表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/101

42.一緒のお風呂

 ノアに手を引かれて脱衣所に来た。一緒に風呂に入るのか?俺の体にはキズが沢山ある。恥ずかしい気持ちがあって固まっていたらリオはさっさと脱ぎ終わっていた。

 その小さくて細い体を見てさらに恥ずかしくなる。リオの体はキズ一つないなめらかな肌だったからだ。


 俺が脱いで無いことに気がつくと早く脱げと言われた。ゆっくりと脱いでいるとリオがベルトを外してズボンを脱がす。

 下着まで脱がされそうになり、流石に恥ずかしいので止めた。


 そしてリオが俺の体を上から下まで眺めている。無表情で。いや、変な目で見られても嫌だが、何を考えているのか分からない目でじっと見られるのも恥ずかしいのだ。

 そして後ろに回ってさらに見ている。本当に恥ずかしい。見終わったのか手を引かれて浴室に入り、体を洗ってやると言われてまた固まった。

 リオの小さな手が石けんを付けて体に触れてくる。


 後ろと前も(流石に股にはごく軽くしか触っていない)洗われて流されて、髪も洗われて…。慣れないことで固まってしまった。まだ小さな手は優しく体と髪の毛を洗ってくれた。


 リオの体は細くて、なんだか自分がとても大きくなったように感じた。

 また手を引かれてお湯につかる。あったかいな…。

 そもそも風呂なんて貴族くらいしか入れない。リオは本当に不思議な子だ。

 肩までつかってその体と顔を改めて見る。大きくて魅力的な目、細い体。


 自分たちミクロネシアンはその肌の白さが特徴で、一部の貴族には囲い込んで夜の相手をさせるものがいると聞いた。俺も何度か攫われそうになった。

 リオはまだ子供だからか、キズがあったとはいえ、俺の体をそんな風な目で見ない。


 そう思って自分のキズを見る…えっ、キズが?慌てて肩や腕、太ももを見た。キズがない。どこにも。見えるのは透けるほど白い自分の、キズ一つないなめらかな肌だ。


 俺はリオを見る。首を傾げて俺を見て、それからあぁという顔をする。

「キズなら治しといたぞ。見ないと治せないからな。今日は一緒に風呂に入ったんだ。洗いながらだと全身触れるから治しやすい」


 簡単そうに言う。アッサリと。リオの目的は俺の体のキズを治す事だったのか。

「金は?」

 首を傾げた。

「何のだ?討伐か?」

「違う、そのキズを治した…」

「俺が勝手にやったんだ。もちろんいらないぞ!仲間だしな」


 ノワールはもうなんて言えばいいか分からなかった。嬉しくて、申し訳なくて。

「気にするな!キズなんて無い方が、今後いいだろ?結婚するとしてもだな」

 結婚なんて考えたことも無いが、キズが有るよりは確かにいい。急に古傷が痛むこともあったから。


「リオは凄いな」

「たいした事じゃない。仲間だからな!」

 俺は心の底から湧き上がるような嬉しさで笑った。なんて嬉しいのだろうな、リオの言葉が。


 仲間だとしても、そんな風にキズをポンポン治したりはもちろんしない。

 ただ、リオノールは自分の力でも治せる程度だから、たいした事はしてないと本気で思っているのだ。


 体も温まったから風呂から上がって居間に行った。ソファに座って冷たい水で喉を潤す。

「今日の報酬は半分で、売った素材の金はノアに。残りの素材で俺が使いたい物は貰うが、他はどうする?換金するか?肉は俺が貰うが」

「そうだな、ボアは防具などにはならないが、オークは高く売れる筈だ」


「オークの革は少し欲しいが、せいぜい2匹程度だな。じゃあ、ボアの皮の分は俺がノアに金を払うぞ。買い取るからな!」

「いや、そもそもほとんどリオたちが倒したんだろ?」

「だからそれは関係ない。肉は食事で使うからな、分けないが」


 そこまで言ってそうだ、今日はボタン鍋の予定だった。落ち込むリオノールだった。


「金がいるんだろ?」

「それは市場で稼げるからな!明日は商業ギルドに納品に行ってくる。時計が20納品なんだ。買取でな、1個金貨13枚なんだ。少しは稼げる」


 金貨260枚。全く少しではないのだが。


 ノワールはもう言い出したらリオが聞かないと分かったので素直に頷いた。


「もう寝るか?」

「そうだな、今日は色々と疲れたからな」

「なら明日は依頼を休もう」

「ん?大丈夫だ」

「うん、じゃあいいのがあったら受けるか」


 居間を出て寝室に行く。ノアは客間だ。

「ノアはこの部屋な。荷物も要らないものは置いといていい」

「リオは自分の部屋か?」

「そうだ」

 ノアがなぜか少しもじもじしている。何だ?

「ノア、どうした?」

「その、あ…一緒に寝てはダメか?」

 ん?あぁ、そうか。まだ今日の怖さがあるのか。人間は心も体もヤワだからな。


 ノワールは単にリオと一緒だと温かくて良く眠れると思っただけだ。


「別に構わないぞ」


 本当は独寝したいのだが、頷いた。

 こうしてリオノール(ルシアーノ)の部屋でまた後ろからノアの腕にゆるく抱きしめられて寝た。




リオノールはコウモリなので人の体に興味はない

ノワールは裸の付き合いなどしたことがなく戸惑っている

そして子育て上手なリオノール、子育ては忍耐と我慢だと知っている…


※読んでくださる皆さんにお願い※


面白い、続きが読みたいと思って貰えましたらいいね、やブックマーク、↓の☆から評価ををよろしくお願いします♪


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ