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影武者のハイド

 フェルは聞きたいことが有りそうだったし私も相談したかったけど、放課後はアイリスが押し掛けて来るし、寮に帰っても明日の打ち合わせで時間が取られて。

 結局、リナのことをフェルに相談出来ないまま、デビュタントの夜会の時間が来た。


 デビュタントの夜会は毎年6月に行われ、学院の新入学生が全員参加する。

 だから、他学年の学院の生徒は参加者のパートナー以外は参加不可。人数が多くなるから。

 参加者は夜会当日と、その後数日は大抵学院を休む。初めての夜の社交の入念な準備のためと、初めてなので羽目を外して二日酔いになる者が多いからだ。

 前世の成人式とその後の飲み会とかも、そうだった気がする。


 レイの力作に身を包み、フェルから贈られた大きなエメラルドの装飾品で武装して、私はフラウに控え室に送り届けられた。


 控え室にはハイドが完璧なスノウの影武者として待っていた。

 レイが作った同じドレス。

 私と同じ型に結い上げた銀髪のウイッグ。

 私とそっくりにメイクされた顔が浮かべる表情は『スノウの外面』と同じ。

 厳しい淑女教育で身につけた完璧な所作まで再現されていて、ハイドがどれほどの努力を重ねて来たのかが、それだけでもよく分かる。

 違うのは瞳の色。でも、私は青でハイドは紺と二人とも青系統だから、並べて比べなければ判らない。

 よほど親しく普段から傍にいる人間以外には、見分けることなど不可能だろう。


「僕は今日からスノウの影武者だから。よろしくね?」


 ニコッとハイドの表情で言われて、私は『スノウ・ディアマンテ』の表情で答える。


「私は一生、ハイド以外の影武者を持つ気は無いわ。私を影武者のいない王妃にしたくなければ、私が死ぬまで、あなたが私の影武者をなさい」


 ハイドが一瞬震え、私の臣下として深く頭を下げた。


「ジークハイド・キリング、この身体、命、生涯の全てを、あなたに捧げます。我が主スノウ」


 私は最強の影武者を手に入れた。

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