01 はじまり
初投稿です。よろしくお願いします。
随時、誤字、表現を等を直しています。
『夢・・・?』
気が付いたら俺は見たこともない広い建物の真ん中に立っていた。
見上げるほどの高い天井
大理石のような輝きを持った白い石の床と柱
その随所に金蘭豪華な装飾が施され壁や天井には 神話を題材としたような絵が描かれている
ゆっくりと見渡すと 天井まで届くようなステンドグラスが施された神々しい空間。
一層豪奢に飾り付けられた一段高い祭壇のような場所があり、そこに人の気配がした。
真ん中にある椅子に誰かが座り、その両脇には人がいるようだ。彼らの背には、天井まで届くようなステンドグラスあって、そこからから光が差し込み、豪奢な室内をより美しく明るく照らしていたため、まぶしすぎて姿がよく見えない。
『神々しい。。。 神?・・ 天使かな?』
ああ。いつの間にか寝てたんだろう。
疲れてんな。無理もないか。俺はそっとため息をつきながら目を閉じる。
今日 俺は 俺を育ててくれたばあちゃんを見送った。
天国か。
ばあちゃんは、きっとここに召されたんだ。
でも、この歳で天国とか天使の夢を見るとはな。
俺の願いが夢となって表れたんだろうと、勝手に夢判断する。
でも、ばあちゃんは仏教徒だった。
極楽浄土で蓮の花の上に座ってるばあちゃんだったり、仏様の夢のほうが似合う。
ーこれは、ゲームやアニメの影響だろう。このビジュアルは、なかなかいい。
しょうもないことを考えつつ自嘲した。
「おい。なに笑ってんだ。」
突然、壇上にいる人から声を掛けられ 目を開く。
子供の声?
俺は顔を上げ、目を細めて相手を見た。
光に目が慣れてきてみると、大きな椅子の真ん中に豪華なドレスを着て、これまた高そうな装飾品を幾つもまとった5~7歳ぐらいの女の子が、ちょこんと座っていた。
光を放つサラサラの金髪 身に着けた宝石よりも輝く大きな瞳。
大理石のような白い肌 紅潮した頬 つややかでふっくらとした唇。
- うん。かなりな美少女だ。
ただ。俺には幼女趣味はない。
まあ、あと10年経ったらお友から、いや、今から頼れるお兄さんとして、親しくなっておくといいかもしれない。
それより両隣に立っているのは女の子だ。この子たちは良い。
一人は茶色の髪を結い上げ、ふくよかで けしからん胸を持った可愛い系少女。
ゲームやアニメに出てくるような癒し系魔法が使えそうな杖を持っている。
もう一人も銀色の髪を結い上げ 背は高くまるでモデルのような体系の氷系美人。
この子は腰に金と銀に輝く剣を帯刀している。
15歳~20歳ぐらいかな。女の子は年齢がわかりにくい。
この二人はドストライクだ。すぐにお友達 いや、それ以上になりたい。
……。
だめだ。あかん。俺。
夢の中とは言え、こんな日にこんな妄想するなんて。
邪念は捨てろ。邪念よ去れ。今日ぐらいは。
ええと、真ん中に座った幼女が一番偉い何かの神様で、隣の二人は守護神か天使か。
そうだ。
神様でも仏様でもいい。今はばあちゃんの事を、お願いしよう。
俺はその場にひざまずいて首を垂れ、手を組み祈りを始めた。
「神様。お願いします。今日、俺を育ててくれたばあちゃんが、あなたのもとに向かいました。
本当にいいばあちゃんで、誰にでも優しいばあちゃんで、色々迷惑かけたけど、叱りながらも、いつも笑い飛ばしてくれした。
ですからどうか、安らかに眠れるようにしてください。
そんで、来世というものがあるなら…、俺は…もう一度で…いい、ばあちゃんに……会いたい…です。そして…もう一度、家族 とし て……」
声に出しているうちに、ばあちゃんの事を思いし、不覚にも涙がぼろぼろと落ち、言葉は涙声でとぎれとぎれになってしまった。
- ばあちゃん…。 ばあち、、、
「無理だな。」
感極まっている俺に、一段高い所から、感情の無い声が聞こえた。
「へ?」
俺は思わず顔を上げた。
「聞こえなかったのか。無理だと言ったんだ。」
この神様 何言ってくれてんだ?!
「そもそもお前は勘違いをしている。私は神ではない。
ただの皇女だ。」
俺は顔を赤くした。
そうだ。こいつは自分が神様だなんて言ってないじゃないか。
恥ずかしい。
「それに、お前のばあさんは、安らかになんて眠れていない。来世なんて知らん。」
その言葉に、俺はかっとなった。
「神様だと勘違いしたのは悪かったが、ばあちゃんが安らかに眠れないなんて、なんてことを言うんだ!
それに来世がないだと!あんまりじゃないか!俺は今日、ばあちゃんを見送ったばかりなんだ!!
言い方ってものがあるだろう!いくら子供だからって言って冷た過ぎやしないか!」
自分を皇女と言った幼女は、少し顎を上げ、目を細めて俺を見下ろした。
「お前のばあさまは、安らかになんて眠れていない。今も働き詰めだと、本当のことを言ったまでだ。
また、来世は『知らん』といったが、来世が『無い』とは言っていない。あいかわらず勘違い野郎だな。」
「なに!」
その愛くるしい容姿とはかけ離れた言葉に、啞然とするわ腹は立つわで、俺は思わず拳を握り、立ち上がり身を乗り出した。
幼女はさらに顎を上げ目を細めて言った。
「相変わらず人の話をちゃんと聞かん奴じゃのう。ほれ。私はこのとおり起きて働いているでだろう。
私は、いわゆる『来世』というものが始まっているが、ひびきはまだ死んでいないし、お前が死んで、転生する保証もないし、転生しても、家族になれる保証はない。」
「は?」
この幼女 何を言っているんだ。
てか、なんで俺の名前を知ってるんだ。
「お前、『このガキ何を言ってんだ』と思っているだろう。鈍いやつだな。
私だよ。元、お前のばあさん みち子だよ。
ああ、やっぱり私は神かもしれぬ。私に祈ったら、早速、もう一度会えた。すごいご利益だ。」
自分は皇女だと名乗ったその幼女は、そう言うと口の両端を上げてニヤリと笑った。