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好きだったの。  作者: 菜々子
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出会いましたの。

あれから社交界には出ずにマーガレットの誘いも断り、ひたすらにお兄様のお手伝いに明け暮れてます。

お兄様に将来はお店を一つ任せて欲しいとお願いしましたら、ローズの新しいお店を作るよ。といわれました。

そんな甘いことをして大丈夫かしらと思っていましたら、

「じゃあ、私の手伝いの合間でいいから、ローズがどんな店にしたいのか。何を扱い、どのような客層に向けるのか。文書にしておいてくれるかな。いくつでもいいよ。」

にっこりと笑っておしゃった。

そうでした。

お兄様は甘いだけでは、ありませんでした。


それから色々考えましたが、どれもすでにあるお店の真似のような気がして「これ」と言う考えが浮かばず。

今日はお兄様に急ぎの書類を届けた後、気分転換に侍女のメルと一緒に王都の店を見て周ることにしてみました。

最初は高級店を見ていましたが、どの店も同じような感じがして飽きてきたので、行ったことのない日用品や雑貨が売っている方に足を伸ばしてみました。

いろいろな物が所狭しと並べてあったり、目がチカチカするほどの色合いの店、見ていて飽きる事もなくメルとこれは何でしょうと言いながら見て周った。

それは、遠い南国の雑貨を集めたというお店から出たときです。

まるで悪魔のような顔のお面が魔よけだなんて不思議ねとメルと話していると、後ろからドンっという衝撃を受け持っていたバッグを引っ張られました。

さらにグイっと引っ張られ、バッグを手放し地面に倒れそうになりますが、両手をついて何とか顔だけは守りました。

「お嬢様っっ。」

声方に顔を向けるとメルも同時に襲われたのでしょう、男がメルのバッグをグイグイ引っ張っていますがメルはバッグを離そうとせず引きずられている。

「メル、手を離しなさい!」

このままでは、転んで怪我をしてしまう。

慌ててメルのほうに行こうと、立ち上がると

「何をしている。」

大きな声が響いた。


声と同じく大きな男性だと思いました。

腰にある剣に手を掛けてこちらに向かってきます。

その姿を見ると男は慌てて、メルの手を離し路地の方へと走って逃げていく。

急に手を離されたメルは、勢いよく後ろへ倒れてしまう。

「メルっ。」

「ギルッ。」

私が叫ぶのと同時に、大きな男性の後ろにいた小柄な男性が

「あいよ。」

メルを後ろから抱きとめた。


お二人は第一騎士団の隊長と副隊長でした。

巡回中の二人に親切な方が知らせてくれたそうです。

大きな方が隊長のオリバー様。

小柄な方が副隊長のギルバート様。

ちゃんと見れば、紺色の制服を着ておられます。

オリバー様は路地の中まで追いかけていったが、男には逃げられてしまったそうです。

仕方ありませんの。まだ整備されていない路地は複雑なんです。


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