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長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


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28.新しい仲間

 動物が舐めるのは比護する対象と認めた証だ。シルバめ。懐に抱えてノワールの所に戻る。


「終わったか?」

「あぁ、何処に?」

「あぁ、拾いものを少し」

「?」

 俺は懐を開けて見せる。直接肌に触れるよう服の中に入れているのだ。

 驚いたノワールはその白い頬をわずかに染めて俺の胸元を見る。

 もふもふ好きか?


「触るか?」

「えっ…」

 俺は一匹を手に抱えて無意識に差し出していたノワールの手に乗せる。

「なんと小さい…」

 しばらく眺めていた。そして俺の胸元に戻す。軽く肌に触れた手は手袋ごしでも冷たかった。


「俺が触れると潰してしまいそうだ」

「お前、力の制御が?」

「生まれつきだ。力が強すぎて不用意に人に触れるとケガをさせる」

「なら練習にコイツをそばに置けばいい」

 俺は胸元を指す。


「しかし…」

「大丈夫だ、さっきだって」

「少し、考える」

「おう、戻るか」


 俺は特に理由はないが、ノワールの手を握る。冷たい手だな、なんて思っていた。


 



 リオと別れた後、依頼でも受けるかとギルドに行くとオークの討伐があった。森か、依頼完了までは数日ある。受けておくか。

 人が後を付けているのが分かるが気にしない。今に始まった事じゃない。

 ある程度森を入って行くと襲われた。4人か、大丈夫と思ったのが悪かったか。ぐっ…体が思うように動かない。


 毒か…少しずつ精彩を欠く自分に苛立つ。ぐっ…膝をつきそうになり、なんとか体を支える。

 そこにリオがやって来た。何故?危ない。

 しかし、リオは短剣を使え、と言った。この状態に全く動じずに。


 そしてすぐに濃厚な魔力が溢れてくる。これは…リーダーと思われる男が動けなくなり気絶した。

 俺は剣をしまって短剣を出す。なぜだか力が溢れてくるようだ。

 そして、剣を振る。ザンッ

 はっ…?斬れすぎる。しかも刃が伸びたぞ?そしてあっという間に3人を倒していた。


 その後、リオの連れている狼が遠吠えする。すると襲撃者たちが倒れ込み痙攣して動かなくなった。

 そして何事も無かったように依頼に向かうという。


 オークを見つけて戦っていると、リオが消えた。戻って来たら胸元を開く。細い体が露わになるとそこにはふわふわな塊があった。

 リオの体を見たからか、ふわふわを見たからか。顔が赤くなる。


 触るか、というリオの言葉に焦ると手にふわふわが乗せられる。なんて柔らかい。彼に返すと街に帰ることにした。

 自然に俺の手を握るリオの小さな手はとても温かかった。

 



 ギルドまでノワールと一緒に帰って来た。流石に森を出たら手は離してシルバと走り回って遊んだぞ?

 うん、たまには童心にかえって遊ぶのもいいな。


 依頼達成の報告だ。ノワールが譲ってくれたから

「角うさぎの解体だ」

「終わったのか?」

「あぁ」

「なら解体場に行ってくれ!」

 頷いて解体場に向かう。するとさっきの職員が出てきた。

「終わったのか?」

「おう、仲間が頑張った」

「とにかく、ここに」

 俺はカバンから解体済みの肉を出す。


「…マジかよ、完璧だ」

 ふふん、白蜘蛛は優秀な働き手なんだ。

「仲間って?」

「秘密だ、俺はテイマーだからな!」

「おう、それでか…助かったぞ。窓口に一緒に行くからな」

 で、依頼達成の窓口に戻る。待っててくれたようだ。


「どうだ?」

「完璧だ!色を付けてやれ、凄いぞ」

 興奮して言う。肩の上のミーシャがドヤってるのを見逃さないぞ?

「達成だ、カードを」


 手続きをして銀貨8枚と銅貨5枚を貰う。そして

「少し報酬はオマケしたぞ。そして、D級おめでとう!」

「やりぃ!」

「ギルドへの販売貢献度が高くてな、早かったな。後は従魔の討伐ポイントもだな」

 へへへっ、ヘルフとシルバたちのお陰だ。


 そこに、当のヘルフがギルマスのマロウとやってくる。

「リオ、ちょうど良かった。魔獣の買取価格が確定した。この後いいかな?」

「あ、パーティー登録が先にしたい」

 俺はノワールを振り返る。少し驚いていたが頷いてくれる。


 ヘルフも驚いていたが

「待つから、後で職員に声を掛けてくれ」

 俺は頷いてノワールを見る。

「依頼達成だ」

 職員に手続きをしてもらう。が、解体場に向かった。だろうな、オークの群れだ。


「パーティー登録だな?」

「おう」

「いいのか?」

「何がだ?」

「いや、何でもない」

「パーティー名がいるぞ?決めてるか」

 サッパリだな。ノワールに丸投げだ。


 ノワールが戻って来て、無事に依頼達成だ。

「パーティー名がいるらしい」

「…」

 俺を無言で見つめる。マジか?思いつかねーよ。


『エリスリオノールにしろ』


 ミーシャ、まんま俺の名前だろ。いっそルシアーノにするか?でもな、伝説の魔導士とか言われてるんだよな。


(エリスノーラ)


 主からの声かけだ。その名を使うのか?パーティー名だぞ?


(エリスノーラ)


 諦めた。俺の名前の由来で、ルシアーノが聖人化する理由でもある人物だ。俺との出会いのきっかけでもある。


「エリスノーラ Arisnour」


「カッコいい名前だな」

 職員は笑う。

 俺は肩をすくめた。どうせ数ヶ月でこの体は返すんだ。主の好きにしとこう。


「エリスノーラ、不思議な響きの名だな」

「嫌なら変えるが?」

「いや、気に入った」

 こうして俺とノワールはパーティーを組んだ。


「リオ、彼も一緒でいいぞ?」

 ノワールはこちらを見る。

「ギルドに売った魔獣の査定が終わって金額や確定だ」

「なら俺はそこで待ってる」

 ギルドの椅子を指す。俺は手を挙げてヘルフたちと奥に入って行った。




エリスノーラとは…?



※読んでくださる皆さんにお願い※


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