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転生した大魔王、地球に出現したダンジョンを作ったのが前世の自分であることを思い出す。 〜魔王時代の知識と経験で瞬く間に世界最強になって無双します!〜  作者: 八又ナガト
第二章 大魔王、因縁の宿敵たちを相手に無双する

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50 噂と再会

 琴美とのコラボ配信から数日。

 俺はガレリス中級ダンジョンの深層にて、黙々と経験値稼ぎに励んでいた。


 突如、地面が震動し暗闇から巨大な影が現れる。

 それは鋭い牙と爪を持つ、獣型の魔物だった。



 ――――――――――――――


影狼シャドウ・ウルフ

 ・討伐推奨レベル:80


 ――――――――――――――



 【影狼】。

 討伐推奨レベルは80となかなか。

 全長4メートルを超える漆黒の体から放たれる威圧感は、並の探索者なら足がすくむほどだろう。

 しかし当然、俺にとっては大した敵ではない。


「いくぞ」

『はい、主様』


 俺は静かに呟くと、魔剣グラムを召喚した。

 同時に身体強化を発動し、いつでも瞬時に動けるよう身構える。


「グルゥ!」


 影狼が唸り声を上げ、俺めがけて飛びかかってきた。

 その動きは俊敏で、鋭い牙が俺の喉元を狙う。

 だが――


「遅いな」


 呟きと共に、俺は軽々とその攻撃を躱した。影狼の牙が空を切る。

 その瞬間を逃さず、俺はグラムを振り抜いた。


「はっ!」


 一閃。

 鋭い斬撃が影狼の首筋を捉え、そのまま刎ねてみせた。

 影狼は悲鳴を上げることもできず、ゆっくりとその場に崩れ落ちる。


『レベルアップしました』


 すると、討伐を証明するレベルアップ音が鳴り響く。

 俺はここで、現状のステータスを確認することにした。



――――――――――――――――――――


 神蔵 蓮夜 20歳 レベル:70

 職業:なし

 攻撃力:247

 耐久力:228

 速 度:251

 魔 力:265

 知 力:265

 スキル:上級魔術適性(火)Lv7、魔力凍結Lv4、操血魔術Lv1、鑑定


――――――――――――――――――――



 レベルが70に到達しているのを見て、小さく頷く。


「よし、これでひとまずのラインに乗ったな」

『主様、ラインとは何のことでしょう?』

「ああ、実はな――」


 俺はグラムに向かって説明を始める。

 俺の現在の目標は中級ダンジョンのボスを倒して上級に行くこと。

 ボスを倒すにはレベル100以上のパーティーが推奨されており、挑戦前に70までは上げておこうと考えていたのだ。


『ということは、このまま攻略に向かわれるのですか?』

「それも悪くないが……一旦引き返そう。合間に作った魔術石も売りたいしな」

『そういえば、そのようなものも作られていましたね。しかし驚きです、まさか主様自ら、魔道具作成のような下々のすることを実行なさるとは――』


 グラムの傲慢な態度に、俺は呆れながらも呟く。


魔力凍結エネ・ゼロ

『ぐはっ! な、なぜ、突然……』


 コイツはお金というものがどれだけ大切なのか知らないのだろう。

 生意気な口はこうして塞いでおくことにする。


 とまあそんなわけで、俺はダンジョンを後にし、探索者ギルドに向かうことにしたのだった。



 ◇◆◇



 探索者ギルドに足を踏み入れた瞬間、異様な空気を感じ取る。

 周囲から注がれる視線が、いつもと明らかに違っていた。


「あれ、あの人……」

「動画に出てた奴だよな?」

「すげえ、本物だ……」


 耳に入る囁きの数々。どうやら琴美とのコラボ配信で、少し目立ちすぎたようだ。


(まったく、面倒なことになったな)


 そう思いながらも、俺は平然と受付嬢の瀬名のもとへと歩を進める。

 すると、瀬名が少しぎこちない笑みを浮かべながら話しかけてきた。


「神蔵さん、お久しぶりです。なんだか大変なことになっているみたいですね」

「知っているのか」

「もちろんです。数日前から、探索者の間ではその話題で持ちっきりですから」

「……みたいだな」


 俺は周囲の噂を改めて聞きながら、静かに答える。


「ギルドにもう顔を出してもらえないんじゃないかと心配してましたよ」

「そうか……目的は魔道具これだよな?」

「っ! お待ちしておりました!」


 用意していた魔道具を渡すと、瀬名が満面の笑みで感謝を告げる。

 以前から何度か聞いた話ではあるが、異世界の知識をもとに俺が作った魔道具は効果抜群で売れ行き好調なため、ギルドとしても待ち望んでいたらしい。


「さて。目的も達成したし、今日は帰るとするか――」


 そう思った直後だった。


「蓮夜さん!」

「……ん?」


 声をかけられ振り返る。

 そこには、クリーム色の長髪が特徴的な少女――蒼井雫あおいしずくが立っていた。

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