表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/101

15.依頼達成の報告

 周りに人がいないことを確かめてリオノールは箱庭に入った。

 そこの家に入ると冷蔵庫から果物とパンと肉を出す。

 果物は洗って丸かじり。パンと肉はオーブンで焼いて食べる。


 食べなくても大丈夫だがやっぱり食事は美味しい。

 食べ終わると少し昼寝をする。ベットに転ぶとシルバが側に来て寄り添う。

 そのもふもふな体を撫でながらうとうととした。


 1時間ぐらい寝ただろうか。

 さて、帰るか。

 ギルドに依頼の達成報告だ。


 風魔法で飛ぶように森を抜けると北門から街に入る。

 そのままギルドに向かって歩いて行く。

 まだ午後2時半くらい。人がたくさん歩いていてなんだか見ているだけで楽しい。

 やがて探索者ギルドの建物に着いた。

 扉を開けて入ると閑散としている。依頼達成にしてもまだ時間が早いのだろう。

 俺はおっさんのいる窓口に行って

「依頼達成の報告だ」

 おっさんは頷いて

「ギルドカード」

 といって手を出すのでポーチから取り出してその手に乗せる。


 機械に差し込んで

「薬草の採取だな?ここに薬草を出してくれ」

 トレイを取り出す。

 俺はそこに木の実と薬草、キノコを乗せる。

 木の実もキノコも食用にもなるが、俺が採取したこれらは薬としても使えるものだ。

 ダメだと言われたらひっこめればいい。

 おっさんは

「チルの実と霊薬になるキノコか…後はネム草だな」


 トレイを調べながら呟いて

「うん、大丈夫だ。採取の依頼が銀貨2枚、薬草は全部で銀貨10枚だ」

 あれ?けっこうな金額になったな。

 首を傾げていると

「チルの実はこの時期にしか採れない。キノコは霊薬としての価値が高い。お前の採取したこれらは鮮度も状態もいいから高い値段が付いた」


 そうなのか、まぁ貰えるもんは貰っとけばいい。

 俺は銀貨12枚を貰って窓口を離れた。

 すると

「おい、お前。何でそんなに高い依頼料を貰ってるんだよ!可笑しいだろ。俺たちは同じ依頼でたったの銀貨5枚だったんだぞ」

 絡まれた。だから何だ?鮮度も状態もいいからだろ?盗み聞きしてたら聞こえてんだろう。

「あぁ?知らねーよ、どうせクズみたいな薬草採って来たんだろ?俺に文句言うなよ」


 絡んできたのはまだ少年、といってもリオノールの方が幼い設定だ。

 およそ15才くらいだろうか。

 顔を真っ赤にして怒っている。それもそうだろう。明らかに年下で一見、弱そうなリオノールにすごめば怖がると思ったのだから。

 少年たちだって分かっている。それでもなかなか稼げずに焦っていたのだ。

 そこに現れたのがリオノール。自分たちより年下で、者弱そうなのにあっさりと高額の依頼料を貰っていたのを見てどうしても許せなかった。


 なのに帰ってきたのはクズみたいな薬草を採取したんだろ、という言葉。

 思わず激高してその自分たちより明らかに幼い少年の胸倉を掴む。

「あぁ、お前いまクズみたいって言ったのか!」

 リオノールは鼻で笑う。

 コイツら弱いくせにぎゃあぎゃあうるせーな。

 後ろにいたシルバに

(脅かしてやれ)

 と念話を送る。


 リオノールの後ろから出てきたシルバは獰猛な顔をして

「ぐるぅあ…」

 と唸るとリオノールの胸倉を掴んでいた男に牙を向いた。

「ガウッ」


 男たちはシルバを見て顔を青くして震え出した。

 俺を掴んでるヤツはシルバに体当たりをされてよろけ、尻餅を着いた。ごく軽くだぞ?本気で体当たりしたら殺すからな。

 そして

「えっ、えっ、えっ…うわぁぁぉ」

 ったくうるせーな。俺は男の顔に風魔法をぶつけた。男はぐわぁっと声をあげて扉まで吹っ飛んでいった。


 俺とシルバはその横を堂々と通り抜けてギルドを出た。

 あー面倒くせー。シルバに唸られただけでびびるとか弱すぎだろ。


 リオノールはシルバは()()()()強いと思っている。比較対象がルシアーノだから仕方ないのだが、銀狼は魔獣の頂点に君臨する絶対王者だ。

 それをリオノールは知らない。

 コウモリの状態でガチで戦って勝ったり負けたりしてるから余計にそう思っていた。

 リオノールも人から見たら災害級に強いことも知らない。


 ギルドは騒然としていた。

 今、何が?

 リオノールが魔法を使ったことを認識出来なかった彼らは、だから唖然としていたのだ。


 リオノールはそのままぶらぶらと散歩をしていた。

 何か買い食いするかな?

 公園に出ている屋台を覗くか?

 いや、市場を見に行こう。

 明日から出店するからな。


 シルバと一緒に市場に入って行く。

 手前は日用品だ。食器やカトラリーが並ぶ。

 その横は服、普段着とか探索者用のものも売っている。

 その奥が武器関係。

 剣とか盾とか防具などが売ってる。

 他には探索に必要な保存食とか水筒、雑貨などが売ってるようだ。


 俺には箱庭があるからな…。

 でも箱庭に入れない時もあるか?

 ポーチには一通りの野営道具があったと思うが、何かいいものでもあるかな。


 流し見していく。

 すると折りたたみの椅子を見つけた。

 どうやら畳めるらしい。

 これはあったら便利か?


 近づいていくとまた若い男が売っていた。

「新作だぞ!座ってみるか?」

「いや、いい。畳んだ状態が見たい」

「おう、こことここを持って、こうだ!」

 背もたれと座面を持って折りたたむ。簡単だな。

「いくらだ?」

「銀貨4枚だ」

 木は檜か…耐水性に優れているな。

「買う」

「おっマジか?やりぃー!」

 嬉しそうだな?

「新作だし、まぁな…安くはないしな」


 銀貨4枚、そうなのか?まぁ今は金もそこそこあるし問題ない。

 銀貨4枚を払って折りたたみ椅子を受け取る。ポーチに入れると店主が驚いていた。

「空間拡張か…ありがとよ」

 手を上げて店を離れる。


 ルシアーノなら魔法で簡単に作れるんだろうが、流石にリオノールにはそこまで出来ない。

 買って済むなら買えばいいさ。


 そのまま市場を流してから宿に帰った。


 リオノールの所持金


 銀貨29枚

 金貨20枚


 収入

 猫の捜索 銀貨1枚

 薬草採取 銀貨12枚


実はリオノールは強い系のコウモリv



※読んでくださる皆さんにお願い※


面白い、続きが読みたいと思って貰えましたらいいね、やブックマーク、↓の☆から評価ををよろしくお願いします♪


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ