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女子は揺らぎがシュレディンガーより多い。
「ねえ、私と付き合いたくない?」
また、いつもの妄想である。妄想が僕に話しかけた。
「うるさいな。ほっといてくれ!」
「あら、ここはほっとかれたくなさそうよ。」
そうやってぼくの二の腕を触る。
「なんで二の腕なんだよ。」
「私が好きだからよ。ぷにぷにもしてるし筋肉もある。貴方もさわっていいわよ。」
そういって妄想は腕をまくりあげた。程よい肉付きがぷるんと揺れる。
「そういうの、年頃の男子にやめろよな。」
「なに年頃って。なんの頃なの?エロ?関係ないけど年って漢字江口に似てるね。」
「似てるか?」
「私、なんでも江口にみえちゃうのかも。」
ぼくはちょっと照れた。
想が僕の彼女だったらな。それこそ妄想だ。
江口は気づかれないように距離を縮めるのが精いっぱいだった。でもそれがいい。すぐに手を伸ばせば消えてしまうかもしれない・・・・。
はっ!夢か。なんであのとき、もっとエロいことしなかったんだ!




