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作者: 菖蒲

あたしはさ、こんな、太刀なんて振り回して、傭兵みたいなことしなくちゃ生きていけないけど、あんたはついて来る必要ないんだしさ、そろそろどこかへ行きなよ


ツクヨ姉さんはいつもそう言った

だけど、家出してフラフラ京まできた怪しい私を助けてくれて、突き放すようなことを言いながらも一緒にいてくれる姉さんのことをいつか守れるくらい強くなろうと思った

だから、離れたくなかった


なのに、姉さんはある日深手を負って帰ってきた


たまたま私が一緒じゃなかった日に

たまたま、他の仕事についていたときに


いや。過去にこうしていればとか後悔しても遅いんだ

…そう、教えてくれたのは、ほかでもない姉さんだ


私の手当てを受けながら

苦しそうに息をしながら

姉さんは、しかし、はっきりした口調で言った



わかってるんだ

あたしの命は長くない

あんたに離れてと言ったのはきっと、

私が死ぬところを見られたくなかったんだ


人の命はいつか塵となる

それはみんなに平等だ

死ぬのは怖いよ

でも、恐れてはだめ


死ぬときばかりを考えていては

楽しい一生をすごせない

過去を後悔したって無駄なんだ

なにも、変わらない

反省は必要

でも後悔は無用だ

全ては必然なんだ


でも、だからこそ

もっともっと

今を大切にするべき

そうは思わない?


あたしはさ

こんな死と隣り合わせの生活で

信じる神様も仏様もいるわけないけどさ

あの、無常観てやつは

良い考えだと思えるよ


泣くな

強く生きろ

それがあたしの望みだよ、サク…



だから、敵討ちはしないし

涙がこぼれても笑う

今を楽しく生きようと誓ったのだから





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