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お家に帰ろう

 人間の食事が終わってから、イノシシの余った部分を飛竜のオヤツにした。

 軽く後片付けをして、それぞれ思うように過ごす。


 私とカイルとルークは飛竜を操り空中戦に興じる。

 番になった2頭の金竜がチームプレイをするので結構キツイ。

 だけど希少種と一対複数の戦闘なんて、滅多に経験できない。

 楽し過ぎて興奮する!


「フラウ、スノウ大丈夫なの?」

「飛竜がスノウを傷つけることは無いよ。それにスノウはああなったら止まらないし」


 ユアンとフラウの声が風に乗って聞こえる。

 加護のお陰なのか、飛竜は主に逆らってでも私を傷つけない。

 本気で主が私を害そうとすれば、乗ってる主を振り落とす。

 そんなチートがあることは、空中戦の前にカイルとルークに教えてある。

 それでも、ちゃんと全力で戦ってくれるのが嬉しくて益々高揚していく。


 白熱する戦いに周囲の音も聞こえないくらい集中した時。

 急に、視界に入る3頭の飛竜が動きを止め、滞空した。


「そこまで。スノウ、やり過ぎ」


 後ろにピタリと白竜が滞空し、騎乗するフェルが呆れた声音で窘めた。

 気がつくと、私の銀竜はブレスを吐く予備動作をしていた。

 カイルもルークも防御するだろうから死にはしないだろうけど。

 私が二人を大怪我させるところだった。

 白竜が銀竜を止めてくれなければ。


「止めてくれてありがとう」


 フェルと白竜、両者に言って、私は地面に降りた。

 ユアンが作ってくれた花束を抱えて、その後はしばらくぼんやりと皆を眺めていた。


 レイとハイドがドレスの話題で盛り上がっている。

 カイルとルークはペアでアクロバット飛行を楽しんでいる。

 ニールはフェルとフラウに挟まれて、何か小さな声で話している。

 ユアンは、私の隣でずっと空を見上げていた。


 皆、私が考える間、放っておいてくれる。

 私の視界からは消えない場所で。

 誰かしら、声や手の届く場所で。


 見捨てるわけじゃない。

 でも、一人前に「自分で解決しろ」と突き放してくれる。


 今の私は、自分で想像する以上に能力が高い。

 それに、『妖精王の祝福』の加護なのか、他の人間には有り得ない『有利な現象』が起こることがある。

 その加護は未だ未知数で、いつ、どんな現象が起きるのか予想もつかない。

 能力の高さだけじゃない。スノウは、置かれた環境が無敵に近い。

 筆頭公爵の『血塗れ宰相』と呼ばれる父に溺愛されて、次期国王の婚約者候補が全面的に私の味方だ。

 財力も権力も「お願い」で自由に使える。


 10歳の少女が持つには過分が過ぎる力。


 ほんの僅かの判断ミスや一瞬の油断で。


『自分は生き残るくせに大切な誰かを破滅させる』


 こんな力は、大人だった前世でも持ってなかった。

 持つチャンスを掴める人間は稀だろう。

 チャンスを掴んで、ここまで強大な力を得たならば。

 後悔しない使い方ができるように、己を律して鍛えればいい。


 よし。方針は決まった。


「スノウ。そろそろ帰ろうか」


 顔を上げるとフラウが目の前に居た。

 カイルとルークも降りて来ていて、すぐ近くから笑って手を振ってくれた。

 ユアンがいつの間にか作っていた花の首飾りをかけてくれて。

 ハイドが後ろから抱きつくとレイが笑顔で引っペがした。

 ニールが帰りは私の銀竜に一人で乗る許可を得たからと言って。

 フェルが私を白竜に同乗させてくれた。


 大切な仲間。

 誰も傷つけないために。

 私が後悔しないために。


 私は強くなる。

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