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ぎゃ
「一番怖い話をつくりてえな。」
少年は夏の夜中にふとペンを走らせた。
「やっぱりリアリティがあった方が怖いよなあ。読んでる自分に身の覚えがあるというか。もしかしたら次は自分かもしれないというのが本当の怖さだ。」
「そうなるとやっぱり自分でホラースポットに行ってみるのがいいかな。ルアリティが大事だ。」
スポットには何かの理由があるのだ。それが恣意的であれ偶然であれ
「何にもおこらななあ。」
近くの廃病院でのんきにポテトチップスをむさぼっていた。一番怖い話をかこうというのだ。これぐらい肝は座って当然だ。
少年はあきらめて家へ帰った。
「やっぱりそうリアルには怖い話は存在しないか。」
少年は筆を走らせた。
少年の頭の中にはメヌエットが流れていた。
少年の書いた話は一文字だけであった。
寄生虫は慢性的な経過をたどるので中毒でしょう




