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好きだったの。  作者: 菜々子
25/35

アリス1


あの悪魔に出会ったのは、いつもより平和なうららかな午後だった。


第一印象はなんて綺麗な男性だろうって事。

ローズお嬢様が清楚なバラなら

兄のこの男は深紅のバラ。

毒のある、そんな色気が含まれている。


時々隊長や副隊長を訪ねて来ることがあったが、私とは関係のないと思っていたので、

声を掛けられた時はびっくりした


これからすることを手伝って欲しい。

報酬も出す。


飛ぶ鳥を落とす勢いの伯爵家だ。

報酬は期待できるだろう。

話だけでもと、欲を出したのがいけなかった。

話では簡単な仕事に思えたし、ちょっとしたお小遣い稼ぎにいいと思って了承してしまった。


しかしそれから、何かあればすぐに呼び出され、ほかの騎士団に行く時まで同行を求められ

私に同行するからには、マナーには気をつけろ、大きな口を開けて笑うな等々。

そして、やっとこれで最後の仕事と言われたのが式典でオリバー隊長とローズお嬢様を

絶対に会わせないようにすること。

もう解放されるのなら、なんでもいい。

分かりました。

と返事をすると、先に報酬をくれるという。


るんるん気分で言われた日に、商会を訪ねると

何故か身体のサイズを隅から隅まで測られた。

そして後日、素晴らしく高そうな生地で作られたワンピースが届いた。

中には手紙が入っていて、今回の報酬です。

式典に着てくるようにと書いてあった。

まさかの現物支給。

てっきり現金を貰えると思っていた私は腹が立って文句を言いに行ったら、


誰が現金で支給すると言った?


と真顔で言われ

当日は、メルと一緒に会場に来てもらうからワンピースを着て商会に来るようにと

言われた。

何も言い返せずに、すごすご帰り家で悔しくて泣いた。


式典の日、指定された時間に商会に行くとメルさんが化粧をして髪の毛を綺麗に結ってくれ水玉のリボンを付けてくれた。

正直あのままではワンピースが可哀そうだったので、メルさんには感謝している。


会場に着くと、すでにすごい人でにぎわっていた。

てっきり騎士団の休憩室で待機するものだと思っていたら、貴族席の末席を用意されていて

メルさんと一緒に観戦することができた。

でも前半戦は何だが物足りなかった。

騎士団の皆は、本気じゃないし。

わざと負けてる感じの人もいて、やっぱりお貴族様に花を持たせるものなのかと少しがっくりした。

後半戦に向けて、お昼休憩になるとアナウンスが流れるとメルさんが少しソワソワして

ちょっと席を外していいかと聞くので、問題ないですよ。と笑って送り出した。


天気もいいし、伯爵家が用意してくれたお弁当はおいしいし。

仕事も簡単だし、今日はいい日だなぁって思っていたら、

「アリス。ちょっといいか。」

隊長がやつれた様子で声を掛けてきた。

「どうしたんですか?なんか疲れてます?」

なんか老けましたね。

「ローズに会いたいんだ。」

えぇっ。

「嫌ですよ。あの人怒らせると怖いんだから。」

「頼む。どうしても確認しておきたい事があるんだ。」

あぁ。

本当に嫌だよ。

でも隊長の頼みは、断れない。

恩がありすぎて。


はぁー。

どこがいい日だよ。


大変遅くなって申し訳ありません。

最後まで頑張りますので、お付き合い頂ければ嬉しいです。

誤字脱字もすいません。

ご指摘ありがとうございます。

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