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長生き魔法使いは暇を持て余す  作者: 綾瀬 律


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10.リオノールの話

後書きにリオノールのイメージイラスト載せてます…



 部屋に入ってソファに向かい合って座ると執事が紅茶を入れてくれた。


 塔でルシアーノが飲んでいるのは貴重な薬草茶だ。効能もあり爽やかな味がなかなか美味しい。

 リオノールはその薬草が一束小金貨1枚で取引されていることを知らない。

 だいたいカップ1杯で2束使うのだが。


「君は森人なんだよね、樹海から出るのは初めてかな?」

「うん、初めてだよ」

「その、君はとても強いと思うんだが…何故大人しく捕まったんだ?」

「いやなんか面倒だし…」

「そうか…」

 何か問題なのか?

 しかしヘルフはその話を終わらせて

「その、やはり樹海は貴重な薬草などがたくさんあるのだろ?」

 と聞く。

「みたいだな」

 リオノールからしても雑草のようなものなので歯切れが悪い。

「みたいと言うのは?」

「そこら辺にあるから、有り難みがない」

「あぁそういう…ちなみに今持っていたりは?」

「うん、あるぞ」


 リオノールは1番貴重では無さそうな雑草もとい薬草を取り出す。

 それを見てヘルフが固まった。

 あれ?普通すぎた?それなら、と違う薬草を取り出す。

 あれ?反応が薄いなぁ…。と思っていたら

「な、なんて貴重な薬草…」

 あれ?そうなのか?

 首を傾げる。

「兵士の為にそれを私たちに売って貰えないかな?」

 雑草(薬草)でいいなら。もっと効能が高いものもあるけどいいのか?

 困惑した顔をすると

「いや、そうだよな。そんな貴重なものを…」

「いいぞ。たくさんあるし」

「いいのか!ありがとう」


 リオノールは少しビックリした。そんなに?身を乗り出すほどなのか?

「たくさんあるが、本当にこの()()()薬草でいいのか?」

「他にも?」

 俺は頷いて()()貴重な薬草を取り出す。妖精の涙程ではないし、塔の周りではわんさか自生している。

 確か欠損した体、腕とか足とか内臓とかが再生する薬が作れるんだったか?

 ポーチから取り出すとヘルフがまた固まった。

「そ、それは…」

 薬草の名前、なんだっけ?

(天使の微笑みだろ?)

 ミーシャが無駄にいい声の念話で言う。

 あぁ、そうそう、そんな名前だ。


「天使の微笑み、だな」

「やはりそうな…なんて貴重な…」

 リオノールはそれがひと束で金貨5枚で取引されていることを知らない。

 蘇生薬にもなる妖精の涙なんて値段がつかないくらいに貴重だ。


「なんとか金は用意するから、それも何束か買わせて欲しい」

 何束か?そんなに少しでいいのか?これってそういえば箱庭にも植えてあったな。牛が美味しそうに食べてたっけか。


 リオノールはその薬草ひと束から作れる薬のほんの一雫で欠損が再生することを知らない。


「もちろんいいぞ」


 こうして盛大に感謝され、ヘルフはいい人だなぁと思ったリオノールだったり


「他にも何か、素材が?」

 もちろんまだたくさんある。魔獣とか魔獣とか…きのこに山菜に…。でも魔獣は仕留めたまんまだからなぁ。


「解体して無いが魔獣とか、後はきのことかだな」

「魔獣は何が?」

 アイアンリザードにブラックベア、マーダーグリズリー、後はアナコンダにキングオーク…魔鳥に、何だっけ?

「ブラックベア、マーダーグリズリー、アナコンダに…」

「待て待て待て、なんだって?」

 ん?

「だからブラックベア、マーダーグリズリー、アナコンダにキングオーク…」

 あれ?何か反応がおかしいぞ?魔獣が弱すぎたかな。それなら魔恐竜ならどうだ?

「プテラスとかイグアノドンとか?」

 あれれ?まだだめ?

「ティラノサウルスとか…」


(おい、意識飛んでるぞ)

 またミーシャから無駄にいい声の念話が届く。

(何でだ?)

 俺も念話で返すと

(少し珍しいからか?)


 少しするとヘルフが復活した。

「俺は何も聞いてない…何も聞こえなかった…」

 なんかブツブツ言ってる。大丈夫か?心配になって顔を覗き込み

「大丈夫か?」

「はっ、いやいやいや。うん、大丈夫。何も聞いてない」

 ?良く分からないがまぁいいか。


 リオノールが言った魔獣は特に凶暴で軍隊の1個大隊およそ100人が討伐するような魔獣で、魔恐竜はもう国を挙げて全力で戦っても勝てるか分からないレベルである。

 もちろん、ルシアーノにかかれば瞬殺だし、リオノールですら時間は掛かるが単独討伐出来たりする。

 だから弱すぎ?とか明後日の方向に考えるのだが、世間知らずな聖獣たちはそれを知らない。


「ブラックベアやキングオークの素材は売ったりするのか?」

「そうだな、俺には必要ないから」

「…」

 魔法を弾くブラックベアの皮は探索者の一種のステータスだ。もちろん彼らは知らない。

 だって塔では入り口に泥よけとして敷かれてるから。


「そ、それも本部に売って欲しい」

「あぁ、もちろんだ」


 ヘルフはこの無自覚チートな少年が危なっかしくて、また貴重な素材だから欲しくもあって何かと力になろうと考えたのだ。


「それで、リオはどうして街に?」

「迷宮に潜りたくてな」

「あぁ、それで」

「うん、生活の為にお金を稼ぎつつレベルを上げて迷宮に潜るんだ!」

「探索者のレベルは中級以上が必要だったな」

「うん、何をしたら早く上がるのかな?」

「満遍なく色々な依頼をこなすのがいいらしいぞ?」

「色々な依頼?」

「あぁ、依頼には採取、討伐、護衛や雑用がある。全てのポイントが一定以上貯まらないと上がらない筈だ」

「へー」


 面倒くせー。ルシアーノは知ってて押し付けたのか?全く…。

 主にやられたと思ったリオノールは盛大なため息を着いた。


 話はそこで終わり部屋に戻って寝ることにした。

 お風呂は箱庭で入った。ふぅさっぱりだ。

 さて、寝るか。


 こうして長い1日が終わったのだった。




貨幣価値

銀貨1枚1000円 ギルドの登録は銀貨5枚

小金貨1枚1万円

金貨1枚10万円


薬草茶は1杯2万円なり


リオノールのイメージイラスト

挿絵(By みてみん)

生成AIで作成



※読んでくださる皆さんにお願い※


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