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クレヨンさま
ある日の昼、ふとこぼれた微笑み
市民公園で、チビが走る
先ほどまで、飯を食べて満足げに笑っていた。
そして今、笑いながら芝生を走り。
滑り台を滑り。
一人キャーキャー、笑っている。
お友達は周りにたくさん。
だけどチビには映らない。
夢中で遊ぶ。
一人で遊ぶ。
親としては、もどかしい。
もどかしいが……。
ふと、チビが俺の顔を見る。
キョトンとした顔に、不思議を見ているようだ。
俺は不思議なのだろうか?
俺が何かを言おうとすると、再び遊び始める。
チビは不思議だ。
そして何より不憫だ。
俺と言う呪いを受け継いだ。
デキの悪い呪いを。
チビ……強く! 生きろ。
何故かセンチになる昼。
チビは笑いながら、遊んでいた。