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約束

1話で書き忘れましたが、殺し屋はイノシシの肉を葉につつんで余すことなく持ち帰ってきてます。

~殺し屋が小屋に戻る少し前~


子供「そうだ、あの人が帰ってくる前に掃除しておくか」


子供が張り切って部屋を掃除しようとした次の瞬間である。

木が倒れた音が辺りに響いた。

何事かと思い、子供は扉をあける。そこにいたのは三人の大きな男たちだった。


大男A「おいおい!本当にいたぜ!こんなところにいやがったのか、どうりで街を探しても見つからねぇわけだ!」

大男B「さすがの能力(スキル)だな…C」

大男C「まぁ俺にかかればざっとこんなもんよ!だが、大木をなぎ倒すお前の能力(スキル)も大概だがなB」


子供は戦慄した。いや恐怖が甦ったといったほうが正しいだろう。姉を捕らえ、自分たちを森まで追いやった男たちに…


子供が震えて動けないのに対し大男たちは一歩また一歩とドンドン近づいていった。


大男C「おい、ガキ。大人はどうした?一緒にいたろ?あのでっけえコート羽織った男が。」


子供の心臓は凍りついた。自分たちの居場所だけでなく、何故会ってもいないあの男を知っているのか…

未知のものに対し、人は恐怖する。それはこの子供も例外ではなかった。



子供「し、知らない…」


勇気を振り絞ってそう呟いた瞬間、子供の身体は宙を舞っていた。


大男B「知らねぇ訳ねえだろ糞ガキが!!とっとと吐けや!!」

大男C「落ち着けB しかしそうだな、ガキ何故俺たちが男を知っているのか知りたいか?」

大男A「それはなこのCのには視覚を共有する能力(スキル)があるからだよぉ!!」

大男C「俺のセリフとるなよ…まぁそうゆうことだ。俺の監視(チェックボックス)は指定した対象が見るものを俺も見ることができる。もっとも視覚だけだから周りの音や、匂いなんかはわからんがな…お前が森に入ったと知ったときはかなり焦った…」


子供はもう俯くしかなかった…




~そして現在に至る~


――――――――――――――――


俺は今さらとんでもない世界に来てしまったと自覚した。

大木をなぎ倒せて、相手の視界すらもわかる、しかもそんなのが当たり前だといわんばかりの世界なのだと…

だが相手は三人、多少の傷を覚悟して接敵すれば勝機は全然あると俺は相手の体格、性格を観察してそう判断していた。その時までは…


大男A「おい、いい加減吐いたらどうだ?身がもたねぇぞ」

子供「絶対言うもんか」


もうあの小僧の顔は原型をとどめていなかった。頬は大きく腫れ、身体は痣だらけだった。


大男C「よく聞けよガキ、別にお前が吐かなくたって俺らは組のメンバー総動員して男の1人くらい探し当てるのは簡単なんだぜ?でもお互いにそれじゃあメリットがない。ここだけの話その男がどっちの方向にいるかだけでも言ってくれれば俺らはお前とお前の逃がしたあの小汚ねぇ女もどっちも助けてやるぞ?」

大男B(まぁその男はボス直々の命令で俺ら組のしていることが国にばれるってんで殺すがな、、、もちろんガキどもも逃がさないけどね\(^_^)/)


ふざけるなよ…薄々勘づいていたが相手がマフィアとは…未知の相手三人ですらキツイのに、多勢に無勢だ…恐らく逃げるので精一杯だろう

というか小僧も小僧だ!嘘でもいいからとっとと吐けよ!なんであんなになっても黙っていやがる!


子供「言わねぇ…おれが言った方向にあの人がいたらきっとお前らに殺される!あの人を俺のせいで殺すなんてまっぴらごめんだ!」

大男C「はぁ……じゃあお前が連れてってくれ、そんでその男が見えたらお前が逃げろって叫べばいいじゃねぇか!それでも拒否るってんなら……もうお前の身体が自由に動く日は来ないだろうな」


もういい加減吐けよ…あの年齢であそこまでの怪我、誰が見たって異常だ…


子供「それでも!言わない!!」

大男A「はぁ!?」


おれはため息をついた。どこの世界にもあぁいう馬鹿はいるんだな。少し優しくされただけで恩を返そうとするやつ。

馬鹿は身を滅ぼす。当然だ。

だから俺がここから気づかれないよう立ち去るのも当然。

せっかく未知の世界で0からやり直すチャンスをもらったのに、ここでマフィアなんかと問題を起こしたらきっとまた俺は闇の世界に飛び込まざるをえなくなる。

だから俺は関わらない。

少しのあいだだったが礼を言っとくぜ、小僧。じゃあな

俺がゆっくり腰を上げ、音もなく立ち去ろうとした瞬間だった。


子供「約束…したんだ…絶対ここで待ってろって…絶対帰ってくるからって……」

殺し屋「!?」


―――――――――――――――


お爺さん「坊や、ずっと駅にいるけど迷子かい?交番に連れていこうかい?」

とある子供「ううん、大丈夫。迎えに来てくれるから」

お爺さん「迎えって……本当に来るのかい?」

とある子供「うん!ぼく約束したんだ!絶対ここで待ってろって、絶対迎えに来るからって、だから大丈夫だよおじちゃん!」


お爺さん「そうかい……それじゃあひったくりには気をつけるんだよ…財布も外に出さずポッケにしまいなさいな…それじゃあの」


とある子供「うん!バイバイ!」

――――――――――――――


俺の身体に電流が走る どうしてこうも子供は大人の言うことを真に受けてしまうのか。答えは簡単だ。信頼する大人は子供にとってヒーローにみえるからだ。


殺し屋「ここで逃げたら過去の()()に顔向けできねぇな」


俺はぼそりと呟いた。


大男A「おい、もうこいつの首跳ねてもいいか?こんな狂ってる思考回路してたら奴隷としても利用できねえだろ」


大男は小僧の首を締め、持ち上げる


大男B「ボスにどやされるぞ?ま、俺は止めないけどねぇ!って??」


大男たちの辺り一体を白い煙が包み込んだ。

元の世界からの持ち物、煙玉だ。


大男C「なんだ!?この煙!!どっから出やがった??」


大男たちはパニック状態で上手く身動きが取れずにいた。

やつらの位置はすでに把握している。


俺は音もなくB、Cと呼ばれていたやつらを立て続けに気絶させた。


大男A「なんだ!?一体何が起こっていやがる!!ッ!!」


ナイフでAの手を切りつけると捕まっていた小僧は、解放されすぐさま距離をとった


大男A「一体誰なんだ!!何が目的なんだ!!」


煙が晴れると、大男の首に殺し屋が後ろからナイフをあてていた。。



「俺か?俺は殺し屋……又の名を『死神』」








次回は殺し屋さんが能力初使用します

もしかしたら小僧や殺し屋さんの名前も明らかになるかも

更新日は21日です

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