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長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


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26.店終い

 店に戻る。幕を開けて椅子に座る。

 今日は何時で終わるかな。今が12時半だ。2時まででいいか。

 ボーッとシルバをもふっていたら12時45分頃に人が慌ただしく店に入って来た。


「ここだな!アクセサリーが売ってるって聞いて」

 はぁはぁ…どんだけ走ったんだ?この人。

 衛兵の制服を着た女性だ。

「アクセサリーは逃げないぞ」

「休憩時間がな」

 なるほど。


 アクセサリーを見ている。

「王の石だな」

 考えている。

「妹に、体が弱くて良く寝てるんだ。ネックレスは難しいか」

「ブレスレットは?腕に付ける」

「重くないか?」

「軽いぞ、持ってみろ」

「本当だな。引っかかったりは?」

「状態保存がかけてあるから大丈夫だ。大きさはその金具で調整出来る」


 石を見て、金具を見て…

「値段は?」

「銀貨9枚」

「二つ買おう」

「ありがとよ」

 箱に詰めてミーシャの糸で作った布リボンをかける。

 袋に入れてお金を貰い、渡す。


「これなら妹も喜ぶだろう!急がせて悪かったな。私はイメルだ」

「リオだ、またよろしくな!」

 豪快に手を振って走り去った。


 1時か…結構売れたしもう店を閉めるか?

 と思っていたら商業ギルドのマスターソマリがやって来た。

「よう、リオ。どうだ?」

「ソマリか…ボチボチだな」

「時計を見に来たぞ」

「あー腕時計は完売だ」

「腕…時計?なんだそれ?」

 俺は腕を見せる。ソマリは身を乗り出して

「これは…取り出さなくていいのか?」

 頷く。


 懐中時計を見る。

「触れても?」

「いいぞ」

 そっと手に取りしみじみと眺めている。

「凄いな…値段は?」

「金貨15枚だ」

「…なぁ商業ギルドにおろしてくれないか?」

「どういうことだ?」

「買取だ。まとめて買う分、少し割り引いて貰うのが通例だ」

「まとめてってどれくらい?」

「一般的には100単位だが、これは10個からだな」


 まとめて買って貰えるなら効率がいいか?

「いくらで売ることになる?」 

「金貨13枚だな。売値は同じだから。多く確実に売れるし、ランクも上がるぞ」

「なら頼むか。腕時計と懐中時計が各10でいいか?」

「あぁ、出来次第で構わない。ここで売る分もあるだろうし」

「分かった。ギルドに行けばいいか?」

「それでいいぞ。魔獣の査定もそろそろ出るからな」

「おう」


「ギルドの分とは別に時計を買う」

「ありがとよ!」

 ソマリはお金を払って、受け取った時計を懐にしまって帰って行った。


 1時半だ。よし、店終いだ。


 本日の売り上げ


 短剣セット(ポーチ付き) 5

 短剣セット 4

 短剣 2

 ネックレス 1

 バングル  4

 ブレスレット 2

 指輪 2

 腕時計 5

 懐中時計 1


 それなりに売れたから、しばらくはこのお金で生活出来るだろう。でも実績は必要だし、注文も受けたからな。剣と時計は作らなければ。


 ひとまず、探索者ギルドで以来を探そう。Eだと雑用ばかりだからな。

 ギルドに入って掲示板を眺める。うーん、薬草採取がいいかな?

 あ、魔獣の解体とかある。手伝いじゃなくて全部解体するのか。角うさぎ100体、肉だけを納品。今日中で急募ってある。銀貨8枚なら悪くない。ただ、普通なら受けないな。1体に20分かかるとして、1人なら33時間かかる計算だ。安過ぎるだろ。


 すると後ろからギルド職員が

「急ぎの仕事でな…依頼料は高くないがその分、ポイントがいつもの3倍つく」

「EからDに上がるのにどれくらいいる?」

「100ポイントだな」

「今どれくらいだろ?」

「カード見せてみろ」

 渡すとある場所を指す。

「ここの線が右までいったら上がる。真ん中まで来てるぞ?解体の依頼を受けたら次のランクのポイントもそれなりにたまる」

「んー、それなら受ける!」


「本当か?1人だと無理だが?」

「仲間がいるからな!」

「よし来た!手続きするからな。失敗のペナルティは大きいから気を付けろ」

「大丈夫だ」

 そうして俺は角うさぎ100体の解体を請け負った。 実はこの依頼、とても美味しい。肉以外は角も毛皮も貰える。

 俺は急いで依頼主の元に、と思ったらギルドが代理の依頼主だった。そのまま解体場に連れて行かれる。

「これだ!」

 うさぎたんが積み上がっていた。


「他の場所で解体したいが?」

「きちんと戻せよ?」

 職員はどうやって運ぶんだ?と思っていた。

「おう!」

 空間拡張ポーチにしまってギルドを出た。そのまま門から出て森に向かう。

 解体場で職員が唖然としていたのをリオノールは知らない。


 門を出て近くの森に入る。人が入って来ない辺りで止まると、ポーチからうさぎを出す。結界で匂いを外に漏らさないよう覆ってから

「ミーシャ、子供たちで解体よろしくな」

『任せろ、暇だったからな』

 ハスキーボイスが答える。


 わらわらとミーシャの腹にくっついていた子蜘蛛たちが出て来てうさぎに群がる。鋭い歯で毛を切り込んでわしゃわしゃと手際良く解体していく。

 見てるだけだから楽だ。1匹につき1体がものの10分ほどできれいに解体出来た。肉とそれ以外の素材に分ける。内臓はミーシャと子どもたち、シルバが腹に収めた。


 ゴミも出てないぞ?これぞ完璧な解体だ。そして、終わった。移動時間合わせて30分。

 終わってしまったな。これでランクがDなのか。

 うん?ならノワールとパーティー組めるのか?

 マジか。良く考えたらルシアーノにはパーティーとかいらん気がする。


 だって最強だそ?うーん、まいっか。俺は途中で入れ替わるしあとは丸投げだ!

 それに主はああ見えて人好きだ。好きだから別れが辛いだけで。ノアはいい奴だし、丁度いいだろう。


 さて、時間もあるからな、剣と時計を作るか。


 そこからせっせと注文の剣と時計を作った。素材はまだあるが、その辺りで取れる素材も探しとくか。


「おい、ミーシャ。近くに何かないか?」

『少し先に鉱物があるな…』

「案内頼む」

『任せろ』


 ミーシャに付いて歩いて行く。



リオノール所持金

 金貨 289枚

 小金貨 130枚

 銀貨 102枚

 銅貨 95枚


 収入


 時計 金貨15枚




解体場の職員

はっ?角うさぎ100体がポーチに入った…?

疲れ目かな? 





※読んでくださる皆さんにお願いです※


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