殺し屋の能力その1
小僧たちを名乗らせるタイミングが、、、
次々回で出したいと考えています。
それでは第3話です!
どうぞ!
殺し屋「両手をゆっくり上にあげろ」
大男A「へへっ、ちょいと油断しちまったぜ」
殺し屋(なんで全く焦らねぇ…)
不気味な笑みを浮かべる大男に、殺し屋は不安を感じずにはいられなかった。
大男A「俺に近づいたのが運の尽きだったな…カス野郎!」
そう大男は言い放つと、大男の身体が熱くなり始め、違和感を覚えた俺は距離をとった。
次の瞬間、やつの周りを炎が囲んだ
大男A「俺の能力は、紅の雛! 炎は、俺の子供みたいなもんだ、火傷ごときではすまさんぞ?」
殺し屋(やはり、一筋縄では行かないか。近づこうにも奴がどの程度炎を操れるのかが分からん。ならやるべきことは…)
殺し屋「これ以上抵抗すると、命の保障はできねぇぞ?」
そういいながら殺し屋は、懐から銃を取り出した。
殺し屋(距離をとられても、銃を取り出さないってことは奴が銃を持っていないということはほぼ間違いない。さすがに相手が銃を持ってることがわかれば諦めるだろ。)
大男A「なんだそいつぁ?そんなんが俺の命を奪うってのか?笑わせんなよ(笑)」
大男はその場で笑いだした
殺し屋(銃の存在を知らない…? 元の世界じゃガキでも知ってた。てことは銃がない、あるいは銃は本当に一部の人間しかもっていないってことになるな)
大男「おい?どうした?早くやってみろよ(笑)」
殺し屋「あぁすまん、ナイフと間違えた。」
大男「お前、ナイフ使いだろ?ならやっぱり俺の勝ちは揺るがねぇなぁ笑」
殺し屋(本当にこいつよく喋るな…)
大男は油断しているのか一向に攻めてこない。
殺し屋(銃の存在が広まってない世界…ならこの世界で銃を持っていることは圧倒的なアドバンテージ…弾も恐らく製造されてないから、うかつに、使うのはマヌケだな)
殺し屋「いや、すまない…待たせた、、な!!」
不意討ちで一本のナイフを敵にめがけて投げつける。
大男「ぬるいわぁ!!」
大男は炎でナイフを焼き、地面に落とした。
殺し屋「馬鹿が…囮に決まってんだろ!」
もう一度殺し屋は近づき、斬ろうとした瞬間、大男はもう片方の手を殺し屋に向けた。避けようと思えば簡単に避けられる…だが!
殺し屋(この方向は…まずい!)
殺し屋はとっさに蹴りで敵の射線をずらした。
大男「おいおいおいおい!不自然だよなぁ?かわせばいいだけなのによぉ…わざわざ無理してまで射線をずらすなんてよぉ!その小屋に大事なもんでもあんのか?例えばあの女とか…図星だよなぁ!?そのガキと一緒じゃねぇわけねぇからなぁ?」
殺し屋(ちっ!射線のずらしがあからさますぎたか!)
殺し屋は舌打ちをして、相手を見据える。
殺し屋(観察しろ、奴の動作、言動から弱点を探れ!少しでも時間をかせいで!!遠くにいれば火炎放射。最も厄介なのがうかつに奴に近づいても自身を発火させてまた振り出しに戻されることだ。これをどうにかしなきゃな。本当に厄介な能力だ。ん?能力)
殺し屋「当たりだ」
大男「だよなぁ!?なら…くっくっくっ…笑いが止まらねぇ!動くんじゃねえぞ!!ちょいとでも妙な動きを見せたらこの小屋ごと消し飛ばす!」
大男は勝ちほこった顔で高笑いした。
子供「どうしよう!?ねぇおじさんどうしたらいい!?」
今まで隠れて様子を見ていた子供が、口を開く。
殺し屋「小僧!黙って見てろ…」
殺し屋(ようやく思考がまとまった)
殺し屋はまた懐に手を伸ばし今度は『花』を取り出し、宙に投げた。
殺し屋(集中しろ。前は失敗した。だが、今回の目的地は目の前…今度は…外さない!)
殺伐とした空気とはあまりにも似合わないその物体は見るものの思考を少しだけ停止させた。
殺し屋「Go my way…」
その日、殺し屋は能力の扉を開いた。
大男「消え…」
殺し屋「後ろだ」
前回と全く一緒の状況。またもや殺し屋は大男の首にナイフを当てた。今度は手で体温を確認しながら…
殺し屋「お前の能力。自身を発火する前は体温が上がるだろ、しかもそれを使ったら少しの間、能力を使うことができない。だからお前はあの時挑発をするフリをして時間を稼いでたんだろ?」
大男「、、、そこまで見抜いてるとはな。完敗だ」
殺し屋「これ以上妙なことは考えるなよ?お前、いや目の前でお仲間の首と胴体が2つになるところをみたいなら別だがな」
そう大男が炎でガンガン攻めないのには理由があった。仲間を巻き込んでしまう可能性があるからである。
大男「俺は死んでもいい、だが仲間だけは逃がしてやってくれ…」
殺し屋「それは無理な相談だ…お前にはやってもらうことがある。当然お仲間たちにもな。」
大男「な、何が目的だ!」
殺し屋「お前らのボスの居場所を教えろ…話がしたい。」
大男「するわけがねぇだろ!!俺はマフィアで腐ってはいるが仲間を売るほど落ちぶれちゃいねぇ!!いっそ、舌を噛みきって!」
殺し屋「やめろ、馬鹿」
殺し屋(とりあえず拘束しなきゃな)
殺し屋はリングからピアノ線を取り出し、拘束する。
殺し屋「いいか?よく聞けよ…俺はお前らを殺してもなんの旨味もないんだぞ?俺は二度とお前らに襲われたくないから、交渉がしたいんだ…もとはといえばあんたらのシノギに小僧が手を出したのが悪いんだし」
大男「だ、だからって殺さねえって証拠もねぇじゃねえか」
殺し屋「居場所を知るだけならお前らの仲間を生かす必要はないはずだ。でも俺は殺してない。ここまでして十分なほどの証拠にはならないか?」
大男「た、たしかに」
殺し屋「決まりだな…行くぞっとその前に…」
殺し屋は大男を地面に組伏せ、放心している子供に近づいていった。
殺し屋「顔の腫れがひどいな…近くに井戸はないのか?確か、姉に水をやらなきゃって前に言ってたが、、」
小僧「こ、小屋の後ろにあるよ。でも今は氷が張ってるから水にするには長い間待たないと…」
殺し屋「氷だと!?小僧お前よっぽど運がいいな…」
殺し屋は井戸から引っ張ってきた氷を持っていたハンカチでくるみ、イノシシの肉と共に子供に渡した。
殺し屋「腫れが引くまで当ててろ、肉は余力があれば焼いて食え。あと、肉はこの果実からつくったソースつけて食えよ。食べやすくなるぞ」
子供「う、うん」
子供は終始戸惑っていたが殺し屋の言葉にはきちんと頷いた。
ちなみに殺し屋は元の世界で趣味が料理だったため、こんなときでも手は抜かないのだ。
その後、殺し屋は気絶している大男二人も拘束した後、起こして
Aに状況を説明させた。もちろん一悶着あった。
殺し屋「姉には肉ちゃんと食わしといてやれよ?」
子供「うん!それと絶対帰ってきてよ?」
殺し屋「あぁ、約束する」
殺し屋(こいつの姉には聞くことがかなりあるからな)
殺し屋「それじゃ、行くか…」
拘束された大男3人とその手綱を握る男というとてつもなくヤバい絵面をしたパーティ一行のアジトへの旅が今、始まらない!!
あれ?思った以上にこの殺し屋ポンコツじゃね?
次回はマフィアのボスとの対面
殺し屋さんは生きて帰れるのか!?
次回の投稿は1月22日を予定しています。
今回もお読みいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いします