16.商品作り
ストックが少ないので土日は投稿休みます…
折りたたみ椅子を買ってから市場を出て宿に歩いて行く。明日から市場に出店するから他にも商品を作ろう。
短剣と時計は形を作ったから仕上げと、後はアクセサリーかな。
宿に着くと
「お帰り。薬草は売れたのかい?」
「あぁ、助かった」
「なら良かったさ」
そう言ってパタパタと奥に戻って行く。
俺は部屋に戻ってそのまま箱庭に入った。宿の部屋だと落ち着かない。
部屋の音だけ拾えるように超音波を定期的に流しながら箱庭で作業だ。
まずは短剣。形はもう出来上がっている。あとは細かい装飾と、せっかくだし店のマークを入れよう。
マーク、マークか…俺ならコウモリだけど。隣のシルバを見る。緩く尻尾を振っている。
ミーシャは肩にある毛玉にしか見えないからモチーフとしてはシルバかな?
横から見たシルバの形をモチーフとして、頭文字のRを入れる。
ルシアーノもリオノールもRだ。俺はEだけどな。
よし、店のマークが出来た。机に引く布の前垂れ部分にもマークを入れる。後はテントに掲げるか?いや、やり過ぎか。
剣の根元に銘を刻もう。Rだけでは寂しい。
「rionour」
いい感じだ。ごく小さく刻まれた名前。これぞ、ステータスってな。へへっ。
そして柄の部分。
マークを柄の部分に焼印にして押す。柄には少しだけ飾りの彫り込みを入れよう。月桂樹の葉をイメージして彫り込んでいく。これは手作業だ。
リオノールは手先が器用だ。コウモリなのに?って思うかもしれないが、とにかく器用なのだ。
それで彫っていく。満足して、少しずつデザインを変えながら。
柄の彫り込みが終わると次は剣帯。こちらはシンプルにマークだけ。
アイアンリザードの表皮で作る。そのままだと色が黒っぽくて地味過ぎか?
なら色をつけよう。一度色を抜いて着色すればいいだろう。白、黒、青、赤、緑、茶。こんなもんだな。
剣帯用とは別にベルトも作る。こちらはアイアンリザードの真皮だ。細くして代わりに長くすることで2重にしてポーチや水筒を付けられる。オサレだ。
もちろん、剣帯と色を合わせるようにカラバリも豊富に。
ベルトに鞘を付ける派の人もいるからな。長さと太さも選べるように数種類作る。
あ、革繋がりでベルトに付けるポーチも作るか。採取用の縦長で腰の後ろに付けるヤツ。それだけだと容量が小さいから空間拡張を付けよう。
ルシアーノの能力だと無限になってしまうからな、俺が付与するぞ。ルシアーノほどじゃないが500倍までなら苦労せずに付与出来る。サイズ的に100倍でいいだろう。
そうそう、せっかくだから時間遅延も付けるか。やり過ぎは良くないからな、10分の1くらいで。よし、出来たぞ。
さて、次は時計。種類は懐中時計と腕時計。
懐中時計は作ってあるから鎖と、後は装飾だな。
先ほどのマークを時計に刻印する。銘も一緒にな。裏側に、さりげないオサレだ。ドヤッ。
で、表にはまた月桂樹のカービングを施す。デザインをこちらも少しずつ変えて。
次は腕時計。こちらも裏側にマークと銘を刻印する。そしてバンド部分にも銘を銀箔で型押し。
そしてもちろんバンドはカラバリ豊富に。選べるっていいよな。
リオノールは空間拡張の付与は標準で10倍。高性能でも50倍であることを知らなかった。
なんせルシアーノだと容量無限で時間停止が付く。もちろん標準で、だ。
だから抑えたつもりでもまだやり過ぎている。それを知らないリオノールだった。
後は、ラピスラズリがあるからこれでアクセサリーを作るかな。女性でも買えるものはあった方がいい。
世の中、女性の方が強いらしいからな。
世の摂理には従う派なのだ。
ネックレスにイヤリング、指輪、ブレスレット。
ネックレスは涙型でラピスラズリは敢えて小さめにして。可憐ながらも鮮やかな青が高貴だ。
イヤリングも小ぶりのラピスラズリを使うが、こちらはロングタイプとポストタイプ、短めの3種類だ。
ロングタイプは細いチェーンの先にラピスラズリを繋げる。ゆらゆらするのが良い。
ポストタイプは小さく控え目に。お値段も控え目だから買いやすい。
短めのは金具に直接ラピスラズリを繋げる。耳元で小さく揺れる。
指輪は細くて華奢なタイプと幅のあるゴツメの2種類。敢えて内側にラピスを嵌め込んで、表は少し捻りを入れたデザインに。
一応、外側にラピスを小さく嵌めたものも作った。
シンプルな平打ちリングも作る。
そしてもちろん、サイズ自動調整機能付き。自分に最適なサイズに調整する。
ブレスレットはチェーンの一部をラピスで繋げる。主張し過ぎない奥ゆかしさがポイントだ。
俺はさり気ないオサレが分かるコウモリなのだ!ドヤっ。
長さの調整が出来るようにスライダー付き。
やっぱり男性用も作るか。チューカーとバングルだな。
チョーカーは紐をアイアンリザードの表皮で、トップは羽の形にして小さなラピスを嵌め込む。
バングルは高さ3cmくらいで屋号とマークを刻印して、その近くに小さなラピス。
ついでに防御も付与しとくか。魔法反射付けて、ラピスに触ると防御シールドを自分の周りに張る。
それなら短剣にも付けとくか?柄の部分をくり抜いてラピスを嵌める。魔法反射だけ付与。
なら女性用のアクセサリーと時計にも付けるか?
うん、いいね。あれば便利だろう。
金具は全てミルリルとオリハルコンの合金。銀色が艶めいている。
そして、もちろん銘を金具の内側に刻んだ。
ネックレスとブレスレットは留め具に、イヤリングは銘を刻印したタグを付けて、指輪は表に刻印。
それでリオノールブランドの出来上がりだ。
お店の名前もRionour
かっちょいいよな!とご満悦のリオノールだった。
魔法防御や防御シールドなんて一流の魔導士でも簡単には出来ない。そこまで魔法が得意ではないリオノールだが、まぁこの程度なら魔法の苦手な俺でも出来ると思っている。
さらに、ミスリルは貴重な鉱物だ。それを武器では無くアクセサリーに使うなんてあり得ないのだが…樹海の山で簡単に採掘出来るため、感覚がバグっているリオノールだった。
ラピスラズリだって凄く貴重だ。小指の爪の先ほど、3mm角でも小金貨1枚するくらいだ。
リオノールが使ったのは小指の爪ほどのサイズ。だいたい6×10mm。
実はこちらも盛大にやらかしているのだった。
もちろん、本コウモリは知らない。
手先が器用でものづくりが好きなリオノール
やり過ぎだとは全く思ってない
比較対象はルシアーノだから…
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