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長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


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19.外食は楽しい

 ヘルフに連れられて街を歩く。これから夕食時だからか、人が多くて賑わっている。

 ルシアーノは人嫌いでは無い。引きこもりなだけで。でも親しくなると長生き故に喪失感があってやはり、いつまで経っても慣れないのだ。


 それで引きこもった。結婚して子が生まれても皆先に逝ってしまう。その寂しさはリオノールには分からない。

 知能は高くても所詮は人ではないのだから。

 だから主がどれだけ引きこもろうと何も言わず側にいたのだ。


 エリー(リオノール)に街で準備をして、と言ったそれは親しい人を作らないため。ルシアーノなりの長い生に対する抵抗だ。

 でもリオノールには関係ない。それにヘルフはいいヤツだし、付き合って損はないと判断した。



 損がないのはヘルフの方だったりするが、リオノールは知らない。



 着いたのは店の外にも机と椅子が置いてある酒場で、これならシルバでも大丈夫だ。

 外の椅子にヘルフと座ると店員が出て来て

「飲み物は?」

「私はワインを、彼にはレモン水を」

「ごゆっくり」

 店員が店に戻って行く。料理は?

「食べ放題なんだ、中にある皿から取るんだよ?食べ残しはダメだが」

 バイキング方式か、それならシルバにも少し分けられるか。

「従魔の料金も払うから好きなだけ食べさせたらいい」


『たくさん取ってこい』

 シルバからすかさず念話がきた。だよな、分かったよ。

 ヘルフと店に入る。賑わっている。あちこちで乾杯!と言う声とジョッキをぶつける音がする。

 俺たちは皿を持って料理を取っていく。

 肉は必須だな。魚も食べたい。野菜も欲しいし、パンもだ。スープと果物もあるのか…


 一度皿を置いてまた取りに行く。ヘルフも同じだ。

「シルバの分も取るか?」

「あぁとにかく山盛りに」

 笑って手伝ってくれる。

 こうして4枚の皿に山盛りの料理を取って椅子に座る。

「「いただき!」ます」

 まずは野菜。うん、まぁまぁ…肉…ん?スパイスかな。美味しい!魚…ホクホクしてる。スープ…沁みるな。シルバもミーシャも良く食べる。


 結局4回お代わりしてやっと満足した。俺はそこまで食べてないけどな。

 ヘルフも3回お代わりしてたぞ?良く食うな。

「昨日から色々とな。疲れてるみたいだ」

 それは大変だ。



 リオノールは自分が疲れの元凶であることを知らない。



 食べ終わると解散だ。

「ご馳走様だ。ありがとな、シルバの分も」

「あれだけ貴重な薬草を譲って貰ったんだ、これくらい大したことじゃない。それにポーチもな」

「いいヤツだな、店にも来てくれよ!」

「あぁ必ず行く」

 背中を向けてから

「そうだ、なんか疲れてるって言ったからな。これ、食事のお礼だ」

 渡すだけ渡してじゃあなっと手を振って宿に帰った。



 屋敷に帰ったらヘルフリッチが高価な薬草茶に目を剥くのはまた別の話。1杯◯万円…の代物。



 満腹だ。すぐ寝たいけど…主から必ず毎日お風呂に入れと言われている。仕方ない、箱庭に行くか…ふわぁ…眠い。

 そして箱庭でお風呂に入ってそのまま箱庭で眠ったのだった。


 目が覚めた。あれ?箱庭…お風呂に入ってそのまま寝たみたいだ。

 まぁいいか。宿に帰ろう。

 箱庭から出て宿に戻る。時間は7時か、朝食を食べよう。


 市場は食べ物を扱うこともあり、朝は7時から始まる。代わりに夕方5時に閉まる。

 売る品物からすると、早くても売れないだろう。

 今日は初日だし、準備もあるから早めに出発だ。


 宿の食事は初めてだ。すでに食堂には人がいた。

 椅子に座ると女将とは違う男性が食事を運んで来る。

「お前が昨日来た子だな、俺はここの主人だ」

「よろしくな!明日まで世話になるリオだ」

「お代わりもあるぞ!たくさん食べろ」

「おう!」


 そう答えて食べ始める。上手いな…卵料理がなかなかだ。スープもあっさりしてて朝にはちょうどいい。パンもふわふわだ。

 出された分を食べ終えて席を立つ。

「足りたか?」

「充分だ、美味かった」


 話を終えると部屋に戻る。シルバとミーシャにはポーチからブラックベアの肉を出して焼いてやる。

 ガツガツ食べてた。お前ら食事いらないだろ?


「美味いからな」


 気持ちは分かるがな。食事は娯楽だ。

 さて、市場に行くぞ!


 外はもう人が動き始めていた。市場に向かう人、仕事に向かう人、屋台で朝食を取る人。

 賑やかな通り沿いに進み、市場に入る。入口でギルドカードを見せると店の場所を書いた紙を渡される。


 うんと、真ん中付近か?

 通路に番号がふられている。進むと自分の区画が見えて来た。

 ここか…角だ。まだ隣はきていないな。

 机と椅子は備え付けだから配置を決めて動かす。人がいないから魔法でサクッとな。

 区画に入って人が見れるように少し中に机を配置した。横長にして通路幅だけを開ける。

 机の上には布をかけて、そこの垂れ下がった所には店の名前だ。


 机の上は奥に向かって少し高くなるように段を付ける。これで見やすいだろう。

 値段は付けないから聞いて貰う。

 左に武器、真ん中が時計、右が装飾品だ。

 並べるといい感じだ。


 最後に店の小さな看板を机に載せて完成だ。入り口の幕を降ろして作業をしていたから人からは見えない。

 店を開けるのはこの幕を上げればいい。閉めるのは幕を降ろす。

 まだ周囲の幕は降りてるからもう少し待つか?でも用意出来たし開けるか?


 まだ朝8時、でもまぁ暇なら何か作ってもいいしな。それでも暇ならシルバでももふっておこうと思ったリオノールだった。




コウモリのリオノールはお風呂は入らなくていい派

出店準備…疲れたぜー



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