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好きだったの。  作者: 菜々子
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迷惑ですの。

あの日お兄様には知られたくなくて、迎えを呼びましょうというオリバー様達になんとしても歩いて帰ると主張しましたら、

「そうですか。では私達が近くまでお送りしましょう。馬を用意します。」

少し待っていてください。

そういうと部屋を出て行かれました。


ええ。ええ。

こんな事だろうと思いましたの。

目の前には、スワロウ家の本社商会。

入り口には、腕を組んだお兄様が立ってらっしゃいます。

連絡済ですのね。

お仕事が早くていらっしゃる。

オリバー様に馬から下ろしていただいたら、お兄様に抱きしめられてしまいました。

「どこも、怪我はしてないのかい?」

いつもの優しい言葉に涙が出そうになります。

怒られると思って、内緒にしようとしてごめんなさい。

「はい。大丈夫です。ごめんなさい。お兄様。」

しょんぼりする私に怪我がないことを確認すると

「で、なんでこんな事になったのかな?いつも、言ってるよね。外出には気を付けるようにって。」

お兄様。

やっぱり、怖いです。

その日から、一ヶ月間の外出禁止を言い渡されました。


後日お礼をさせて欲しいとお兄様がオリバー様とギルバート様に連絡しましたが、お二人とも仕事をしたまでですのでとお断りになられたそうです。

私、外出禁止が終わったら直接お届けしてもいいかしら。


そういえば、いきなりランス様が訪ねて来られて

「私は噂に惑わされていた。本当は親友の為に身を引いたのだな。」

あと、貴方は素晴らしいとか色々ほめて頂きました。

何でも、リチャード様とは隣国に行かれる前からの友人で、噂を聞いて私が付きまとっていると勘違いされたとか。

私の噂ってそんなにひどいものだったのでしょうか。


「この間の私の態度は悪かったと思ってる。だから引きこもるのは止めて社交界へ戻ってきたらどうだろう。なんなら、私がエスコートしてもいいぞ。いやっエスコートさせて貰おう。」

と熱心に誘って頂きましたが、

私は、社交界にはしばらく戻る気が無い事をお伝えして

「ランス様には感謝しています。ランス様のおっしゃった事は、間違いではありませんもの。

おかげで、リチャードへの思いも吹っ切れましたし。」

と感謝の気持ちを述べた。


分かっていただいたと思っていましたのに。

何故かランス様からお花やお菓子、招待状が届きました。

お兄様に相談しましたら、

一瞬怖い顔をされて、だからあの王子は嫌いなんだとつぶやいて

「まだ、社交界に戻る必要なんかないからね。招待状は私が処理しておこう。」

もう家にも入れないようにするからね。

そうだ。療養中ってことにしよう。

商会でしばらく暮らしてもいいね。

うん。そうしよう。

あれよ。あれよという間に色々決まりました。


それでも、お花やお菓子は返せないので仕方なくお礼状を書いてます。

どうも、ランス様は私が社交界から離れた原因が自分であると考えておられるようなので、

気になさらないでくださいとの言葉を添えて。


私、書類整理や、オリバー様へのお礼の品を考えたり、自分のお店を考えたりで忙しいのです

ちょっぴり迷惑ですの。


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