表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好きだったの。  作者: 菜々子
19/35

知っていました。


商品を受け取って、商会の自室に戻ったらベッドに倒れるように飛び込んだ。

店主が何度も大丈夫かと声をかけたので、ひどい顔をしているのだろう。

そんなこと鏡を見なくても、分かる。


オリバー様に限って。


あるはずない?

いいえ。

知っているじゃない私は。

人の心はすぐに変わるものだって。

人は簡単に裏切るんだって。

身をもって知ってたじゃない。

気付かないふりして、本当は分かっていたはずじゃない。


人の心が分かる魔法でもあればいいのに。

誰が、誰を思っているのか分かればいいのに。

そうすれば、傷つかなくて済むのに。


横を見ると綺麗に包装されたチーフピンが転がってるのが目に入った。

先程の光景が思い出されて、慌てて目を閉じる。


オリバー様は、そのうち指輪をあの人の指にはめるのでしょうか。

私ではなく、あの綺麗な人に。

閉じた瞳から熱い涙が流れていく。


リチャード様の時と同じよ。

笑って忘れるの。

笑っておめでとうを言えばいいわ。

そしてまた少し周りに甘えればいい。


嘘。

そんなの無理。


笑う事なんて。

もう出来ない。

だって今すぐに相手の女性にすがってでも、私はオリバー様を手に入れたい。

オリバー様に嫌われてもいいから、一緒にいたい。

泣いてわめいて、どんなことをしたって、諦められない。

どうしても諦められない。


オリバー様。

胸が痛いのです。

なんで私じゃないのでしょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ