#3 迷宮-1階層
久しぶりの投稿です。不定期ですいません。
今日中にもう1話更新すると思います。
ではでは、よろしくお願いします!
「迷宮ギルドへようこそ。迷宮入りへの許可でしょうか?」
「ああ、ここに行かないと入れないと聞いてな」
「わかりました。ではギルドカードをお貸しくださいませ」
「ん」
「……これで完了です。迷宮について何か聞きたいことなどありましたらお受けしますよ」
「いや、大丈夫だ」
「では、またのお越しをお待ちしてます。お気をつけて」
冒険者ギルドから迷宮ギルドへ来て迷宮登録を済ませたので早速迷宮へ向かう。最初は低階層で慣れる。
なるべく早く先の階まで行きたい気もするが、それで殺られたんじゃ元も子もない。
焦らず慎重にだ。一応武器は長剣が一本ある。自惚れではないが魔法も使えるので階が低い内は多分どうにかなるだろう。
「ギルドカードを」
街から20分ほど歩いて迷宮ラグナへと来た。思っていたよりも入り口付近は整備されている。ここまでの道中も、人の手で整備された林道を通って来た。
入り口周辺にはギルド職員の詰所である白く塗装された二階建ての建物と、飲食店、というよりは出店、屋台が幾つかあって、冒険者らしき者達が、串肉やジョッキ片手に簡素なテーブルが設けられた場所で談笑し、盛り上がっている。
お目当ての迷宮入り口には職員らしき人物が三人と、その後ろにさらに四人ずつ立っていて、そこに冒険者達がそれぞれ列を作って並んでいた。入り口は、巨大な岩山にぽっかりと縦穴があり、そこにどんどん人が入って行っている。
「……はい。では進んでください。引き返す場合や下の層へ進む場合は、各階層に転移陣があるのでそれをご利用ください。15階層まであちらの転移陣で好きな階層へ行けますので」
「ああ、分かった」
好きな階ね、隣の列がそうなのか? まぁとりあえず俺は初めてなので一階から普通に行く。
俺はギルドカードを職員から受け取り、地面に書かれた魔方陣?のようなものの上に立ちいざ迷宮へと入った。
「結構明るいな」
迷宮の中は意外にも綺麗だった。光源などは無いのに松明で照らされているかのような明るさで、地面や壁ももっと岩肌剝き出しでゴツゴツしているかと思っていたら、人の手で整備が行き届いているかのように、足元は街の地面と変わらず塗装された道のようで、壁は若干ゴツゴツしている程度だ。
天井までの高さは十数m、横は端から端まで目測10mくらいでかなり広い。それから少し進むと左右に分かれ道があった。
「右か左か……、こっちだ」
右へ進んだ。特に理由は無いがあえて言うならば利き手が右だったから。
それから幾つか分かれ道があったが全て無視して直進している。
「うーん、特に何も無……っうお!?」
6つめの曲がり角も無視して進もうと出た瞬間何かが目の前に振り下ろされた。
「ギイ、ギギギ!」
「ギイギイ、ギイ!」
「ギギ……」
目の前に剣が振り下ろされていた。咄嗟に視線を声の方へ移すとそこには緑色の肌で、額に小さな角を生やし、子供のような体躯をした魔物、ゴブリンが5体居た。
「チッ! 危ねえな!」
「ギ!?」
すかさず腰に下げていた剣を引き抜き、剣を振り下ろしてきたヤツの腕を斬りつけ、距離を取る。
「ギィイ!」
「フッ」
「グッ!? ギ…」
斬りつけたゴブリンが無造作に振り上げた剣を俺の頭目掛けて振り下ろしてきたのを体を横に逸らして躱したとこで、ゴブリンの隙だらけの顔、首を切り落とす。
「‘‘スロー’’」
魔法を発動させ時間の流れを遅くする。
ゴブリン共はゆっくりこちらに向かって来ているが、遅い。全匹とも急所に剣を斬りつけ、刺して終わらせた。
「ふぅ、まだ1階は楽だな」
ちなみに‘‘スロー’’というこのスキルは5秒が限界なのでそれ以上はできない。というか5秒以上やるとかなり疲れるので使おうにもできない。おまけに連続して使ったり、1日に何回も使うこともできない。
一回使うだけでも体力? みたいな何かが一気に減って、体が重くなる感じになるのだ。恐らくMPが消費されているんだと思う。
さて、ゴブリンとあと何が出るんだっけ……、憶えてねぇ… 戻ったらギルドで聞いてメモしとこう。
初戦闘から20分程経ってやっと次の転移陣があった。
ちなみに、戦闘は何回かあったがどれもゴブリンだった。倒した魔物の死体はとういう原理なのか、粒子となって空中へ拡散し跡形も無く消えた。
だが、その時魔物達の死体があった場所には、死体の代わりにゴルフボールくらいの大きさをした、アメジストのような輝く綺麗な石があった。
とりあえず売れそうだったので全部回収しといた。
「2階層、うん。変わんないな」
一回層と内装は一緒だった。とりあえず3階層まで今日中には行きたいところだ。
誤字脱字、え? みたいに思った箇所がありましたらご指摘くださいm(_ _)m
ありがとうございました!