神経疾患の救急の現状について教えて
「神経疾患の救急の現状について教えて!」
「そうだな。まず緊急性のある神経疾患として脳くも膜下出血、脳出血、脳静脈血栓症、大脳半球梗塞、脳底動脈閉塞、小脳梗塞、細菌性髄膜炎、脳膿瘍、ウイルス性脳炎、てんかん重積、ギランバレー、重筋などがあげられるな。このなかで最も多いのは脳梗塞だ。」
「脳梗塞といえばrt-PAが有名ね。たしか4時間半に適応がのびたんだったかしら。」
「rt-PAは簡単にいえば血栓を溶かすという治療だね。なので、副作用として脳出血がおそろしいわけだ。なの
で適応はかなり厳しくなってるんだね。」
「じゃあ、どういうときに使えるのか判断したらいいの?」
「脳梗塞の急性期に一番感度が高いのはMRIのDWIだね。しかし、MRIをいつでもとれるところは限られているからCTのearly Ct signがやはり重要になるね。」
「でも、はっきりわからないのよね。DWIだとぴかっと光ってすぐわかるのに。」
「early CT signはいわゆる皮質と髄質の境界がわからなくなり、脳溝が消失する。レンズ核不明瞭化なんかがあるね。特に島皮質はよくみるべきだね。」
「わかった!」
彼女はそういうと僕の頭をなたで割った。皮髄境界は外から流れ込む血(外傷による硬膜外出血)で真っ赤であり、よく確認できなかった。




