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長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


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54/101

54.楽しそうだな

 手伝わせているノアにも報酬を払わないとな。

 ノアに魔力を流しながら勉強の進み具合を確認する。

 基本的な単語は読めるようになったか。そろそろサーバル日誌の時間だな。


『ノア、猫日誌を書け』

 うさぎの俺を見て頷く。


 ノワールは声を掛けられて首の横にいるもこもこのリオを見る。首に張り付くようにしているので、横を見ると頬に柔らかな毛が当たるのだ。

 ヒクヒクする鼻と丸いしっぽをが連動するように動いている。

 そっと眉間を撫でて耳を触る。ピクリとするが嫌がってはいなさそうだ。

 言われた通りシャツの内側ポケットからサーバルを取り出す。

 まん丸なお腹に口を開けた顔、ピンクの鼻。時々寝ピク…何て書くのがいいんだ?



 エリーはノアの手元を覗き込んだ。


(2日目 寝てる お腹まん丸 開いた口 ピンクの鼻がヒクヒク 時々寝ピク)


 …観察日誌だからいいのか?主観をいれないのは正解だが。まいっか。


『少し休憩だ』

「ノア、お水どうぞ?」

 主が飲み物をノアに差し出した。水は間違いないけどな。

 ノアは受け取って少し考えている。俺が渡したものは躊躇なく食べるのにな。

『大丈夫だ、主に害意はない』

 俺を方を見て頷くと口に含んで飲み込む。コクン、喉がなる。

 しかし、驚いて固まった。害はないぞ?むしろ逆だからな。

『これは…?』

『いわゆる聖水だな』

『…』

『害は全くないぞ!』

 頷く。

「ありがとう」

 主はそっぽを向くが、あれは照れ隠しだな。素直じゃ無いんだから。

 ケガが治ったばかりのノアを気にしたんだろ。


『ケガ明けだからな、主なりの気遣いだ』

『そう、なのか?』

『子供みたいに純粋なんだ』

『エリー、余計な事言わない』

 俺は口を噤んだ。本当に手のかかる主だな…。


 ノアは真っ直ぐに主を見るとぎこちなく笑った。その意味に主も気が付いたのだろう。わずかに顔を赤くして目を泳がせた。

 楽しそうで何よりだ。


『エリー、客だよ』


 店に人が入って来た。ん?あの人は

「やぁ、この間の剣。すごく良かった。斬れるわ斬れるわ。最初は加減が分からなくてね…たくさん切り刻んだよ!」

 朗らかに爆弾発言だな?切り刻んだとか…。

 初日に予備の剣しか無いと言って剣は売ってないかと聞いて来た最初の客だ。

 名前は確かジレ…いや、ジル、ジルだ!


「もう戻ったんだな?どこかに行くと言ってたよな?」

「昨日の夜に帰ったんだよ。いや、しかしまさか市場でこんなに素晴らしい剣が売っているとはな…」

「慌てて銘を刻んだからな、付与も最低限くらいだし」


「斬れ味以外にも付いてただろ?」

 あの時は確か…防御と斬れ味と、魔法耐性と反射と頑丈としなやかさ、防汚と刃こぼれ防止か。

 基本は付けたな。

「防御とか魔法耐性、防汚と刃こぼれ防止とかな」

 他は省略だ。

「この剣の予備が欲しい」

「あるぞ、今は剣帯の色は茶色で統一している」

「青は私だけか?」

「そうだな、初回購入特典だ!」

「それは嬉しいな」


「値段を余分に払っても?」

「それがな、その後も欲しいと言われて。金貨10枚で売ってるからな。それ以上は貰えない」

「そうか、なら短剣と時計とアクセサリーも買おう」

「おっ、嬉しいぞ。何がいい?」


 それからジルは色々と吟味をしてたくさん買ってくれた。


 剣×1

 短剣×2

 腕時計、懐中時計×2

 ネックレス、ブレスレット×2

 バングル×3

 指輪 大 ×5

 指輪 小 ×5


 かなりの金額だ。

 予備の剣がすでにあるから、それならとたくさん買ってくれたオマケにイヤーカフを作る。それに予備の剣ほか身に付けると言った物以外を収納した。


 ジルはすごく驚いた顔をしている。どうしたんだ?

「少し屈んでくれるか?」

 言われたらとうりに屈むジルの耳にカフを付けた。

「残りのものはここに収納した。予備の剣も。たくさん買ってくれたからな!オマケだ」


 今は主に同化している俺が付ける。まだ驚いていたがそっとカフに触れるとさらに驚いていた。

「これは…」

「オマケだ!」


 そもそもアクセサリーなんて小さなものに空間魔法で収納を付ける事が普通は出来ない。

 しかも容量が馬車1台分なのだ。これも有り得ない。

 しかし、それくらいは朝飯前なエリーはやり過ぎと思っていない。

 ルシアーノなんて馬車10台分にしようとしてエリーが止めたくらいだ。

 だからジルの驚きの意味も理解していないのだ。


「オマケ…なのか?」

「そうだ!」

 どこまでも朗らかに言うリオ。

「ありがとう、また来る」

「おう、たくさんありがとな」


 今日はたくさん売れてるな、と思ったエリーだった。

 しかしさっきの短剣や時計、アクセサリーには俺が付けた付与意外にもルシアーノが盛ってたな…。

 意外と近いのか?

 あぁ見えて無駄な事はしない。ならばそういう事なのだろう。


 時間は10時30分。昼休憩には早いな。

 ボケーと単語を見ているノアを眺めていた。隣の猫はなぜか俺の脚に抱きついて寝ている。涎を垂らしながら。まだ赤ちゃんだから仕方ない。

 俺はノアと猫に魔力を流しながら鼻をひくつかせていた。

 うさぎだとどうしても鼻としっぽが勝手に動く。面倒だ。コウモリならじっと座っていられるのに。


 主は商品をいつの間にか補充(自分で作ってた)している。俺のに似せているがなんせ作っているのが世界一の魔術師だ。似て否なるもの。性能が格段に上がっている。あれも準備か?

 ノアの剣には遠隔で付与してたしな。

 やり過ぎるのは良く無いんだが、準備なら仕方ない。一応、確認したら時限措置ではあったからな。


 シルバもミーシャもなんとなく落ち着かない様子だそれにしてもな、気になる事がある。

 そしてそういう予感は当たるんだ…。




良く売れたぜ!もう稼がなくても良くね?

まだまだ稼いでね?エリー

マジか…がっくり


※読んでくださる皆さんにお願い※


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