ラプラスの少女
「な・・・なんだなん」
人はあわてるとため口になる。
まずことのはじまりはトランプでの一人遊びだった。よくシャッフルしたカードが偶然にもすべて数字順にならんでいたのだ。
「なんだこれ・・・。でも誰も信じてはくれないだろうな。」
「我は信じる。」
「な・・・なんだなん」
誰もいない部屋に一人の少女がたっていた。
「我はラプラスの悪魔と呼ばれるものぞ。われはこの世の確率を確立するためにいる。あまりにもどのすぎた確率の逸脱時に我が現象の消去を目的に降臨ぞ。」
「よくわからんが運がめちゃくちゃ悪かったら来るってこと。」
「なんでぞ。こんな可愛いわれに会えるのだからラッキーぞ。」
「だいたい、どのぐらいの確率でくるの?」
「前来た時は雷に8回うたれながらすべて生還した男に会ったぞ。」
「生還したことをなかったことにされるんだからやっぱり運がわるいじゃないか。」
「まあ、お前にとっては悪い話ではない。どれどれ、今回はこのトランプを普通のばらつきにすればいいんじゃな。」
悪魔はおもむろにトランプをぐちゃぐちゃにかきまぜはじめた。」
「えらく原始的だな。こうしたほうが早いよ。」
僕はトランプを手品師がよくやるかっこいい方法でスパスパスとシャッフルした。
「な・・かっこいい。これは奇跡ぞ。」
それから悪魔はシャッフルするたびに現れた。




