プロローグ
目の前がチカチカする。明かり、だろうか。
重いまぶたをゆっくり開く。
すると、不思議な光景が広がっていた。
たくさんの星が浮いていて、暗いはずの「夜」が明るい。それもしっかりと見えるくらいに。
――――私は・・・ねていたはず、だ。
それなのに今いるのは家ではない。夢遊病・・・にしてもこのような場所は存在しないはずだ。それでは今いるのは夢の中なのだろうか。
安直な答えに落ち着く。
「あなたが・・・レイン=スティルですね。」
「!!」
なぜ、名前を知っているのか。突如として現れた女性。知った顔ではないことは確かだ。パーマがかったロングヘアーでドレスを着ている。
ドレスを着ている人なんて初めて見た。
そこまではよく見えるのに、どうしてだろうか。顔だけはよく見ることができない。彼女は誰なのだろう。
「なんで私の名前。あなたは誰。それに・・・ここはどこ。」
気になっていた事柄を次々に述べていく。
「あわてなくても大丈夫ですよ。すぐに帰らしてさしあげます。」
綺麗な、透き通った声。
ポゥ、と音がして目の前に杖が現れた。
浮いている。
この空間はどうなっているのだろう。物がいきなり現れて、さらに浮いているなんて本来ありえないことだ。
夢の中だから?
「たしかに、渡しましたよ。」
彼女がそう言った瞬間にめまいがした。
「もとの世界に戻ったら『ティローナ』と唱えてください。そうすれば―――」
その後の言葉は聞こえなかった。
彼女が何と言ったか知る由はない。
お読みいただきありがとうございます!!
駄文ですが精一杯かかせていただきます。
どうかよろしくお願いします!