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僕の住む街は、それなりの人口がいたけど、
毎年、行方不明者になる人が少なくなかった…。
昔は、『神かくし』などと言われた時が、
あったけど、僕は大人になるにつれて、そうでないことを知っていった…。
老若男女が、行方不明になっていく…。
一つ…『オバステ山』である。もう老人を家では、看れない…そんな家族が、老人を遠方に連れていき、置き去りにするのである…。
二つ…『オバステ山』を自身で行う老人である。(ここに、おれば、家族に迷惑がかかる…。)と思った老人が自ら動けるうちに、街を人知れず去っていくのである…。
3つ…子供が人買いに売られて、いなくなっている…。小さい子供だけではなく齢が若いとされる男女も様々な目的で人買いに連れていかれるということを僕は聞いていた…。
4つ…若者に多いが家出である。突発的に、そうする者もいるが、
この世界には、この街と同等、更に大きい街、のどかな村などなど人が住めるコミュニティは、そこそこ点在していた。この街を出て、そこらを新天地と目指し、去って行く者がいたのである…。