表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/101

52.4日目

 さて、もう少し時間もあるしノアの勉強だな。基本的な単語の復讐だ。

 絵が表、裏が単語。それを見ながら単語を思い浮かべる。一通り出来たら次はサーバルの観察日誌だ。

 今日の勉強はそんな所だな。


『ノア、単語カードで復讐だ』

『分かった』

 相変わらず素直なノアだった。

「くすくすっノアは素直だな」

『そうだろ?不安になるくらいな』

「エリーにだけだよ」

『そうなのか?』

「俺は疑り深くて捻くれてる」

 全く分からないエリーだった。前脚で頬に触れる。

 過去の記憶を見ると確かにそうだ。俺には始めから素直だったな。

「リオは何だろうな?裏がない。言葉がそのままストレートに響くんだ」


 ま、誰にでもじゃないならいいだろう。騙される心配は無さそうだ。ちょっと過保護なエリーだった。

 ノアは勉強を始めた。俺は特にすることもないから目を瞑って気配を探る。

 お、これはヘルフとじいじだな。こっちに来るか。

「来るね、エリー。対応は任せるよ」

『分かった。ノア、離れる』

 俺はうさぎの姿で主の体に飛び込む。同化だ。遠隔で主が話をするのは危険と判断したのだろう。


 幕の向こう側から声がかかる。

「リオ、いるんだろ?入れてくれるか」

「おう、ヘルフだな。少し待て」

 ノアが幕の一部を開けて2人を招き入れる。

「早くから済まんの」

「構わない。準備も終わってるからな」

「ここの探索者ギルドは問題が多過ぎた。マロウはもちろん関わって居なかったが、補佐が病気で休み始めてから色々と手が足りてなかったようだ。その頃からあからさまな違反が横行していた。言い訳にはならぬがな、マロウも悪気は無かった」

「だろうな、そこまでの根性もない。良くも悪くもない」

「そうじゃな、いい意味で凡人じゃ」

 俺は肩をすくめる。被害を受けたのは俺じゃない。


「ノワールと言ったな?本当に申し訳無かった。体はもう大丈夫だろうか?」

 ノアは静かに頷く。

「今回、不正に依頼を受けさせられたりした探索者には見舞金が出る。亡くなった探索者の家族にも、だ」

「元凶の処分は?」

「流石にゴブリンの巣に裸で放り込むのは無理だが、ゴブリン討伐のエサとして使うことになった。おびき寄せるのに使えるからな」

「そうだな、盛りのついたメスなら喜んで集まるだろう」

「探索者の苦労を少しは知るべきだと言う意見が大勢でな。その後は全員、迷宮に放り込む。生きようが死のうが、ギルドは感知しない」


「それは楽しそうだな!」

 ノワールはその罰の厳しさに驚いたが、討伐なんていくらでも湧いてくる野蛮人にヤらせたらいいとか、見目の良い若い探索者を食い物にしていたとかを聞いて同情の余地はないと結論付けた。



「で、今日はそれを言いに来たんじゃないだろ?」

「そうじゃ。一つは前回納めたオークと猪の査定が出たからギルドに寄ってくれという伝言と、短剣と時計、アクセサリーも買いに来たのじゃ」

「客か?短剣は剣帯の色が選べるぞ!時計は腕時計と懐中時計がある。腕時計はベルトの色が選べる」

「そうじゃな、剣帯は青、時計のベルトは青と赤も欲しい。懐中時計も一つだな。短剣は何やらポーチまで付けられると聞いたぞ?」

「たくさん買ってくれるんだな、ありがとよ。ポーチ付きで小金貨20枚だ。時計は金貨15枚。アクセサリーは銀貨5枚から9枚だな」

「ふふふっ、ヘルフから激安とは聞いたがな。それほどとはな」


 ノワールもうんうん頷いていた。


「アクセサリーはなにがお勧めかの?」

「じいじが付けるか?プレゼントか?」

「両方じゃ。プレゼントは妻と3人の息子と2人の娘にじゃな」

「そうだな…バングルか小指用の指輪か、ここには置いてないがイヤーカフだな。ヘルフの耳に付けてあるヤツだ」

「どれもいいのぉ。滅多に来れんからな、ならば全員にバングルと小指用の指輪にその何ちゃらカフ。後は妻用にネックレスを貰おうかの。サイズはどうなっておる?」

「もちろん自動調整だぞ」



 何がもちろんなんだ?とヘルフもガブリエルも思ったが口にはしなかった。



 リオはさっそくカバンからイヤーカフを取り出す。話をしている最中に主が作ってくれていた。もちろんラピスラズリ付きだ。

 何やら付与もしてくれている。空間収納も付いてるな。ヘルフに渡した物と同性能になっている。さすがは主だ。

 それぞれ箱にバングルと指輪とイヤーカフを入れる。一つはネックレスもだな。

 さて、いくらだ?

 ノアを見る。

 手元のノートに


 短剣セット 小金貨20

 時計 金貨15×3=45

 バングル 銀貨9×7=62

 指輪 銀貨5×7=36

 イヤーカフ 銀貨?

 ネックレス 銀貨9


 と書いてあった。イヤーカフの値段な。銀貨5?かな。

(銀貨9だよ、収納付きだから…)

 主から声がかかった。

「ノア、イヤーカフは銀貨9だ。で、バングルと指輪の合計が間違っている。一つずつ足してみろ」

 ノアは言われた通りに計算している。



 短剣セット 小金貨20

 時計 金貨15×3=45

 バングル 銀貨9×7=62→63

 指輪 銀貨5×7=36→35

 イヤーカフ 銀貨9×7=63

 ネックレス 銀貨9


 全部で金貨45 小金貨20 銀貨170


「それを整理したら?」


 小金貨20は金貨2

 銀貨170枚は小金貨17


「先に銀貨を小金貨にして、最後にそれを金貨にまとめるんだ。そうしたら一度で出来る」


 銀貨170は小金貨17

 小金貨20と17を足すと37金貨3と小金貨7


 金貨48 小金貨7


 計算を終えて俺を見る。俺はノアの頭を撫でる。

「よく出来たな!」

 ノアは嬉しそうに笑い、なぜか足元のシルバがドヤ顔でしっぽを振っている。肩のミーシャもソワソワしているぞ?


 俺は箱に布リボンを掛けて、妻へと言っていたネックレスが入った箱にはリボンを増し増しにした。じいじは腕時計を身に付けて、手にイヤーカフを待った。

 じいじは懐から金貨49枚を出して来た。そして

「釣りで何がうまい物でも食べなさい」

 と言った。ノアにはお釣りの準備をさせる。せっかくだから貰うが、計算の練習は必要だ。


 そして机を回り込むとじいじに屈んでもらい(じいじのくせにやたらと背が高い)イヤーカフを付けてやる。

「これはまた凄いの」

「たくさんありがとな、後お釣りも。美味いもん食べるぞ?」

「ワシにはそのくらいしか出来ないからの。ではな、リオよ。ギルドに素材の買い取りについて聞きにくるのだぞ?」

 頷くと帰って行った。


 たくさん売れてラッキーと思ったリオノールだった。





結構稼げたし、もう店やらなくて良くね?って思ったリオノールだった

まだまだ稼いでね?と思ったルシアーノだった



※読んでくださる皆さんにお願いです※


面白い、続きが読みたいと思って貰えましたらいいね、やブックマーク、↓の☆から評価をよろしくお願いします♪


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ