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囚われのアリス




殺し屋は朝早くに目が覚めた。これでも殺し屋の中では長く寝た方である。散歩をしながら昨日自分の身に何が起こったのかを思い返していた。


殺し屋(別の世界はあると、何人もの科学者や研究者が予測していたがまさか、本当にあったとはな)


少し歩いてから小屋に戻り扉を開けると、子供はもう起きていた。


子供「おはよう」

殺し屋「あぁ…」

???「おはようございまーーす!!」


聞き慣れない声に一瞬、殺し屋は驚いたがそれが誰なのかは既にわかりきっていたため取り乱しはしなかった。子供は気にも止めず、肉を食べていた。


殺し屋「ようやく会えたな。いや正確にはようやく話せた…といったところか。具合はもういいのか?」


殺し屋(本来なら栄養失調でたった1日2日安静に過ごしたところで治るわけがないが昨日の小僧の件といい、つっこむ気力も起きないな…)


子供の姉「はい!話は色々と聞きました!本当にありがとうございました!コロシヤさん!!」

殺し屋「そうか…………………ん?」


殺し屋(殺し屋さん?)


殺し屋「娘…なぜそのことを知っている?」

子供の姉「え?だって自分で言ってたじゃないですかー。」

子供「姉ちゃんあの時起きてたの?」

子供の姉「度々起きてたよ?ただすぐ意識飛んじゃったけど…」

子供「そうだったのか…あ!今思ったんだけど俺、名前聞いてない!!」


殺し屋(ついに来たか…俺のこの世界での名前を決める時が…)


なぜ殺し屋が異世界に来たにも関わらず元の世界での本名を使わないのか。それには2つの理由があった。

1つは、自分の本名が嫌いだから

そしてもう1つこれが最も大事である。もし、この世界で目立つ名前を名乗ってしまい、自分が異世界から来たということが世間にバレたら、もう普通の生活を送れはしないだろうと危惧したからである。


殺し屋「小僧、人に名を聞く時はまず自分から…違うか?」

子供「確かにそっか…俺の名前は『ムクゲ』 ムクゲ・グランディール。周りからはグランって呼ばれてた!」


殺し屋(グランディール…ドイツの言葉だな)


子供の姉「では次は私ですね。アリス・トロンプールと申します」

殺し屋(アリス…どちらの名前も欧米っぽいな…てことはそこら辺で名乗るのが自然か)


殺し屋「最後は俺だな…ロイド・ジーンズだ。呼び方は好きにしてくれ」

グラン「じゃあ、ジンさんだ!」

ジン「まぁ…なんでもいいと言ったが…」

アリス「よろしくお願いしますね!ジンさん!」

ジン「あぁ…よろしく頼む。早速だがこの世界について、知ってることを詳しく教えてほしい」

ジン(ようやくここまでたどり着けた)


グランから話を聞いていたアリスはゆっくりとこの世界について、話始めた。


アリス「まずは~」



―――――――――


アリス「~人間には生まれた時、能力(スキル)というものを会得します。

この能力(スキル)は人それぞれ異なり、死ぬまでに他の能力(スキル)が発現することはありません。複数持つ人もこの世界にはいるそうですが、かなり限られているそうです。

例外として能力(スキル)は進化や成長することがあります。

その条件は未だに解明されてないそうです。


そして、この能力(スキル)には種類があります…1つ目が自然の力を再現する能力。『属性能力(スキル)』と呼ばれるもので、一般的に『魔法』と言われることが多いです。


2つ目が職業系能力(スキル)です。これは一くくりにされていますが、種類が多く能力(スキル)の中で最も使いやすいとされています。


最後が固有能力(スキル)です。これは先ほどの能力(スキル)に分類され()()()()ものが当てはまります。さらにこの能力(スキル)は~」


アリスは辺りが暗くなるまで話続けた。

――――――――――――



殺し屋「なるほど…大体わかった…が何故お前はそんなに知っているんだ?……その……いわゆる奴隷……だったんだろ?」

アリス「はい…毎日が雑用の日々でした…ある人に買われたかと思えば飽きたら、売られ、また別の人に買われる日々……ですが、売られてあの檻の中に入っている時だけは…好きな本を持ってきてくれたんです。あそこでだけは不思議と心がやすらぎました。」


笑いながら彼女はそう語ったが、頬はひきつっており当然ジンもそれに気づいていた…


ジン(奴隷なのに本が読めただと?いくら異世界だからってそんなことあるのか?)


ジン「そうか…」


ジンはそう言っただけで励ましたりはしなかった。辺りに静寂が訪れる。

すぐさまグランに話を振ろうとしたが、どうやら寝てしまったらしい。


アリス「と、とにかく今日は本当にありがとうございました!」


沈んだ空気に耐えられなくなったアリスが笑顔でそう言った。やはり顔には嘘がこびりついていた。


ジン「そうやって…今まで生きてきたのか?」

アリス「な、何のことですか?」

ジン「必死に自分の感情押し殺して、相手の顔色だけを伺う…せっかく奴隷から解放された今もだ。………お前生きてて楽しいか?」


また辺りに静けさが戻る


アリス「…………………楽しい訳…ないじゃないですか」


またアリスが口を開く


アリス「…私だってちゃんと笑いたいですよ…弱音だってたくさん吐きたい!でも…1人でいるのはもっと辛いんです……だからどんな仕打ちを受けても相手の顔色を伺うしかなかった!少しでも気に入っていただけるように!……でもやっぱり辛くって…あの時逃げ出しました…逃げ出した後はちょっぴり幸せでしたけど…夜に寝ると過去の嫌なこと全部浮かんできて…誰に弱音を吐けばいいか………」


ジン(ずっと心に溜め込んでたのか……こいつは…強いな。仕方ない少しだけ話を聞くか)


ジン「笑うために、涙を引っ込めるな…泣きたいならちゃんと泣け。そしたら…今度は大笑いできるはずだ。ずっと涙引っ込めてたら世界が霞んで見えちまう。それじゃもったいないだろ?……ほら…今までのことちゃんと話してみろ。」


アリスは年相応いや彼女の見た目からすれば年不相応に子供のように泣き始めた。


初めて吐いた弱音。初めて人に見せた涙。


彼女はこの日泣いて1人の人間として成長した。


――――――――――――


しばらくして、泣き止んだアリスにジンは飴を渡し、アリスもグランと同じような反応を見せた。彼女の笑顔にもう嘘はなかった。


アリス「この子泣き虫ですけど本当は、とっても強いんですよ?」

ジン「全くそうは見えないが……」

アリス「檻から私を逃がす時、たくさんの大人が私達に襲ってきました…グランは死物狂いで私を守ってくれたんです。見ず知らずの私のことを………」

ジン(小僧がそんなに強かったとはな……そういえば小僧とこいつの能力は何なんだ?)


アリスにジンが問おうとするが、彼女は既に夢の中だった。

諦めて眠りにつこうとするジン………だが彼の眠りはある音に妨げられた。













プルルルルルルルル


ずっと点かなかったスマホから電話が鳴った……


ようやく名前を出せた。。。

これから出すキャラもセリフの横に名前が入るようになります。殺し屋→ジンになってしまって少しわかりにくくなってしまいますが、何卒よろしくお願いします。


今回かなり説明があり、異世界の説明もかなり省いてしまったのでそのうち、まとめ話投稿します。


よろしければブックマーク追加、評価よろしくお願いします。

感想・アドバイスなどもお待ちしております。

本日もお読みいただきありがとうございました!


次回の更新は1月23日午後6時を予定しています。


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