表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好きだったの。  作者: 菜々子
10/35

悩みますの。

外出禁止令が解けたので、オリバー様たちへお礼を届けたいと思います。

メルと相談して、今回はお昼をお届けする事にしました。

私も手伝います。

とはいっても、切り分けられた食パンに出来上がっている具を挟むだけの作業です。

ついでに、お兄様の商会にも持って行こうと思うので大量です。


先に商会に顔を出し、受付に皆さんで食べてくださいと預けてまいりました。

さて、オリバー様はいらっしゃるでしょうか?

詰め所をのぞくと、何人かの方がこちらを見てぎょっとした表情をされます。

何故でしょう。

取りあえず、入りましょうと一歩踏み出したところで後ろから腕をつかまれました。

「何故、お嬢様がここにいるのですか?」

あら、オリバー様です。

今日も一段と不機嫌なお顔ですのね。

「オリバー様。先日のお礼をと思いまして、みなさんにお昼のお食事をお持ちしましたの。」

「お礼はお断りしたはずだが」

困惑気味のオリバー様に、私は抱えていた大きなバスケットの中身を見せます。

中から「おおっ」という声が聞こえました。

何とギルバート様がメルの持っていたバスケットを持ち、すでに詰め所に入っているのです。

オリバー様は苦笑すると仕方がないという風に私のバスケットも取り上げると

「お嬢様からの差し入れだ。感謝して食すように。」

と大きな声でおっしゃりました。


「で、何故お嬢様もここで食べてるんですか?」

「今日これを作るのに、いつもより早起きしましたしお腹がすいてますの。丁度ご一緒できて嬉しいです。」

私は隊長室でオリバー様とお昼をご一緒しています。

メルも一緒にと思ったのですが、侍女は同じテーブルでは食べられないでしょうからとギルバート様に連れて行かれました。

「ぶっ」

開いている扉のほうから、笑い声がしました。

アリス様です。

お茶を持ってきてくれたようですが、ひぃひぃ笑っておられるのでお茶がこぼれないか気になります。

「アリス。お茶を置いて、お前も食べに行け。」

笑いながらもお茶をこぼすことなく、お茶を置くとアリス様は出て行かれました。


オリバー様は黙々とサンドイッチを食べられています。

私も負けじと黙々と食べます。

3つ目を食べ終わったところで、お腹が一杯になりました。

さて、お茶を頂きましょうと顔を上げると

オリバー様が私をじっと見つめています。

何でしょう。

「もう、おしまいですか?それだけで足りるんですか?」

あぁと私はにっこり笑って、

「あとは、どうぞお食べになってください。私は十分です。」

お腹一杯ですとお伝えできたと思ったのに

「もう一つお食べなさい。大きくなれません。」

と言われました。

思わずオリバー様からサンドイッチを受け取ってしまいましたが、

大きくなれません。

って、身長ですの?

それとも、この小さな胸の事ですの?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ