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引きこもりますの
やっぱり、私が社交界に戻るのは無理かもしれない。
お兄様に頼まれていた書類整理を終わらせ休憩していると、この間の事が思い出された。
あのパーティから数日たっているが、ふと暇になると思い出されるのです。
だって、ランス様の指摘は当たっていましたもの。
二人の為だと、この気持ちは忘れないと、と自分の気持ちに蓋をして無理をして笑っていましたの。
本当は、苦しいし、悲しい、二人の仲睦まじい様子を見るとつらいのです。
それに婚約を破棄した私には、もうたいした結婚相手は望めない。
私の年齢と身分で釣り合う男性は、みんなお相手がいて残っていないんですの。
やっぱり、お兄様の言うとおりこのまま1人でも良いかしら。
家の事業は上手くいっているし、そのうちお店を一つ任せてもらえるように相談してみますの。
うん。
それがいいんですの。
そうと気持ちが決まれば、心が少し軽くなったように感じます。
すぐには無理でしょうが、ゆっくりと前に進んでいけるような気がしますの。