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※召喚、そして――

 私は、私の力を飲み込もうとした魔法陣をジッと見つめた。

 私の力を奪い、そして何をしようとしていたのか……。魔法陣は依然として怪しげな光を放っているが……。

 それより、まずはソフィアちゃんに事の発端を聞いてみよう。


「ソフィアちゃん。どうしてこんな魔法陣を……?」


「ごめんなさいアリー。実は、マーティス先生から一冊の本をいただきまして……」


「うん。それで?」


「マーティス先生が言うには、この魔法陣はジョーク魔法が出るものだから、これでアリーと仲良くなれるっておっしゃっていまして……。でも、私がいけないんですわ。こんなことになってしまったのは……」


「マーティス先生が渡してくれたんだ……」


 何故こんなことをする必要があるのだろう。

 ソフィアちゃんの気持ちを利用して、私を危険な目に合わせるなんて……。そこで、私は先生から聞いていた事情を思い返した。

 確か、先生は私達が通っている学園が不要だとの声が出ているにも関わらず、マーティス先生が赴任してきたって言ってたよね。

 ちょっと、マーティス先生が怪しいかな。何か企んでいそうな気がするよ。仮にも、私はけーくんと一緒に暮らしている、謂わば一番けーくんと近い人間と言える。

 狙われるのも、当たり前かもしれない。


 まあ、今はとにかく、意気消沈しているソフィアちゃんを元気づけないとね。


「私のせいですわ……私の……うぅ……」


「ソフィアちゃん、もう終わったんだから気を落とさないで? 私、別に怒ってないよ」


「本当ですの? 私のせいであなたが危険な目にあってしまったのに……」


「悪いのはマーティス先生だよ。こんな本を渡して、マーティス先生へのソフィアちゃんの気持ちを、私へのソフィアちゃんの気持ちを利用するなんて、最低だよ」


「マーティス先生には……何か考えがあると思っています」


「うーん……そうかな?」


「もしかしたら、渡す本を間違えたのかもしれませんわ。だから……あまりマーティス先生を責めないでください」


「……ごめんねソフィアちゃん。憧れているんだもんね、マーティス先生に」


 コクっと頷くソフィアちゃん。彼女のマーティス先生を信じたい気持ちは分かる。

 彼女のいる前でマーティス先生を悪く言うのはちょっと失敗だったかもしれない。


 なんか微妙な感じになっちゃったけど、校外学習は今日で終わり。早く山を降りなきゃね。


「さ、気分を切り替えていこうよ」


「そうですわね……。はい。分かりましたわ」


「よし。その意気だよソフィアちゃん! まずは魔法陣を消して――」


 その瞬間、魔法陣から轟きが走った。

 辺りを震わせるほど大きな音と共に、魔法陣から放たれている光が赤く濁っていく。

 私の本能が訴えかける。逃げないと死ぬ、と。

 私はソフィアちゃんの手を引っ張り、ここから逃げだろうと考えた。


「ソフィアちゃん、逃げよう!」


「え? わ、分かりましたわ」


 決死の表情が伝わったようで、彼女は特に意見することなく私に従ってくれる。

 昨日来た道を戻ると共に、先生を探さなければ。それからマーティス先生のことは……もう、今は色んなことを巡らせすぎて訳わかんなくなっちゃうよ。

 とにかく、今は私とソフィアちゃんの安全を優先しよう。先生を見つけるのはその後よ。


 魔法陣から離れていく私とソフィアちゃん。しかし、私たちの判断は遅すぎた。

 魔法陣より、雄叫びを上げて召喚されているのだ。突き出てくる二本の大きな角。角だけで、魔法陣を覆い尽くすくらいだから、全身は相当巨大なモンスターだろう。


「そ……そんな……!」


「ソフィアちゃん! 振り向いたらダメ! ここは逃げなきゃ!」


 ソフィアちゃんを奮い立たせている私でさえ、情けないことに足がすくんでしまっている。

 今までは、こんな状況になった時はサマリお姉ちゃんやけーくんのような頼れる大人がいた。

 でも、今はいない。呼べるような距離にもいない。私を守ってくれる大人は……近くにいない。


 魔法陣よりいでし存在は、とうとう全身を表してしまった。

 鱗に覆われた体表。一振りするだけで突風であらゆる地平が枯れ果てる想像へ駆り立てる巨大な翼。

 黄色く光る、全てを見下す鋭き目つき。そして、あらゆる生き物を殺すためにつけられた歯。

 それは私が見てきたモンスターで言えばドラゴンが一番近かった。


「ド……ドラゴン……ですの!?」


「そうみたい……」


 一瞬だけ、かすかな希望が出てくる。ドラゴンなら、なんとかなるかもしれない。

 けーくんのように上手くはいかないけど、今ここで私とソフィアちゃんが手を組めば倒せるかもしれない。

 しかし、今は出現してしまったドラゴンと会話をし、できることならそのままお帰りいただきたい……。


「……我を呼び出したのは貴様らか?」


 低くうなる声。それは大地を震わせ、私たちを萎縮させる。


「私ですわ。私があなたを呼び出してしまった。隣の彼女は全く関係ありませんわ。ただ、偶然この場に居合わせただけのこと」


「ほう」


 まるで私を庇うように、ソフィアちゃんが前に出る。

 魔法陣を作ったのはソフィアちゃんだけど、だからってソフィアちゃんが呼び出したことにはならない。

 これは私を守っているんだ……。


「貴様の魔法陣は契約の儀を執り行う陣……。貴様が我と契約するということでいいんだな?」


「あの……すいません」


「アリー!? 何故前に出て……」


「ごめんソフィアちゃん。……すいませんドラゴンさん。私たち、間違ってあなたを呼び出してしまったんです。ですから……お帰りいただくことはできませんか?」


 下手に出て、様子を伺う。

 これで帰ってくれれば何も問題はない。……でもやっぱり、私の考えは甘かった。


「ならぬ。陣を作り、魔力を差し出したのであれば、それは契約する意思があるということ。貴様ソフィアと言ったな」


「は、はい……!」


「我と契約だ。拒否権はない」


 ピシャリと言い放つ眼の前のドラゴン。

 ソフィアちゃんは少し震えながら、私に気を遣っていた。


「だ……大丈夫ですわアリー。私がドラゴンと契約するだけですもの」


「でもソフィアちゃん! これは間違って呼び出しただけなのに……」


「アリーはすぐにここから逃げますの。そして、先生を呼んで」


「ソフィアちゃん……」


「では、契約成立だ」


 ドラゴンはその瞬間、光になる。その光はソフィアちゃんへと吸収されていく。

 うずくまって苦痛を訴えるソフィアちゃん。私は何もすることができない。

 対処法も知らない。ソフィアちゃんを動かせばいいの? それとも魔法陣を消せばなんとかなるの?

 何もできずそこに立ち止まっていると、魔法陣は光を失ったと同時に描いていた模様も消え去ってしまった。


「…………」


 痛みで悶えていたソフィアちゃんは、ゆっくりと立ち上がる。

 契約は終わったのだろうか。私は恐る恐る彼女に話しかけてみることにした。


「あの……大丈――っ!?」


 手をかけようとしたら、ソフィアちゃんはその手を払い私を睨みつけてきた。

 それだけで、私は昨日寝ていた洞窟の入り口へと吹き飛ばされてしまう。

 彼女の目はすでに彼女のものではなかった。あの目は……契約したドラゴンの目だ。

 彼女は怪しげに笑い始めると、自分の体を確かめるようにあちこち触り始めていた。


「ほう……中々潜在能力がある人間だ。こいつは当たりだったな」


「ソフィアちゃん……!」


「ん? まだいたのか。残念だが、この体は契約により我の器となった。意識はすでにない」


「そんな……! ソフィアちゃんの意識が……!!」


「ちょうどいい。この体の力を貴様で確かめさせてもらおう」


 ゆらりと私の方を向くソフィアちゃん。

 彼女の爪が鋭く伸びて、ゆっくりと近づいてくる。

 私が攻撃するってことは、ソフィアちゃんの体を傷つけることになる。……そんなの、ダメだよ! できないよ!


「――大丈夫ですかアリー!」


「あ……先生」


 きっとこの魔法陣に起こった出来事は先生の耳にも入ったのだろう。

 先生が私の前に現れてくれた。先生は最初に私の方を見て、次にソフィアちゃんを見る。先生は何が起こったのか分からないような感じでソフィアちゃんを諌め始めた。


「ソフィア。アリーに何をしているのですか?」


「ん? ああ。この体の師匠のような存在か」


「何を……言っているのですか? まさかソフィア。あなたモンスターに……」


「我をモンスターと同じ存在に置き換えるとは……やはり人間は劣等種だな」


「くっ……! アリー。今すぐこの場から離れなさい」


 ソフィアちゃんの言葉を聞いて先生は何かを判断したのか、私に避難するように伝える。

 ……せっかく仲良くなれたソフィアちゃんを置いて、私は逃げるのか? でも、こんなところにいて、自分が何の役に立つ?

 サマリお姉ちゃんがいないからメルジスもできない。頼りになるけーくんを呼ぶこともできない。


「――ごめんなさい!!」


 だけど、私は先生の言うことを聞いてこの場から離れることにした。

 足早に山から降りようとする私。でも、後ろから聞こえてきたのは大きい物体が吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる鈍い音だった。


「そ……そんな……」


 事実を確かめたくない。けど、私の体は自然と後ろを振り向いてしまった。

 先生が地面に倒れている。ピクリとも動かず、すでに虫の息になっている。

 ソフィアちゃんはニヤニヤと笑みを浮かべながら、私をジッと見つめていた。


「アリー。この体が貴様で力を試したいと言っているぞ?」


「……違う。あんたがソフィアちゃんの記憶を使ってそう言ってるだけでしょ!?」


「威勢だけはいいな劣等種。だが、貴様は我に殺される運命にある」


「……もう、私は逃げられないってこと」


「そうだ。ここで貴様は死ぬ。そうすれば、この体は悲しみに満ちて我にさらなる力を貸すことだろう」


「――だったら、もう逃げない」


「何?」


「ドラゴン! あなたを返り討ちにしてあげる!」


 覚悟を決めて、私はソフィアちゃんと向き合う。

 彼女を助けるのは私……! だから、絶対に負けられない。得意の魔法は魔力が吸い取られたから今は使えないけど、何とかしてみせる……!


「ほう……面白いことを言う奴だ」


「もし私の方が良いってことが分かったら、私と契約しなさい!」


「それはお楽しみだな」


 ソフィアちゃんが一気に私との距離を詰める。

 私は必死に彼女の動きを捉えようとしたけど、ソフィアちゃんの方が一枚も二枚も上手だ。

 彼女は私に掌底をくらわせて、空中へ吹き飛ばされた。


 息が出来なくなるほどの衝撃。私は思わず胸を抑える。

 私に更なる追い打ちをかけるため、ソフィアちゃんは地面を蹴り上げて空高く飛んだ。


「え……? それってドラゴンの……!?」


 改めてソフィアちゃんを見ると、彼女のお尻から尻尾のようなものが生えていた。

 色は透明だから、うっすらと見える感じだ。でも、鋭利な棘で出来ているその尻尾は実物なのだと錯覚させられる。

 ソフィアちゃんはその尻尾を使って、私を胴体から薙ぎ払っていく。

 当然、私は防御するんだけど、尻尾に当たった腕に激痛が走った。


「ぐぅ!?」


「これは実体だ。我の力が具現化しているのだよ」


 尻尾の力で更に吹き飛ばされる私。

 抵抗する暇もなく洞窟の入り口に激突してしまった。

 砂埃が舞い、私の体は砂まみれになる。吐き気とめまい。それに後頭部がジーンと熱くなる感覚。

 あまりにも大きすぎる衝撃に私は胃の中の物を戻しそうになった。

 ダメだ……やっぱりドラゴンは強すぎる。どうすればいいの……!?


「どうした? 威勢のいい割には大したことがないな」


「……くっ!」


 こんな時、サマリお姉ちゃんだったらわざと威勢のいい返事で返してただろう。

 きっと、けーくんだったら勇ましく諦めない気持ちを言葉にして自分を奮い立たせていただろう。

 でも、私にはどっちも無理みたいだった。体には動くだけで全身に激痛が走るし、気持ちも恐れでいっぱいだ。

 ……こんなんだから、私はダメなんだ。けーくんが心配するわけだ。私は頼りになる誰かがいないと、何もできないのか。

 そういえば、けーくんが私に託してくれたものがあった。あれは確かバッグに入っているはず。

 霞む目で私のバッグを探す。そのバッグは空から降りてきたソフィアちゃんの足もとにあった。

 あれじゃ取り出せない……!


「ん? どうしたその目は」


「な……何でも……」


「この袋か? お前の求めている物は」


「あっ……!」


 ソフィアちゃんの私に対する興味が仇となったのだろう。彼女は私の目線の先にあるバッグを手に取り、腕にぶら下げた。

 彼女の挑発的な表情は何度も見てきたけど、これほど悲しい気持ちになったのはこれが始めてだった。


「これが欲しいのか?」


「……くっ」


「欲しいと言えばやらんこともないが……これが貴様が我に勝利する鍵になるのか?」


 分からない。けーくんは心配だと思って私に渡してくれたんだろうけど、私は使い方を知らない。

 そもそも、あれはリアナさんの物であって私のじゃない。どうしてけーくんは私に持たせてくれたんだろう。

 でも……それが意味のあることだと思いたい。だから、私はソフィアちゃんの問にゆっくりと頷いた。


「そう……だから返してもらう」


「面白い。今の状態の貴様では退屈してしまうからな。少しハンデを課すのも悪くない」


 そう言い捨てて、ソフィアちゃんはバッグを私の方に投げ飛ばした。

 急いでバッグを漁り、けーくんから託された武器を探す。

 ……あった。

 銃を見つけた私は掴んで、バッグの外へと引っ張り出す。それと同時に、あるものが地面に落ちた。


「これは……」


 銃と一緒に手渡されたヘアピンだ。

 リアナさんの歴戦の印とでも言えばいいのか、傷だらけで装飾も剥げてしまったヘアピン。リアナさんの過酷な環境、熾烈を極めた戦いがヘアピンから伝わってくる。

 今まで単なるお守りだろうと思っていたもの。それが偶然、裏返しになって地面に落っこちたのだ。

 裏返しになって始めて、私はリアナさんの正体を知ることになる。


「え……私……?」


 確かに、ヘアピンの裏側には私と同じ名前が彫られてあった。これはけーくんから渡された後、私のためにと刻印してもらったことを聞いていた。

 だから、市販品で『アリー』という名前を彫らなければ普通に売っていないし、そもそも『リアナ』にするはずだ。

 それが私の名前で刻印されているということは……。

 その瞬間、今までの微かな疑問が全て晴れていく。私と妙に顔つきが似ていたこと。ユニちゃんやサマリお姉ちゃんを見て物悲しそうにしていたこと。

 あれは……未来で二人が死んだ……もしくはそれに匹敵することがあったからだ。

 そのことを理解して、改めて拳銃を握り直す。すると、私の脳内にこの拳銃に関する戦闘方法が流れてきた。


 ……ありがとう。未来の私。こんな私のために、この武器を残してくれたんだ。

 だから最後にリアナと会ったけーくんは、私にこの武器を託した。


「……ん?」


 私の様子が変わったのに気がついたのか、ソフィアちゃんが声を出した。

 分かった。これで私はソフィアちゃんを救う。だから力を貸して……未来の私。

 ボロボロのヘアピンを前髪に付ける。今、私の右側にはけーくんから貰ったヘアピンが、左側にはリアナさんが付けていたヘアピンが留めてある。

 これは決意の表れ。未来の私の力を借りる、意思のようなもの。

 拳銃の重さを感じ取りながら、私は一緒に入っていた装備品を懐に忍び込ませる。これを私……いや、リアナさんが銃口に付け替えることで、いろんな武器として使用することが可能になっていた。

 だから、どんな状況でも不利にならないようになっているんだ。

 この拳銃は空気中に微弱に潜んでいる魔力を吸い取って装填している。だから、魔力が尽きている今の私でも使える。


「……行くよ、ドラゴン!」


「その武器……面白い。やってみせろ」


 銃口をソフィアちゃんに向け、照準を定める。

 何が起こるのかと期待しているからか、動かずに私の行動をジッと静視しているソフィアちゃん。

 見てなさい。これであなたを助け出す。


「――何っ!?」


 引き金を引き、私は魔力の弾丸を発射した。

 銃口より勢いよく出力された弾丸はまっすぐにソフィアちゃんへと向かう。

 見たことのない武器だったから反応が遅れたんだ。ソフィアちゃんは腕に弾丸を受けて顔を歪ませた。

 狙ったのは胸だったんだけど、反動で少しズレたんだ……! やっぱり使い慣れていないから……!


「クククッ……。やはり面白いなその武器は。我に一撃を加えるとは」


「もう一撃……!」


「させると思うか?」


 尻尾の次は翼だ。

 ソフィアちゃんの背中から巨大な両翼が生え始めた。もちろん透明で、目ではうっすらと確認できる程度だ。

 彼女は私が遠距離武器を持っていることの対策として、距離を詰めようとしているのだろう。

 でも、それなら私だって考えがある。

 懐に仕舞っていた装備品を一つ取り出し、銃口にくっつける。


「近づけば貴様の武器も無意味だな」


「――そうかな?」


 とんでもない速さで近づいてくるソフィアちゃん。

 タイミングを図って、私は引き金を引いた。

 すると、銃口より魔力が出力され、剣の形で留められる。

 これで近距離にも対応できる。ソフィアちゃんが爪を立てて攻撃してくる瞬間に、私はわざと地面に倒れる。

 その勢いのまま、私は彼女に向かって剣を振るったのだった。


「ぐっ!?」


 胴体を切り刻まれた彼女はあさっての方向へ吹き飛び、地面に引きずられながら転がっていく。


「き……貴様……」


「どう? 私の方が強いと思うんだけど?」


「……貴様、どっちだ?」


「どういう意味?」


「その武器のせいか……もう一人の姿が見え隠れしている。いくつもの運命が歪んで見えるぞ」


「……そう。でも、どっちも私だから」


 ここまで優勢に事が進んだけど、ドラゴンはまだソフィアちゃんの体を手放す気はないらしい。

 怪しげな笑いをソフィアちゃんにさせて、再び立ち上がった。


「もっとだ。もっと貴様の力を見せてみろ」


「モンスターなのに……しつこいんだね」


「モンスター? 我がか?」


「違うの? だってあなた、ドラゴンでしょう?」


「クククッ……我は神に仕える神獣だ。貴様が言うドラゴンは我の紛い物に過ぎない」

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