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転生した大魔王、地球に出現したダンジョンを作ったのが前世の自分であることを思い出す。 〜魔王時代の知識と経験で瞬く間に世界最強になって無双します!〜  作者: 八又ナガト
第二章 大魔王、因縁の宿敵たちを相手に無双する

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57 臨時パーティー②

 高らかな声がした方向に視線を向けると、そこにいたのは金髪ロングの童顔な少女――ことみんこと、清水琴美だった。

 彼女の登場に、周囲の冒険者たちが沸く。


「おい、あれってもしかしてことみんじゃ……」

「ああ、あのコットンチャンネルのか!?」

「実在してたんだ……」


 その反応を耳にした琴美は、ふふんと得意げに笑う。


「ふっふ~ん! これこれ! わたしもようやく、どこを歩いても注目を浴びる人気者になって来たってことだね――」

「「「あの地獄特訓で、てっきり廃人になってるかと思ってた」」」

「――って、なんかイメージしてた注目と少し違うんだけど!?」


 なんで~! と泣き叫ぶ琴美。

 俺はそんな彼女に話しかけた。


「数日ぶりだな、琴美」

「あっ、蓮夜くん! そうだね、久しぶり~!」

「どうしてここにいるんだ」

「どうしてって、決まってるでしょ!? イレギュラーダンジョン発生なんて大事態にじっとしているわけないよ! わたしが探索者を目指した理由だって、蓮夜くんにはお話ししたでしょ?」

「……ああ。確か、イレギュラーダンジョン解決に尽力する探索者を見て憧れたんだったか」

「そういうこと! パーティーメンバーにお困りなんでしょ? わたしが入って見事に解決だねっ!」


 意気揚々と告げる琴美。

 確かにこれで計4人となったため、ダンジョンに入る資格を得たことになる。


 一応、確認しておくか。


「というわけだ。雫やミツキもそれでいいか?」

「は、はい、もちろんです。その、配信で凄い方だとは知っているので……色々と」

「あたしも大丈夫よ。根性がある人物は嫌いじゃないもの」

「あ、あはは……可愛さと爽やかさで売っているはずなのに、いつの間にか変なイメージがついている気が……」


 琴美が泣き出しそうになっているが、何はともあれ許可は出た。

 これでさっそく、中には入れ――


 その時ふと、俺は琴美がどこかからそそくさと配信機材を取り出すのを見た。


「琴美、それは?」

「聞かなくったって分かるでしょ? イレギュラーダンジョンは危険だし、内部の情報は少しでも多く集めておかなきゃ」

「本音は?」

「イレギュラーダンジョンは良くも悪くも注目を集めるから、サクッと攻略するところを見せつけて、これを機にコットンチャンネルの登録者数を伸ばす!」


 何というか、頼もしい限りだ。

 俺がそう感心していた直後だった。

 スッと、瀬名が琴美の前に出る。


「申し訳ありませんが、イレギュラーダンジョンでの配信は規則で禁止されているので控えていただけると……」

「ええっ!?」

「何が起きるか分からない未知の世界ですから。あ、ですが録画を行い後で探索者ギルドに提出することでしたら大歓迎です!」

「……自分のチャンネルに投稿は?」

「もちろんダメです」

「そ、そんな~~~」


 シクシクと涙を流して悲しむ琴美。

 ――と、こうしている場合じゃない。


「ただでさえ出遅れているんだ。さっそく中に入るとしよう」

「はい」

「ええ」

「おっけ~」


 こうして俺たちは、ゲートをくぐり中に入った。

 中は一般的なダンジョンと大して変わらない光景が広がっていた。

 見る限りでは、環境的な特殊ギミックは存在しないようだ。


「ここがイレギュラーダンジョンなんですね。初めて入りました」

「警戒し続ける必要があるわね」

「仕方ない、こうなったら録画して、ギルドの好感度を上げよっと」


 三者三様のリアクションをする三人。

 そんな中で俺はというと、内心でかなりワクワクしていた。

 なにせ、


(これまでのダンジョンは自分の作った仕組みの上でしか活動できなかったが、今回は別だ! 何も知らないダンジョンを一から攻略できる!)


 ということだった。

 知らない魔物やギミックが出てくる可能性があるとなると、楽しまない方が損というものだろう。

 ただ、


「この感覚は……」


 中に入った瞬間から、少しだけ得体のしれない感覚があった。

 懐かしいような、そうでもないような。

 さらに気がかりな点として、内部からは複数の強力な反応が見て取れる。

 この中のどれかがダンジョンボスなのだろうか。


「どうかしましたか、蓮夜さん?」

「いや、何でもない。それより先を急ごう」


 心配そうに尋ねてきた雫にそう断り、俺たちは探索を開始した。

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