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神への挑戦、叛逆の徒  作者: 根本美亜
第一章 その少女、凶星につき
5/10

4頁目 ルチフェルちゃん的未来設計

予約できてませんでした。


1/13 ゼロの概念について導入を少し詳しくしました。

特に波乱もなくさらに3年が経過。当初活動開始の時期に据えていた5歳を迎えた。


ちなみにこの世界では、年齢のカウントが0歳から始まる。話を聞く限りでは、ゼロという概念は一般的にも広まっている様子。かなりの権力を持つ宗教は存在しているらしいが、前世の様に頭の固い時代遅れの宗教ではないようだ。あの時はゼロと発言しただけで悪魔の数字が何だと言われて異端審問官が飛んできたからな。全員殺したけど。


リーリアの読み聞かせもいつの間にか立派な勉強会へと変わっていた。我が家は学者の家系らしく、幼いころから学問に触れることが当たり前な環境を作り、真理に従僕な学術の奴隷にしたいらしい。

これ、我らのような真理の探究者ならとにかく、この年齢の子供には厳しい教育だと思うのだが。

今だ会ったことは無い兄や姉の時は、遊びたいざかりで席に座らせるのが大変だったとよくぼやいている教師役の家人も、私が真摯に学問に向き合うのに気をよくしたのか、普段の授業の数段先のことまで解説しにくる。


もちろん至高にして頂点たる我らはこの世界の文明レベルの学術など、多少の誤差はあれど前世でとっくに修め終えている。


もっとも、そんなことを知らないこの教師はそれをこちらが理解したものと解釈したらしく、さらに教鞭をふるうというループにおちいっているが。

それに関してはこちらとしても都合がいいので放っておいている。今はこの教師、ひいては当主のウィリアム(お父様)に、こちらが高度な学問を理解できる、ということを知らしめることが先だ。


前世で我らが世界を滅ぼすほどの力を蓄えれたのは、偉大なる始祖の秘術、そして遺産(研究成果)を早期に手に入れたからに他ならない。いくら非力で体力も無い子供でも、指先さえ動せ、言語を発せるならその遺産を振るえるのだ。早期から強大な力を手にし、我らを害する虫を踏みつぶし、研究に打ち込むにふさわしい環境を構築してきた。そのせいで我らが崩御した後に生まれた子供を根絶やしにする国もあったほどには、ルシフェル(我ら)は強大だった。


この世界にはその遺産も研究所も存在しない。秘術を行使するしても魔法(暫定)を研究するにしても、虫をつぶすだけの力を確立しなければならない。幸い、今回は特に記録に欠落は無く転生できているため、時間と資材さえあればいくらでもルシフェルの力を振るえるようになるだろう。

そのために、何の伝手も力もない私が資材を必要数得るのは至難の業だ。こればかりはルシフェルの頭脳を持ってしてもどうにもならない。

それに、何度も言うようだが私はまだ力を持たない。力を手に入れるまで庇護者でしかいられない。


これらの問題を解決する方法が、先に述べた高度な学問を理解できることを知らしめる、ということに繋がる。


これは前世の転生初期世代のときに取っていた手法なのだが、要は「自分の価値を相手に深く知らしめて、利用させてやる代わりに身を守らせてやる」ということだ。

我ら意外に価値のあるものなど存在しないが、残念ながら下々の者にはそれが理解できない。そんな無能によってこの世の至宝たる我らが潰えるのはあまりにも忍びないため、無能の中でも使えないこともないやつらに我らを守護する栄誉を賜わせてやるのだ。

とはいってもやつらは下賎の者たち。我らの価値を見抜けず舐めてかかるものも多い。ただ「守れ」と言っても実行する奴は稀である。

そんな奴らを頷かせる対価として、さして重要でもないそこそこ先進的な知識を振るってやるのだ。ヒトとは浅はかなもので、一度自分たちの利になれば、それを失うことをひどく恐れる。その愚かな思考に釣られてやることで、我らが力を溜めきるまでの時間を少しでも稼ぐのだ。


使用人や教師の話を聞くに、今代の当主は学者としても名を馳せたという。下賎の者とは言え、いっぱしの智に触れるものであれば、その有用性を解するだけの頭はあるだろう。でなければその程度の者と見切り、第二案に移すまでだ。




輝ける研鑽の道はすぐそこに迫っている。思わず笑みがこぼれてしまいそうだ。




あぁ、楽しみだ。




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