表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らの結末。  作者: yuki
僕が欲しかったもの
1/14

vol.1




もう少しだけ


背が高くなればいいな、とか





もう少しだけ



積極的になれたらいいな、とか




そんな理想は誰にだってあるでしょう。











あの日までの僕は、


どこにでもいる普通の高校2年生だったんだ。

















[ 僕らの結末。 ]
























教室の空気が

夕焼け色の空の色を含んで、

なんとも幻想的な

雰囲気に包まれた。





ボールを蹴る音、

楽しそうにはしゃぐ声、


カーテンが

春の風に揺られながらそよそよと踊った。





放課後、誰もいない教室。

これまで走らせて来たペン先を止め、

僕はゆっくりと目を閉じ

執筆中の小説に想いを馳せた。






「高野先輩、やっぱりここだったんですね」




「わっ」




完全に自分だけの世界に入り浸っていた僕を

雪乃ちゃんの控えめな声が現実に連れ戻した。




「ごめんなさい、驚かせちゃいましたね」




「いいのいいの!もう下校の時間だもんね!」






「い、一緒に帰りましょう」




僕は慌てて原稿用紙を鞄に押し込めて、

席を立った。




雪乃ちゃんは一つ下の文学部の後輩。


彼女もまた同じようにこの時間まで熱心に小説を書いていたのだろう

原稿用紙を大切そうに抱えていた。






「どう?進んだ?」




「勇者の戦闘のシーンなんですが、なかなか難しくて…もう少し書き進めたら、またアドバイス下さい」






雪乃ちゃんの眼鏡の奥の瞳が夕日色に染まっていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ