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覚悟

明け方、ジンは目を覚ます。


ジン(あまり良く眠れなかった…が気にしている暇はないな……こいつらが起きる前にここを発たなければ…)


ジンはさっさと身の回りの支度を、といってもほとんどないが済ませて、扉に手をかける。


ジン(とりあえず街に出て、情報収集だな…………最後に…お礼ぐらいは言っておくか)


ジンは寝ている二人の方に向き直り、小声でつぶやいた。


ジン「世話になった…ありがとう」


そういってジンは外に出た……はずだった


アリス「どこに……行くんですか?」

グラン「あ!もしかして狩り?」


二人の言葉にジンは足を止める


ジン(ちっ……わざわざ声に出す必要なかったな)


ジン「違う…ここを出ていくんだ…じゃあな」


グラン「な、なんで!?」

ジン「なんでだと?元々お前の姉を治して、この世界について聞く。それだけの関係が昨日終わったからだ。俺は行くべきところがある。」

グラン「じゃ、じゃあ俺たちも連れてってよ!!」

ジン「ふざけるな…何故俺がお荷物の子供二人抱えて旅しなきゃいけない。言ったはずだ。甘えるなと」


ジン(そうだ…大事なのは金やお互いの利益だけのために動く仲間だ。それなら裏切りなどは割りきれる。だが情だのプライドだので動く仲間は別だ。互いに利益にならない。俺の危険も高まる。)


アリス「な、なら1年間!1年間だけ私達を育ててください!役に立てないのが理由で旅に連れていけないなら、その期間に強くしてください!」

ジン「………お前自分が何言ってるかわかってんのか?それこそ俺にメリットないだろ」

ジン(いや待てよ……今俺には知り合い、ましてや信頼できる奴がほとんどいない。ならこいつらに恩を売って更に俺がちゃんと育てればそこそこの駒になるんじゃないか?特に小僧に関しては約束も守ったから幾分かは信頼できる……)




ジン「…………いくつか質問するぞ…親もとい保護者は?いないなら理由は答えなくていい。」

アリス・グラン「「いません!」」


ジン(身内なし……か)

ジン「各々の能力(スキル)は?」


アリス「ではまず私から、私の能力(スキル)は『心の氷(フィンブル)』!氷魔法を使えます!」

ジン(属性能力(スキル)ってやつか………)


グラン「姉ちゃんの氷魔法は多くの能力(スキル)の中でもトップクラスに珍しい能力なんだよ!」

アリス「えへへ…それほどでも………」

ジン「んで…小僧の能力は?」

アリス「そのことなんですが……話さなくても良いですか?」

ジン「は?」

グラン「いいよ姉ちゃん……自分で話す……俺の能力(スキル)は『剣士』……」

ジン(剣士?俺の『技術者』と同じで横文字じゃない……恐らく職業系能力(スキル)……)

ジン「で?何ができるんだ?」


グラン「何もできないです!!」

ジン「そうか……………はぁっ!?」

アリス「お、落ち着いてください。今はです!今は何もできないだけなんです!

説明しますと『剣士』は職業系スキルに分類されます…がその中でも珍しく、『剣士』系は属性能力(スキル)と同じように小範囲ながら魔法が使えるのです!剣に魔法が付与されるなど人によって異なりますが」

ジン「なるほど」

アリス「ただ……剣士は役割です。能力(スキル)での剣士は全てに属性があり、それぞれに名前もあります。つまり、ただの『剣士』という能力(スキル)では………」

グラン「何の能力も持たないってこと……」

アリス「で、ですが……能力(スキル)は成長したり進化もします!3年後にはきっと!」

ジン「もういい……十分だ」


グランは顔を俯き、涙をこらえていた


ジン「最後の質問だ……お前ら死ぬ覚悟はあるか?知ってる通りこの世界には魔物やら危険が多すぎる。俺といるってことはその危険に身を投じること。特に小僧……お前の場合、今唯一自衛の術を持ってない。もう一度聞くぞ?死ぬ覚悟はあるか?」


グランはただ黙って何かを喋ろうと必死に身体の震えを抑えていた。

アリスはそんなグランを見つめながら彼女自信も答えを出すために必死に考えていた。







グラン「……………す。」

ジン「大きな声で」

グラン「死ぬ覚悟なんてありません!」

ジン「!?」

グラン「例え、死ぬようなピンチでも最後まで生きるために!」アリス「必死に考えて、地面を這いつくばってでも!」




アリス・グラン「「生きてみせます!!」」


アリス・グラン「「だから私達二人をよろしくお願いします!!」」


アリスとグランはこれでもかと言うほど頭をさげた。


その姿を見たジンは少し笑って、口を開いた


ジン「合格だ…よくいったぞお前ら……死ぬ奴が味方にいたら困るからな…………まぁそのなんだ……こちらこそよろしく頼む」


ジンは照れ臭くなったのか顔は合わせず振り返りながらそう言った。


グラン・アリス「やったぁ!!」


グランとアリスは二人して無邪気に喜びあっている。



その後ジンは自分の能力を多少嘘を混ぜつつ話す。彼の精神もまだまだ未熟なようだ。


彼らは今、ようやく人生の道を歩き始めた。


次回 ようやく街に。まさかの彼らも再登場!



ここまでかなり長かった、、、


次回の更新予定は1月26日です。


今回もお読みいただきありがとうございました。

よろしければ感想・アドバイス・指摘等お待ちしております。

まだ評価やブックマーク追加がお済みでない方はよろしくお願いします!!

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