お説教ですの。
書類作成の為、事情を聞かせて欲しいと言われ第一騎士団の詰め所へ案内されました。
何というかとっても簡素でした。
「ボロくってびっくりしましたか?」
私の様子をみてギルバート様がおどけたようにおっしゃいました。
「いえ。あの。」
「俺達は近衛と違って予算が限られてますからねぇ。」
「ギルっ。無駄話はするな。」
オリバー様はそういうと一つの扉を開いた。
「こちらでお話を伺います。」
中は、応接室のような部屋で女性の職員が1人いて
「第一騎士団。書記係のアリスです。」
と綺麗な敬礼をしてくださったので、
「わたくしはローズです。よろしくお願いします。」
と淑女のご挨拶をお返ししました。
私に続いて部屋入ろうとした、メルが
「あっ、君は隣の部屋ね。」
と言われギルバート様に引きずられて行きました。
「お嬢様ぁ。」
メル大丈夫かしら?
「大丈夫ですよ。少し注意させていただくだけです。 たぶん。」
オリバー様。
目が泳いでいますよ。
一通り、事情を話し終えると
「伯爵令嬢と侍女1人だけで、歩くような場所ではありませんよ。」
と切れ長の瞳で私のほうを見ると不機嫌そうにおっしゃいました。
オリバー様はよく見ると精悍なお顔立ちをされていて、一般的な貴族のような長めの髪ではなく短くていらっしゃいます。
今まで、眼光が鋭すぎて気づきませんでした。
ほわぁと見とれていた私に
「お嬢様、聞いておられますか?」
さらに不機嫌そうな声が響きます。
私には「あぁ。聞いてんのかぁ。」と聞こえました。
「ごっごっごめんなさいですの。」
姿勢を正して謝ります。
「ぶっ。」
アリス様が我慢し切れないという感じで笑っています。
「アリス。」
「だって、まるで、」
まだ笑いがおさまらないアリス様は、くっくと笑っている。
「アリス。お前はお茶を入れて来い。」
オリバー様は諦めたようにおっしゃった。
アリス様がお茶を持ってきてくれるまでの間、
「いいですか。今日のような所には、貴方のようなお嬢様が出歩いてはいけません。」
「普通に女性の方もいらっしゃったと思うのですが、、、 」
小さな声で反論しましたら
切れ長の目がいっそう不機嫌そうにギロリと私をみました。
「はい。決して女性だけでは行きません。」
「もっと、危機感を持ちなさい。」
「はいっ。」
今度は元気よく返事をしましたが、
「はぁ。」
ため息をつかれてしまいましたの。
オリバー様、疲れてらっしゃるのかしら。