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長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


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51/101

51.市場で開店

ちょうど50話終わりましたね…

折り返しです

 店に着く。まだ8時だからしばらくは待機だな。

「主、商品を並べくれて」

「エリーお願いな」

 くぅ、それすらやらないのか。仕方ない。ノアの肩にいるうざきから遠隔操作だ。

 ルシアーノの体に自分を同化させて動かす。遠くから指示を出すというよりはあちらにも自分がいる状態だ。

 実はかなり高度な技なので、聖獣の中でも知力が秀でている者にしか出来ない。


 ノアに魔力を流しつつ、主の体を操作する。カバンから短剣、時計、アクセサリーを取り出す。店の名前が書かれた布を敷いて商品を手際よく並べていく。

 もう慣れたもんだな。

 正面に回って歪みなどが無いか確認だ。終えたら最後の仕上げに魔法で整列させる。これはルシアーノがやった。

 出来るなら始めからやってくれよ…。


 準備は終わりだ。後はお釣りの入った袋を用意して、箱やらリボンを置いたら万全だな。


『ノア、俺の魔力に自分の魔力をのせろ。その内、無意識に出来るようになる。とにかく薄く細くだ』

『分かった』

『魔法はイメージが大事なんだ。俺と手を繋いで散歩するんだ、なるべく疲れないように長距離をな!』

 この教え方はエリーが育てた子たちにいつもやっている。イメージしやすい言い方は大切なのだ。

 たいていの子はこれで俺と手を繋いでお出かけを想像する。で、笑いながら練習する。

 側から見ているミーシャには新興宗教のように見えるのだが。本コウモリは至って真剣なのだ。

 しかも、この方法は確かに上達が早い。


 ただ、ミーシャは疑問だった。聖獣に教えるのと人と、同じでいいのか?と。ノワールをどうするつもりなのかと不思議だった。

 ノワールは人なのに迷宮を瞬殺させたいのか…?

 エリーは優秀過ぎて、育てた子たちも凄かった。謎だ。


「エリー、ノワールをどうしたいのだ?」

『ん?』

「無自覚か?君が本気で教えたら、世界を壊せるだろ?」

『まさか、魔法の基本操作だけだ。人なのだから聖獣のようにはいかない』

「本当に?エリーがそれだけ魔力を渡してるんだよ」


 あれ?そうか…。俺の魔力に混ざるとノアの魔力に俺の(聖獣の)能力が一部渡される。あれ?同化とか隠蔽とか超音波探知とか使えるのか?


『ノア、少し魔力を周りになるべく薄く伸ばしてみろ』

『?分かった』

 どこまでも素直なノワールだった。




 薄く周りに伸ばす、探知の?ような感じか。俺は使えないが気配には元々敏感だ。それを遠くまで伸ばすような感じか?


(奥さん、おはよう。いい天気ね)

(今日も洗濯物が良く乾くわ…)


(うにゃにゃにゃ!)

(フーシャー!)


(ダリィなーでも金もねえし、依頼でも受けっか)

(ネラちゃん可愛い♪)


 なんだこれ…?慌てて魔力を閉じた。

『リオ、なんか色々聞こえたぞ?』

『あー、良かったな』


 うさぎのリオを見るとあからさまに首元に張り付いて誤魔化した。多分誤魔化したな?

『リオ?』

『あぁ、えっとな…俺の能力が譲渡されたようだ。普通、聖獣だとこれくらいの魔力では能力が移譲することは無いんだが』

『つまり?』

「エリーのスキルである超音波探知や同化、隠蔽なんかが人に合わせた劣化版として付いたね。探索と隠密かな。気配察知は元からあったけど、強化されて気配探知になったよ。あって困るもんでも無いし、良かったな」



 良かった、で済むのか…?俺に聖獣の能力、劣化版とはいえ。



「あぁ僅かに聖魔法も使えるようだね。切り傷程度なら治せるよ」

 聖魔法…良かった、んだよな。きっと。俺は肩の上で首に張り付くように丸まっている白いふわふわを撫でる。

 鼻をヒクヒクさせながらこちらを見る。大きな青い目で。耳の間を指で撫でた。いつの間にか撫でる加減が出来るようになった。

 小さなサーバルやリオを傷付けないようにと思ったら出来たのだ。リオの言う通りだ。独りでは生きられないのなら、関わらなくてはいけない。力の加減が出来、魔力が抑えられれば威圧感が減る。

 人嫌いは直らないだろうが、確実に前進だ。

 白いもふもふの温もりを感じながらそう思った。


 ルシアーノはノワールとエリーを見る。エリーがノワールを気に入っているのは間違いない。しかし、エリーにとって、自分が何においても一番である事は変わらない。

 独りで迷宮を踏破したってつまらない。出来て当たり前なのだ。なら、仲間と楽しむのもいいだろう。

 エリーがそう考えて、素直で人嫌いなミクロネシアンを仲間にした。勢いもあるだろうが、根底には常に自分の存在があることをルシアーノは知っている。


 だからエリーが気に入ってる子の意見を尊重するだろうエリーに、敢えてイナゴの件を委ねた。

 どうしたいかって。

 ふふっ面白い。僕は余り大きく干渉出来ないからね?エリーにシルバ、ミーシャ。それとノワール。せいぜい頑張ってくれよな。



 エリーはおよそルシアーノの考えはお見通しだ。どうせ楽しもうとか思ってるだろうし、そもそも自然淘汰を余り大きく干渉出来ない。ルシアーノならば。立場上、世界を俯瞰するのだから。

 俺たちはある程度許容されるから、まぁ妥協点だろう。


 ノワールにスキルが移ったとしても、特に問題ないと思っているエリーだった。何か問題が起きるならその時は対処するだけだ。それが出来るから心配はしていないのだった。




ノワールにスキルが移った…も、もちろん想定内だぞ?

目が泳いでいるエリーだった

それなエリーをジト目でみる白い蜘蛛



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