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リコリン

作者: 雪つむじ

響きは小さく、

音は可愛く。


まるで澄んでいるようで、

きっとその目は赤い空を

いつまでも、いつまでも

畦道から、眺めている。


傍には誰もいない。


朝も、昼も、夕も、夜も。

毎日の日の回転を、ただ一人。


なぜ孤独かって。

最初は、一人だったから。


なぜ孤独かって。

最後だって、一人だから。


枝分かれした木々の下に、一番根っこのところにだけ。

そのマークが、一つ。


だから、みんな一緒。

だから、みんな同じ。


地面に顔を出した時。

地面から離れる時。


今日も、そう思って

稲刈りの済んだ、畦道に一人。


案山子のいなくなった、田んぼを眺め。

動かないコンバインと、夜を過ごす。


足元にモグラはいない。

頭の上にスズメはいない。


ただ、可愛く。

風が抜ける時に、音が鳴る。

さらさらさら。


ただ、渇いてく。

風が抜けるたびに、音が鳴る。

ぱりぱりぱり。


一匙だけ、舐めてごらん。

きっと、気分が悪くなる。


赤い花束。

セロハンみたいに真っ赤な花びら。

ねぇ、見てよ。

可愛いの中には、毒がある。

触ったら手を洗いましょう。


ありがとうございました。

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