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告白代行サービスです



世の中にはいろいろなサービスがある。




例えば、スマホアプリやWebから注文するとレストランと配達する人がマッチングされ効率良く料理が届けられる料理の配達サービス。


例えば、従業員に代わって退職の意志を会社に伝える退職代行サービス。




わたしがアルバイトとして登録しているのは、告白代行サービスと呼ばれるもの。




恋する相手に、直接告白する勇気はない。


ラブレターなんて、書けないし。書けたとしても、相手に渡すには勇気がいる。それに、もしもフラれたら……。書いたラブレターを相手の手元になんて、残しておきたくない。




だから、告白代行サービスは結構需要がある……らしい。




私は指示されたとおりの住所に赴いて、そのマンションのエントランスに立った。




「ええと……201号室、サエキ、ユウダイ、様……」




まさか……と思いつつ、インターフォンを押す。




「はい」




インターフォンから聞こえてきた声に、早口になったのは、期待のせいではない。




「私、告白代行サービス会社から参りました、スズキと申します。サエキユウダイ様の同僚であるミカミアヤノ様よりの伝言がございます。開けていただいてよろしいでしょうか?」




ピッピッピ……と電子音がして、マンションのオートロックのドアが開いた。


手にしていたタブレットを落とさないように持ち直して、階段で二階に駆け上がり、今度は201号室のドアのインターフォンを押す。




ドアが開いた。




「ありがとうございます。こちら、社員証と依頼書です」




一礼して、タブレットの表示を見せる。


告白代行サービス 株式会社 春告げ鳥。社員番号と私の名前。


それからサエキユウダイ様へミカミアヤノ様からの依頼内容。




「好きです。結婚を前提にお付き合いしてください」




タブレットを示しながら、代行内容を、言葉でも告げる。




サエキユウダイ様は、びっくりした顔を私に向けた。




「承諾の場合はミカミ様に直接ご連絡を。お断りの場合は私どもで承ります」


「わかりました。ミカミさんには悪いけど、お断りします」




即答だった。




「はい」




私はちょっとほっとした。だって……。




毛先の跳ねた短い髪。


ちょっと垂れ気味の目。


……ああ、変わっていないなあ、サエキ君。




中学の時の、わたしの初恋の人。


こんなふうに偶然再会するなんて、思ってもみなかった。




「だけど、ミカミさんにはお礼を。おかげで僕の初恋の人に会えました。久しぶりだね、スズキマイカさん」




サエキ君は照れたように笑った。


私は耳まで赤くなった。




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