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王国案内開始

「王国に来た理由は?」

「観光です」

「今、持ってるものは?」

「ありません」

「は?」

「ありません、何も持っていません、無一文です」

「「「「…っ!?」」」」


そして始まる俺以外その場にいた奴ら会議。これ何回目だっけ…?


改めまして取り調べなう。そして俺がどんどん不幸少女になっているなう(その場にいた奴らの脳内で)


さっき俺がこいつらの脳内限定の不幸少女になってから騎士達がかわいそうな少女を見るような目で見てきている。

ちがう、そうじゃないんです。といっても信じてくれない。

見栄を張らなくてもいいんだよ、私たちは正義…味方だ!みたいなことを言ってきやがる。


「ううぅ、ぐすっひっくうぅ…」


あは、メイドさんの泣き声が聞こえてきた…ははは。

立ち聞きすんのも悪りいかなって思って【地獄耳(ビッグイヤー)】を解除したため、何話してるのかはわかんねぇが、俺の不幸少女レベルが上がったっぽい。

優しいのはいいことだと思うがよぉ、度が過ぎるとちょっとなぁ…


「ごめんなさいっ!あなたみたいな不幸な少女を取調べ室につれて行くなんて…」


メイドさんが痛ましい顔をして謝ってきた。


「本当に済まなかった」

「えぇ、今回は謝るわ」

「「申し訳ございませんでした」」


ついで騎士長サマ、美人さん、騎士達に謝られる。

俺が人畜無害な一般市民だと気づいて謝ってくれたーーならどんなにいいだろうか…

俺の脳内設定が斜め左方向に爆走中だ。暴走機関車かお前ら。


「父に溺愛されていた貴族令嬢で、父が死に家から追い出されたなんて知らなかったの!」


…………………………………うん、なわけねぇ

中小服飾メーカーに務めていた会社員だったんだが?訳あり貴族令嬢にジョブチェンジさせんじゃねぇよ!

背が中学だからって舐めんじゃねぇぞ!精神は大人なんだよ、オラァ!


「そうだ、金がないと言っていたな。後で1000ギル渡そう。」

「あ、ありがとうございます?」

「やだ!お金の単位もわからないの?……わかったわ、一からぜーんぶエリウス王

国のこと教えてあげる!」

美人さん俺の扱い変わりすぎ。さっすが王国騎士、正義感っつーのは人より多いのな…


「さっ!早速行くわよ!ついてきて!」


…は?え、もう行くのか?


















「はぁ、はぁ」


早すぎんだろ美人さん…

風のようにっつーか風だったわあれは。びゅおおおおおおってなってた。

王国騎士すげェわー



「おそいわよ!」


遅くねぇよ!チート全開で突っ走ったよ。

「はっ!ごめんなさい、箱入り令嬢だったわね!走れるわけないかぁ。」


失礼な!走れるわ!箱入り令嬢じゃねぇもん。ただ、あんたがはえぇだけだっての。風に追いつけるか。


「はっ、はぁ、ふぅ、ロレッタ様が速いだけです…」


言うと同時に倒れ込む俺。疲れる、疲れる!


「ふふん、そりゃそーよ!あたしは王国、いえ大陸一足が速いんだから!!」

わかってんなら走るんじゃねーーーーー!!!!


ぜっはぜっは息切らして走ってきた俺の努力はどうなる!

綺麗な町並みとかおしゃれな建物とか物語の中みたいな服とか、見たかったよ!


「まぁ、着いたからもうどうでもいいわね。」


あ?着いた?


「みなさい!」

美人さんが、ドアの上にデカデカと冒険者ギルドと書いてある看板を掲げている茶色の建物を指差した。

………………はぁ?冒険者ギルド?

「ここは冒険者ギルド!お金が欲しい無職どもガキども誰でも、職を手に入れることができるの!じゃ、次行くわよ!」


行くの!?これで終わり!?早くない!?つか来た意味なくない!?

ちょっ…!もうびゅおおおおやめろ!





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