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#6 迷宮 ⁇階層3


「ん、ん? ……!!」


ガバッ、と起き上がり周囲を見渡す。


「良かった……、なんとか、いけたな…」


敵が居ないのを確認してもう1度寝転がる。どれくらい気を失っていただろうか。体の方はもうかなり回復している。


「ふぅ、ん?」


ふと横を見ると地面に刀が突き刺さっていた。


(あぁ、なんかチートっぽい刀……、あっ!)


そういえばあの声! と意識が切れる寸前に聞こえたあの声、スキル鑑定とアイテムボックス、だったか。

聞いたことあるような、ないような。


「あぁ、ラノベとかで良くあったアレか。 ………っておい!! なに冷静になってるんだ俺!? 何だよ取得しましたって!! んなこと知らんぞ……い…?」


うわー……


気付いちゃったよ、見つけちまったよ…… 絶対アレじゃん。アレ何かあるの確定でしょ…


俺の視線の先にはあからさまに置かれた赤を基調とした宝箱があった。おまけに鍵は付いていないし、それどころか若干空いてる。開いてくださいと言っているようなもんだ。


「さっきまで無かったぞ、ったく。どれどれ……」


宝箱はやっぱり何の罠なども無く開いた。中には手紙のようなものが一枚、黒と赤が基調の腕輪が一つだけ。

正直これだけ? っていうのが本音だ。


だってさ、宝箱だぜ? もっと財宝とか入ってるかと思ったよ。残念。


「で、何故手紙……」


封も何もされていない折りたたまれただけの紙を開き読んでいく。



ーーーーーーー


やあ、これを読んでいる君、はじめまして。自己紹介、といきたいとこだけど生憎ボクは色々あって名乗る事ができない。

そういう事で、早速本題だけど、先ずはスキルの取得について。驚いたでしょ? アレはここに配置されたスケルトン、それも他のスケルトンよりも強化されたやつだね。

そいつらを全滅、又はキングを倒すのが取得条件なんだ。

1つ目の【鑑定】

これは自分が見た人物、物などの情報が分かるようになるんだ。もちろん自分自身を鑑定することもできるよ。

ま、これを読み終わったら試しに腕輪を鑑定してみてよ。

‘‘鑑定’’って念じると発動するから。


そして次は2つ目の【アイテムボックス】

これはほぼ無限と言っていいくらいに物を収納することができる凄いスキルなんだよ。

使い方は簡単。適当に、そうだね、巾着が1番良いかな。

それを手に持って収納したい物に近付けるか、収納したい物を近付けるか、そうしたら‘‘収納’’って念じるだけだよ。ポケットに繋げてお金を取り出すって事もできるんだよ。逆に出したい物がある時は‘‘開放’’って念じると頭の中にリストみたいなのが出るはずだからそこから選んで出してね。


スキルについてはこれで終わりかな。ユニークスキルってやつだから覚えといてね!


剣と腕輪はそっちで鑑定してね。


ボクから教えるのはこれくらいかな。

てことでお別れだね。


この秘密の階層に来た君に幸あらんことを。



――エルシィ


ーーーーーーー



「…………」


何だこれは。何だコイツは……


「名乗ってんじゃねえか!!!」


最後しっかりと名前載ってたよ! うっかり書いちゃったのかな? それともワザとなのかな?


色々と突っ込みところありすぎるだろこの手紙…… とりあえず、腕輪を鑑定してみよ…。


‘‘鑑定’’


――――――

≪制御と増幅の腕輪≫

#ステータス偽造:ステータスを偽造する事ができる。本来のステータスより上のステータスにはできない。

#ステータス上昇:LUK以外の全ステータス100上昇。装備して以降Levelが1上がる毎に100ずつ上昇。

――――――


頭の中に腕輪の情報が出てきた。ゲームのRPGであるようなアイテムの説明と全く同じだった。

んで腕輪、凄えな。ステータス上昇、オマケに見えてかなりチートだ。


早速右腕に装備して自分に鑑定を掛ける。


ーーーーー

名前 ダイチ

年齢 17

種族 人間


Level1→23

HP:900→4000

MP:1600→7000


STR-100→1700

VIT-100→1700

INT300→2000

AGI-100→1400

MND-400→4000

LUK-50→50


ユニークスキル

・鑑定

・アイテムボックス

ーーーーー


おぉ、MNDの上がりが、MPがかなり増えてる。魔法系のステが元々高かったこともあったからか? INTは俺攻撃魔法使えないし、意味が…… Levelも一気に上がっている。


これはやっぱり先のスケルトンしかないよな…… 新しくスキルの欄も増えてるし。


「なんか、いきなり強くなった……」


何処か虚しさの混じった大智の呟きが何も居ない空間にポツリと零れる。


「あ、刀、はもう帰ってで良いや、なんか色々疲れた……。ん? これは、さっきのスケルトンから出た石か…? 一応持ってくか」


真っ白な拳大の石を拾い早速アイテムボックスのスキルを使いポッケに仕舞う。刀を落ちていた鞘に直して手紙と一緒に此方もポッケへと仕舞う。トボトボと転移陣へと歩いて行きそのまま名残惜しいなど思わず発動させ地上へと向かう。


何故か転移した場所は迷宮の外、入り口付近の森の中だった。

職員に生存報告、ギルドカードを渡して、また受け取る。今回の事は報告などしていない。

面倒なことなりそうだし。なにより今は帰って寝たい……。


転移で宿の部屋へ行きそのままベッドへダイブして瞼を閉じる。 直ぐに睡魔が来たのでゆっくりと意識を手放す。



部屋の中には1分もせずに大智の規則正しい寝息が聞こえ始めた。

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