて、嫌だった。
その後、両親は離婚した。
俺は、父親側についた。
あの時、あんなに母親を憎んでいたのは、母親に裏切られた悲しみを紛らわすために自分で自分を洗脳していたのかもしれない。
だとしても
俺が行ったあの行動が、判断が、
間違っていたとしても
今自分が生きているということは
後悔しなくてもいいということだろう。
だが、今でも時々考える。
"なんで生きてるのかな"
でも、今俺が生きているからこの小説を読んでくれている君が俺の人生の1部を知ってくれている。
そして、今これをみている君にこれまで、これからの人生について考えて欲しい。
同じような状況下にいる子が居たなら、他にも仲間が居るんだってわかって欲しい。
そして、これからの君の生きる希望になりたい。
どこの誰だか分からない奴が偉そうにそんな事いうなよ。
そう思う人もいると思う。
だが、このような人生を歩んできたからこそ、"普通の家庭"がどれだけ報われているか。
"普通"がどれだけ幸せなのか考えて欲しい。