表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

一話

       


    

「あぁ……眠ぃ――……寝過ぎたか?」


くわっと思わずあくびが出る。  

 

俺の名前は寅之助という。

周りからは寅と呼ばれている。

何故寅之助かというと、名付け親のじっちが寅のように勇ましく育ってほしいと、しわくちゃな手で俺の頭を撫でながら言っていた。

まぁ無理な話だが。


趣味は……散歩か?

実は今も俺は散歩に出ている。

まぁ散歩と称して、行くところはいつも決まっているのだが。

彼女のところに行くのだ。


まぁ、ちょっと待て待て。

今は現実が充実しているとリア充とか言われる風潮らしいが、彼女がいるだけでは充実しているとは限らない。

彼女との心の距離感が冷め切っていては意味もないし、なにより色んな試練をクリアしないといけないのだ。それを常に乗り越えていくからこそ充実していると言える。

今まさに彼女に会いに行くという試練の真っ最中だ。どきどきする。


お、青信号だ。渡るか。


――――――――キキィィッ――……ドンッ


ところが急ブレーキ音と体に鈍い衝撃が走った。

どうやら赤信号を無視してきたトラックがいたらしい。

周りのざわめきと共に、俺の意識は次第に霞んでいく。


「かわいそうに……」


「あれ赤信号だったじゃん!!」


「あ、トラック逃げたよッ!」


どうやら轢き逃げらしい。

が、わかったところで俺は死んでしまうだろう。

生まれてから今までの記憶と後悔が頭の中に浮かんでは消えている。

もっと早めに家を出ればよかったとか、もっとあの子とたくさん話をしたかったとか。


「でも、あれってあのままでいいの?移動してあげたいんだけど」


「うーん役所が何とかするんじゃないのか?多分、誰も触らないだろうし逆にオレらが轢かれたら危ないだろ?猫の死骸(・・・・)なんて……」



もっと主に優しくしてあげればよかった……とか。

   

  

  

 



猫を見るとぬこと叫ぶ作者。

まぁ買うなら犬派ですが。


でも猫の気質に憧れている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ