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長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


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20/101

20.さあ開店だ!

リオノールの所持金追記


2025.03.03

 幕を上げる。見える範囲の店はまだ閉まっている。その時間に日用品は買わないよな。

 それでも問題ない。だってヘルフが来てくれるからな。


 そのままボンヤリとシルバをもふっていた。

 人が通りかかる。

「開いてる、のか?」

 中を覗き込む人がいる。

「開いてるぞ?」

「そうか、武器は無いか?」

「ここには短剣しかない」

「剣を探しているのだが」

「急ぎなのか?」

「あぁ、あと少しで出ないと」

「予備は?」

「あるのだかな…やはり予備だからな」

「どんな感じの?」

「普通の直剣だが」

「いや、素材とか付与だ」

「素材はミスリルで付与は斬れ味だな」


 その程度ならすぐ作れるか?

「あとどれくらいで?」

「30分ほどか」

「15分で取ってくるが?」

「買うか分からないが、いいか?」

 武器なんだから当然だ。

「もちろんだ」

「ならここで待つ」

「奥に椅子があるから座っててくれ」


 俺はシルバを連れて店を出た。人がいない所で箱庭に転移する。

 さてと、この間作った剣を取り出す。ミスリルだけのはないが、オリハルコンと混ぜた合金ならいいだろう。

 剣帯を青い革で作る。柄の部分には簡単に模様を。時間がないから本当に簡単に、だ。そして銘も剣に刻んで柄と剣帯には型押しで。

 よし、これで約10分。戻ろう。しれっと市場の通路に出ると店に戻る。


 椅子で待ってたその人は俺を見て立ち上がる。そのまま剣の柄を差し出す。

 手に取って剣を抜く。キランとその刃が光った。

「これは…なんて素晴らしい」

「これを試しに」

 太い木を渡す。

 その人は床に木を置いて振りかぶり、


 ザンッ


 木はきれいに真っ二つだ。

 沈黙の後、

「買いたい!いくらだ」


「…いくらだろう?」

「えっ?」

「まだ売る予定じゃなくて値付けが…」

 焦る俺。そこに救世主が来た!

「ヘルフ、いい所に。なぁこの剣はいくらがいい?」

 ヘルフは俺を見て剣を見てその人を見て固まった。

「はっ…い?」

 なんだ?

 その人が首を振っている。ん?


「そ、その…斬れ味は?」

「凄いぞ!」

「金貨10枚…」

「はぁ?高いだろ?」

「いや、リオ…俺が思うに、これでも安いぞ。その剣帯もだろ?」

「高いだろ?せめて金貨5枚だ。それでも高いと思うがな」

「しかし、リオ…」

「金貨10枚払おう。それよりも高性能なら追加で払うぞ」

「低い性能なら?」

「大丈夫、あり得ない」

「私もそう思うぞ」

「分かった、じゃあそれで」


 その人は躊躇なく金を出して渡してくる。

「あ、少し貸してくれ」

 ヤバい。付与し忘れてた。取り敢えず防御と斬れ味と、魔法耐性と反射と頑丈としなやかさ辺りかな。あ、防汚と刃こぼれ防止も付けとこ。

「これでいい、ありがとな?」

「こちらこそだ。あぁ、私はジルと言う」

「リオだ」

「しばらくしたら戻るから、また会おう」

「おう、気をつけてな!」


 初めての客は太っ腹だった。


「ヘルフおはよう。いい所に来てくれて助かったぞ」

「おはよう、そうか…知り合いでは、無いよな?」

「あぁ、出かける予定があるが剣がダメになったらしくて」

「それで店が開いてるかもと市場に来たのか?」

「そのようだな」

「剣も置いてたのか?」

「いや、短剣だけだが。作り置きがあったからな」

「なるほど、だからここには無いんだな」

「あぁ、それにしても金貨10枚は無いだろ?高いぞ」

「いや、むしろ安いかと…最後にしてたのは?」

「もちろん、付与だ。出来る範囲で付けたぞ」

「ちなみにどんな?」


「取り敢えず防御と斬れ味と、魔法耐性と反射と頑丈としなやかさ辺りかな。あ、防汚と刃こぼれ防止も」

「…何て?」

「だから防御と斬れ味と、魔法耐性と反射と頑丈としなやかさ、防汚と刃こぼれ防止だ。やっぱり少なかったか?」

「多いだろ!反射って何だ?刃こぼれ防止なんて聞いたこと無いぞ?」

「ん?そうか?反射は受けた力を返すだけだし、刃こぼれ防止はないと手入れが大変だろ?剣にはマスト付与だぞ」


 リオノールの知識はルシアーノからのものなので、やっぱりやり過ぎている。

 自覚はないが。



 主なら他にも対衝撃とか魔力を乗せたりとか…斬撃もあったな…俺もまだまだだ、なんて思っていた。


「…分かってはいたが、やっぱり凄いな。この短剣にも付与が?」

「防汚と斬れ味上昇と魔法耐性と刃こぼれ防止だけだ」

「充分だ。それに柄の模様の繊細なこと…なんと美しい」

「柄は樫を使っている。もちろん防汚が付与されてるぞ。助言にしたがって小金貨10、金貨1枚にした!」

 ヘルフは黙ってしまう。

「高いか?」

「いや、大丈夫だ。買うぞ!」

「おっマジか。やりぃ。なら知り合い特典で魔石付けてやる」

「魔石?」

「魔力を込められるだろ?」

「…」


「どれがいい?剣帯の色は選べるぞ?」

「たくさんあるな?」

「まぁな頑張ったからな」

「どの色がいいか迷うな…」

「そうだな、ヘルフは白か緑かな?」

「なら白にする。素材は?」

 そこで剣の素材を伝えてないことに気がつく。


「説明する。剣はミスリルとオリハルコンの合金だ。柄は樫で強度を上げてある。剣帯はアイアンリザードの表皮だ。剣帯兼用のベルトはアイアンリザードの真皮。ちなみにそこにあるベルトに付けるポーチは、空間拡張100倍で時間遅延10分の1だ」


「…」

 しばらく沈黙した後

「で、いくらだ?」

「だから短剣は金貨1枚、剣帯付き。ベルトは別だ」

「待て待て待て、安すぎる!オリハルコンだと?」

「たくさんあるからな」


 そう言う問題じゃない、と思ったヘルフだった。


リオノールの所持金


銀貨29枚

金貨200枚


収入


剣 付与ましまし 金貨10枚



オリハルコン…超がつく貴重な鉱物

樹海ではそこまで苦労せずとれるらしい



※読んでくださる皆さんにお願い※


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